「恐れ」の深層心理には、「こだわり」と「願い」が埋まっている
「恐れ」とは、必ず誰もが持った事のある感情ですよね。
でも、多くの人は「恐れ」を感じる事から避けています。
動物的本能で、危険から身を守るための”反応”でもあります。
しかし、対人関係においても「恐れ」を感じる事があります。
この「対人関係の恐れ」とは、「他人に対して自分の存在価値を落としてしまうという予想」です。
人との会話が苦手な人は、”うまく話せない事”によって、自分の存在価値を落としてしまう予測をします。
容姿にコンプレックスがある人は、”容姿を悪く見られる事”で自分の存在価値を落としてしまう予測をします。
だからこそ、この「恐れ」を人に見せないように努力したり、隠したりします。
自分自身も、直視をする恐れから”臭いものにフタをする”つもりで、見ないようにしてしまいますよね。
でも実は、この恐れを深掘りしていくと、自分の潜在意識の中に、「本音の願望」が隠れています。
そしてこの「本音の願望」と「恐れの感情」が紐付けされると、今まで感じていた「恐れ」は、もう恐れるものではなくなり、「こだわり」に変わります。
今回は、その深掘りの方法をご紹介いたします。
このステップをひとつずつ進めてください。
(恐怖心が強く出すぎてしまう場合は中断してください。)
①自分が感じる「恐れ」の感情を3つほどピックアップする。
② 「その恐れが実現してしまったらどうなるのか?」を想像してみる。
③ その出た答えに対して、さらに「その恐れが実現してしまったらどうなるのか?」を、何度も繰り返して深掘りをして行く。
④ 最初にピックアップした他の「恐れ」も同じように深掘りをして行く。
⑤ 共通の心理欲求に行き着く。
⑥ 心理欲求の裏側にある願望を導き出す。
ざっくりと、このような手順になります。
できれば、紙に書いていくとわかりやすいかと思います。
まずは僕自身の例でご説明します。
僕は、幼少期からつい最近まで「人に認められる事への恐れ」を抱き続けていました。
そのため人から褒められても必ず謙遜していたり、会社で昇進する事にも希望を持てませんでした。
この「他人から認められる事への恐れ」を深掘りしてみます。
他人から認められたくないと思っている。
↓(認められたらどうなるか)
認められたら調子に乗って、自分自身がごう慢になってしまうから。
↓(自分がごう慢になったらどうなるか)
ごう慢になると、無意識に相手にマウントをとるようになってしまう。
↓(相手にマウントとるとどうなるか)
マウントをとる人は、相手からもマウンティングをされるようになる。
↓(マウンティングされるとどうなるか)
マウントを取られたら、自分の自由な行動や発言ができなくなる。
↓(自由な行動や発言ができなくなったらどうなるか)
自分の自由意志で生きられなくなる。
↑この部分に、自分が強いストレスを感じる事に気がつきました。
自由意志で生きられない人生に大きなストレスを感じる。
【願望】「やりたい時に、やりたい気分で、やりたい事をやれる人生」に心から幸せを感じる。
次は「人との会話」に恐れを感じている人の場合を掘り下げてみます。
(あくまで一例です。)
会話が苦手。
↓(会話が苦手だとどうなるか)
相手から「つまらない人」と思われてしまう。
↓(「つまらない人」と思われたらどうなるか)
「一緒にいる価値のない人間だ」と思われてしまう。
↓(価値のない人間だ」と思われたらどうなるか)
「自分の存在意義」を感じられなくなってしまう。
↓(「自分の存在意義」を感じられなくなったらどうなるか)
人の中で自分の「生きている意味」を見出せなくなってしまう。
↑ここに強いストレスを感じている。
という事は、
【願望】人の役に立ち、認められたい。
この場合は、「自分の存在意義」を感じる事ができれば、恐らくは会話が苦手なままでも、そこにコンプレックスは感じなくなるでしょう。
※あくまでシミュレーションした一例ですので、みなさんが実際にやってみると違う答えが出てくる事もあります。
このように、深掘りをしてみると、表面に顕在化している「恐れ」の感情とは少し違う”こだわり”や”願望”が見えてきます。
これまで「恐れ」を克服するために直接アプローチをしても改善できていない場合は、一度時間と紙とペンを準備して、上記の方法でご自身の深層心理に潜ってみてください。
そこで見つけた願望は、きっとあなたが今まで生きてきて、ずっと繰り返してきた”その行動の理由”になっている事が多いです。
その「こだわり」と「願望」見つけたサインとして、「ひらめき」や「感動」を感じるのですぐにわかるはずです。
そしてそれは、今後のあなたの人生を躍進させるための”信念”にもなりうるものです。
ぜひ時間をとって、恐れの裏側にある「あなたの願望」を掘り出してみてください。
今日も素敵な人生をお過ごしください。
鈴木天尋
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