「自信がない」と悩む人は多いです。

若い人も年配の人も、男も女も「自信がない」と悩みます。

「自信がない。この先の未来が不安。」
「それなりの時間を生きてきたけど、自信になる経験はできてない。」

と思う人もたくさんいるでしょう。

そのように悩む人たちは、”感情”を”自信”と勘違いをして捉えてしまっていると感じる事がよくあります。

感情というものは、自分の意思に関係なく、喜怒哀楽をぐるぐると巡ります。
上がったものは必ず下がり、右に振れたものは、左に振れます。
それが、感情の摂理であり、ごく自然な動き方です。

気分が良い時には、自信がついたように感じる事があります。
しかし、それは自信ではなく、”ただ気分が良くなっただけ”です。

感情の上げ下げに振り回されて、ネガティブになった時に、
「やっぱり私は自信がない。」
と感じます。

お酒を飲んで自信が出るように感じたり、気が大きくなるのは、決して自信ではなく、感情の変化でしかありません。

”感情”と”自信”は別物です。

自信とは、できなかったものができるようになって、初めて”小さな自信”をひとつだけ得る事ができるのです。

「自信」という小石を大きな袋にひとつずつ入れていきます。
その袋をいっぱいにするにはもちろん長い年月を要します。

「自信がある人」と「自信があるように見せている人」がいます。

「自信がある人」は、その分野でたくさんの”できなかったこと”が”できるようになった”という経験をしています。

「自信があるように見せている人」は、”本当はまだできていない”ので、実は不安の中で生きています。

でも「自信がある人」であっても、その分野では自信があるが、他の分野になると、急に小さくなってしまいます。

たとえば、
”誰の話でも受け入れて、相手を尊重しながら的確なアドバイスができるカウンセラーでも、自宅の玄関を一歩入れば、家族には頭が上がらず、アドバイスどころではない。”
といった人もいます。

人は決して完璧ではなく、ひとつの分野で大きな功績を達成している人ほど、実は他の部分で破綻しているなんて事も往々にしてあります。

すべてにおいて自信を得るには、どうやら「人生」の長さでは足りないようですね。

「自信がない」と悩む人の多くは、自分以外の他人のモノサシで”自分の自信”を測ろうとしています。

この世に存在する人の個性は、全員違います。

あなたが”できる事”と、あの人が”できる事”は違います。

あの人にできても、あなたにはできない事なんて山ほどあります。

あなたにできても、あの人にはできない事なんて星の数ほどあります。

今あなたが生きている限り、これまでの人生は”できない事ができるようになった事”の繰り返しだったはずです。

これまで小さな石を拾い続けてきているはずなのです。

それでも不安なのであれば、もしかすると遠い未来を見据えすぎなのかもしれません。

ネガティブな感情というものは、レベル１程度の問題を５０倍にも１００倍にも大きく捉えてしまいます。

問題を自分の中で大きくするほどに、自分の意識は、「今の自分」ではなく、「未来で最悪な状態を過ごしている自分」に向いてしまいます。

ついさっき拾った小さな石の事を軽視して、「そんな小さな石は大したことない。自分の未来を良くしてくれない。」とぞんざいに扱うようになります。

人生の仕組みとして、未来への理想像を求めすぎて、”今の自分”を大切にしない人は、永遠に幸せにはなれないと僕は思っています。

過去や今、自分がやってきた事への尊重と恩恵を感じる感性を磨かない限り、いくら”自信の石”を拾っても、底に穴の空いた袋に詰めているようなものです。

まずは、今日一日をちゃんと過ごす事。
適度に食べて、適度に動いて、適度に働いて、適度に遊んで、適度に自己啓発して、適度に人の事を考えて、適度に大切な人を愛して、ちゃんと寝る。

完璧にやろうとせず、「自分らしくやる」です。

そうやっていると、毎日がだんだん整ってきます。

一度にすべてを変えようとすると大きなエネルギーが必要になるので、想像しただけで疲弊してしまいます。

「一歩だけ自分の人生を良い方向に歩みを変えてみる」
それだけで十分なのです。

どんなに大成を成している人であっても、変化は小さなエネルギーの交換の連続です。

少しずつやれる範囲でコツコツと。
苦しくならない範囲でやる。
できれば、気分良くやる。

そうしていくうちに気がついたら”自信の小石”がある程度溜まっている事に気がつきます。

自信をつけるには、すごい事をやる必要はありません。
「普通の事」を毎日コツコツと淡々とやるのが一番の近道です。

今日も、今日のあなたを大切にしてお過ごしください。

今日も素敵な人生をお過ごしください。

鈴木天尋

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