今更ながら『リチプア』を見てみる#4

格差社会に生きる

この作品は、「格差社会に生きる男女の恋愛」をテーマにしています。
それは作品名の「リッチマン・プアウーマン」からも読み取れます。

プロデューサーの増本さんは、
「まるで趣味でもするかのように自分の好きなことを突き詰めた結果、
わずか数年で巨万の富を築いたという若者がこんなにもたくさん世の中に登場したのは戦後かつてないことだと思います。
一方で、将来困らないようにと大学を出て、資格を取得するなどしてきた人々が仕事に就けず、
今日住む家や明日食べるものに不安を感じるという、極端な格差社会がこの数年確実にあると感じます。
であるなら、そんな格差のある2人が恋に落ちたとしたらそれはハッピーエンドを迎えられるのでしょうか?」
と語っています。

ここに、「恋愛ドラマ」としてのテーマ性を感じることももちろんできますが、
やはりこの記事では、「極端な格差社会」というところに焦点を当てたいと思います。

中卒の社長なんてたくさんいます。
寧ろその方が絶大な結果を残しているのでは?とも思います。

ただ、幼い頃から勉強をして受験を勝ち抜き、
必死で就職活動をして社会人になった大人が、
衣食住に不安を感じている世の中に対して、
「これでいいの!?」と言いたい。

僕は、そうした「真面目な」人たちの希望でありたい。
「努力は必ず報われる」と証明したい。
だって、僕たちは頭もいい上に頑張れる人たちなのですから。

ただ、前回の最後にも取り上げましたが、
日向に言わせれば「あと少し考えろ」です。
周りに合わせて勉強をとりあえず頑張ってきました、ではいけません。
本気で自分の将来と向き合って、今なにをするべきか考える必要があります。

この「格差」を埋めるのは、ほんの少しの「思考」と、
「自分の未来へのワクワク」なんじゃないかなと思います。

頑張ったから認めてくれ?子どもか。

会社の命運をかけた「パーソナルファイル」プロジェクト。
文字通りこのプロジェクトの「顔」とも言える、ユーザーインターフェースの設計を、
NEXT INNOVATIONが誇るプログラマーたちが設計します。

が、日向のお眼鏡に叶うものは作れなかった。
それでも、プライベートをかけて頑張って作ったんです。

子どもか。

プロとしてお金をもらって仕事をしている以上、
求められるのは「100%以上の結果」のみです。

「要望に応えられなかったけど頑張りました」ではお話にならない。
この、「結果」に対してどれだけ拘れるかが、プロとアマの差だと思います。

もちろん、経営者はプロたちをまとめるリーダーである必要があります。
そのためにはまず、自分が一人のプロとしてあらねばならない。
32時間ぶっ通しでインターフェースを作り続けた日向のように。

何を作るかじゃなくて、誰が使うかなんだ。

澤木千尋の名を騙っていたとバレてしまった夏井真琴は、
少しでも日向の力になりたいと役所前でアンケート調査をします。

NEXT INNOVATIONの最高水準の技術力を結集したモノを作ろうとしていた日向は、
真琴の言葉で気づかされます。

そう。大事なのは、「顧客視点」です。

つくりたいものをつくっていた日向でしたが、
今回の「パーソナルファイル」は日本中の人が使うことになる一大プロジェクト。
メインターゲットは、お年寄りや子どもたちです。
彼らが使うときのことを考えて、つくる必要がある。

この世のあらゆることは、これに通ずるところがあります。
最近の言い方だと、「マーケットイン」に近いかなーと思います。

顧客が何を求めているか、何に困っているか、どんな風に使いたいのか、
「顧客視点」に立つことで、ヒントが見えてきます。

どんなにカッコいいものを作ったって、使えなかったらただのガラクタです。
そりゃあ、それがウケる一部のマニアもいるかもしれませんが。

「パーソナルファイル」のように、多くの人が使う、
世界の常識を変えるようなモノを作るときには必ず、
この「顧客視点」を忘れないようにしたいと思います。

君たちにも手伝ってほしい。ここからは、僕一人では作れない。

先ほど子どものような言い訳をして、一時はプロジェクトを外されたプログラマーたちでしたが、
インターフェースの骨子が出来上がり、いよいよ大詰めというところで、
日向は彼らを呼び戻します。

いいですよねーこのセリフ。
僕はワンピースが大好きなのですが、ルフィがサンジに言った、
「お前がいねェと…‼ おれは海賊王になれねェ‼‼」
を彷彿とさせます。

完全無欠で、全部一人でやってしまうのは、真のリーダーとはいえません。
チームの中心となり、メンバーにも役割を与える必要があります。
それは、結局大勢でやった方が速いからです。

そして、ただ単に指示を与えるのではなく、
自分が苦手なこと、相手が得意なこと、それを正直に伝えてお願いする。
これが大切だと思います。

人間、頼られると嬉しくなっていつもより力を発揮するものです。
「上手に人に頼れる人」こそ、真のリーダーだと思います。

まとめ

  • プロであり続ける。過程ではなく、結果にこだわる。

  • 顧客の視点に立つ。ターゲットのインサイトを重視する。

  • 正直に人に頼る。相手の得意なことをお願いして力を引き出す。

相武紗季さん演じる燿子は、駆け引き上手だなーと思いました。

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