感想としてはいちばんに述べることではないのかもしれない。

広島に投下した、というシーンで涙が出そうになった。
この映画は、オッペンハイマーに焦点を当てているという。
この点では、彼は、きっと優れた物理屋であり、政治屋であり、肉欲に満ちた、思想的に苦悩した、無慈悲な人物に描かれている気がした。
アインシュタインは、「マッドサイエンティスト」だったかもしれないが、科学を国が「安全保障」という名のもと軍事力に利用することを察知すれば自ら身を引いた人物として描かれる。
これに対しオッペンハイマーは、進行させ成功させたい欲に抗えなかったように見える。

世界平和を考えるとか、ある種の思想について問いかけるといった社会派マジメ系ではないのかもしれないけれど、原爆投下、米国という国のありようを想像させる、ある意味納得させるに足る内容だったように感じる。

https://www.oppenheimermovie.jp