「AIを使ったビジネス」を検討する際に確認すべき事項
AIブームの昨今「AIのビジネスへの活用を検討している」「AIを使った新たなビジネスを立ち上げようと思っている」と言ったお話を耳にする機会が多くなりました。
AIのビジネスへの活用を検討される際には、対象とするビジネス分野の知識とAIの知識が必要になります。よって、検討されている方のタイプは以下の2つに分けられます。
AIの専門家の方がビジネスへの活用を検討しているケース
ビジネスの専門家の方がAIの活用を検討しているケース
ビジネスの専門家の方がAIの活用を検討されるケースでお話をお聞きすると、AIに過度な期待を持たれているケースも散見されます。そこで当文書では、ビジネスの専門家の方がAIの適用を検討される際、まず最初に確認しておいた方がよい事項を述べてみたいと思います。
文書中のAIは、今のAIブームを支えているテクノロジーである機械学習を指してます
その前にまずAI(機械学習)とは何か?
AI(機械学習)とは何か?非常にざっくりいうと
データから規則や構造を抽出し、それを使って予測や判断を行う技術。
予測や判断を行う手順自体を説明することは出来ない、言い換えるとプログラムに落とし込めないが、なんらかの傾向はあるはず、という場合に使うのが一般的です。
質問1 それAIでやる必要あるの?
AIの活用を検討するのが適切なのは、従来のコンピューターの使い方では実現するのが難しい場合です。
AI(機械学習)を使うべきで無いケース
手順をプログラムに落とし込むことができる処理
(例) 三角形の面積計算
底辺と高さのデータがあって三角形の面積を算出する必要がある場合
底辺 x 高さ ÷ 2 とプログラムすれば必ず正しい答えが出ます。
決算処理、給与計算なども手順は決まっているので同じ仲間です。
AI(機械学習)を使うべきケース
手順をプログラムに落とし込むことができない処理
(例) 画像解析
たくさんの写真から特定の人物が写っているものを選別する必要がある場合。
画像・音声のような非構造化データの識別は手順をプログラムに落とし込むことが難しく、これまでコンピューターでの処理は難しいとされていました。
(例) 不正カード利用検知
不正なカード利用を検知する必要がある場合、検知の手順を説明するのは難しいけれど、データには、なんらかの傾向がありそうです。
質問2 データはあるの?
AIは「データから規則や構造を抽出」します。十分なデータがなければ何もできません。「規則や構造を抽出」するのに十分な量と種類のデータが準備できるかは必ず確認しましょう。
質問3 間違いを許容できる?
AI(機械学習)の出す答えは「過去のデータの傾向からすると、おそらく大体正しいです」というものです。100%正解ではありません、必ず間違いは発生します。見落とし、誤検知などを許容できる仕組みにできるかを考えましょう。
質問4 そもそも何がしたいのか?
「何やりたいかよくわからんけどそこ含めてAIで!」流石にここまで破天荒な人はいないと思いますが、何をしたいか?は自分で決める必要があります。
目的、選択肢、選択基準は人間が決めます。AIにできるのは与えられた条件に基づき過去のデータの傾向を元に最適な選択肢を選ぶところです。
いい条件設定をする、というのはAIを有効活用する上での大きなポイントです。
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