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【警告!】あなたが超傑作小説書いても、ブロックチェーンに登録するのはやめとこう

作家 :「超傑作小説が完成した!複製されると嫌だからブロックチェーンに登録しよう!!」

サトシ:「やめなさい、そんなことしたら複製され放題ですよ」

作家 :「えっ!知らないんですか?ブロックチェーンは複製不可、コンテンツ管理がバッチリなんですよ!」

サトシ  : 「それは、嘘です。なんの暗号化もしない状態で登録するとコピーし放題です」

作家 : 「デジタルの世界では不可能と思われていた複製不可の仕組みを実現したブロックチェーン、その機能は仮想通貨で実証済み!」って感じのこと聞いたけど。。。。。」

サトシ : 「かなり歪んだ言い方になってますね。。。実際のとこは、あなたが小説登録した後に改ざんされてない、ってのは保証出来るかもしれませんが、あなたの小説を複製するのを止める力はありません。」

サトシ : 「ブロックチェーンに出来るのは」

(一定の条件のもと)管理者がいない状態でも、登録したデータが改ざんされていないことを高い確度で保証する。

サトシ : 「これだけです」

作家 : 「そんなんじゃあ仮想通貨なんかコピーし放題じゃないですか、危なっかしくて使えないんじゃ?」

サトシ : 「危なっかしくない、非常によくできた仕組みになってます、この後説明します」

ビットコインの仕組み

 過去からの全ての取引を記録する帳簿を作って、それをみんなで共有すれば不正はできなくなる、っていうのがビットコインの発想です。

あなたは10ビットコイン 持ってます。
あなたはAさんに10ビットコイン渡しました。
 

この取引記録はチェックされた後帳簿に登録されます。

あなたはこの時点で一文無しなのですが、手元に10ビットコインのコピーが残ってるので、Bさんにも渡そうとします。

この取引はチェックに引っかかります、帳簿を確認するとあなたはAさんに10ビットコイン 渡しているから、一文無しとバレるのです。
この取引は不正なので帳簿には登録されません。

 これがビットコインの仕組みです。でもこの仕組み、このままでは穴があります。

穴1 : 誰が帳簿への登録時に整合性をチェックするのか?
穴2 : 登録した後の改ざんをどう防ぐのか?

それぞれの対応を見てみましょう。

穴1 : 誰が帳簿への登録時に整合性をチェックするのか?

 これはビットコインを考えた人が一番工夫しているところです。

 ビットコインは、正しい登録をした人にビットコインをあげるというインセンティブを餌に、たくさんの人に整合性チェック競争をさせる仕組みにしています。

「整合性チェック競争に勝てばまとまった額のビットコインが手に入る、ズルをして不正データを滑り込ませるとすぐにバレて骨折り損のくたびれ儲けになる」という仕掛けになっているので、不正をしようとする人はまずいません。

 これはビットコイン特有の仕組みで、ブロックチェーンとは関係ありません。

厳密にいうとその実装のためにブロックチェーンの特徴を使ってるのですが、ブロックチェーンを使えばもれなく整合性チェックの機能がついてくる、というわけでは無いのでこう書いてます。


穴2 : 登録した後の改ざんをどう防ぐのか?

 ここで使われるのがブロックチェーンです。

 最初に話したブロックチェーンに出来ることを思い出してください。

(一定の条件のもと)管理者がいない状態でも、登録したデータが改ざんされていないことを高い確度で保証する。

 これによって、一度登録されたデータは改ざんされていないという保証が可能になります。

今日はどうやって改ざんが難しい構造にしてるのかは割愛します。ビットコインの場合、一定数以上の人たちが登録チェックを競っている状態に有る限り、改ざんされていない事が高い確度で保証されます。

傑作小説とビットコインの違い

 ビットコインの場合、ブロックチェーンに登録されている状態そのものが価値の源泉なので、ブロックチェーンを使った仕組みで価値のコントロールをすることができます。

 傑作小説の場合、登録状態うんぬんでなく、データの内容そのものが価値を持つので、ブロックチェーンに登録しただけで、その価値をコントロールすることは出来ません。


Photo by Hitesh Choudhary on Unsplash

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