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伸展型腰痛の基本的知識

腰痛とは

器質的(構造的)変化を伴う腰痛と
画像検査などによる明らかな病変がなくとも腰痛症を呈する椎間板性腰痛、椎間関節性腰痛、仙腸関節性腰痛、筋・筋膜性腰痛などに大別される。

伸展時は、腰椎矢状面上の後方回旋と後方への並進運動が起こる。その運動は屈曲時とは異なり靭帯の緊張よりもむしろ上下棘突起同士の衝突あるいは上位椎体の下関節突起と下位椎弓板の衝突によって制限される。

伸展可動域が増加して前弯が増強されると、上位椎体の下関節突起は下位椎体の上関節突起・上関節面と椎弓板に衝突し、軸圧迫が増加する。


仙腸関節のバイオメカニクス

仙骨は脊柱底部で腰椎を支持し、脊椎に加わる長軸方向のすべての力が仙腸関節を介して両下肢へ荷重が伝達される。

仙骨のニューテーションは、

関節面の凹凸形状、骨間靭帯、仙棘靭帯、仙結節靭帯によって制限されている。

ニューテーションは断続的な高い荷重負荷を伝達する仙腸関節の安全なポジション、いわゆる締りの肢位または自己固定肢位である。

一方、カウンターニューテーションは、

長後仙腸靭帯により制限され、力を伝達するためには適さないと言われている。したがって、カウンターニューテーションは骨盤帯に加わる負荷が増加するため生じさせるべきではない。


腰背部筋のバイオメカニクス

多裂筋の深層線維は、

椎間関節の関節包に付着することで、運動中、関節包が関節内に挟み込まれるのを防ぐ役割がある。

多裂筋は他の棘間筋、横突間筋などと協同し、

①脊椎運動時に椎間関節の滑走性を調整することで、そこにかかる負荷やストレスをコントロールすること
②腰椎前弯をコントロールし、力を均等に分散させることで脊椎安定性に寄与する


多裂筋は2~4椎間にわたって付着する多関節筋であるが、長短回旋筋や半棘筋と同様に逆V字状に走行している。両側性に活動すると抗重力位方向に安定した体幹伸展位が得られる。これらは重要な抗重力筋である。

一方、最長筋と腸肋筋はV字状の走行を呈し、筋長が長く抗重力位の姿勢保持というよりも推進性が高い。これらの筋は一側性活動で左右に側屈させる推進筋であるため体幹安定性には適さず、過剰な筋緊張は機能性側弯などの一因になりかねない。

→ 抗重力伸展をしっかり出したい場合は、多裂筋や長短回旋筋、半棘筋を効かせる必要がある。また、側弯があれば一側的に過活動となっている最長筋や腸肋筋の過活動を抑制する必要がある。


胸腰筋膜のバイオメカニクス

胸腰筋膜はさまざまな筋(内腹斜筋、広背筋、大殿筋、大腿二頭筋)と連結し、同側に限らず反対側にも影響を及ぼしている。また腹横筋や内腹斜筋が胸腰筋膜を介して脊椎安定性に関与しており、特に中葉は腹横筋の張力を腰椎へ伝達するのに適した構造である。

胸腰筋膜に付着する筋群の活動で胸腰筋膜の張力が高まり、腰椎伸展活動や仙腸関節の剛性が増加する。

→ 胸腰筋膜による脊椎、骨盤、下肢間の張力伝達機能は下位腰椎と仙腸関節の安定性向上に重要である。


上記画像は全て「脊柱理学療法マネジメント」より引用


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たくみロドリゲス@理学療法士

理学療法士/日本でトップクラスの手術数を誇る人工関節センターを経て、現在整形外科クリニック勤務🏥/毎年研究報告、論文執筆実施📖研究を通して、適切なEBMを追求中✌️ Twitter➡️https://mobile.twitter.com/TakumiRodrigues
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