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高齢者に対する筋力トレーニング

高齢者に対する筋力トレーニングの効果

高齢者では特にタイプIIb線維(速筋線維)が萎縮するため、加齢による筋力低下、筋萎縮の予防、改善としては、タイプIIb線維の肥大を誘導する筋力トレーニングが現在のところ最も有効な手段である。

運動療法学障害別アプローチの理論と実際より引用

上の表より90歳の高齢者であっても、筋力トレーニングによって筋肥大を伴う筋力増加が得られることが報告されている。

ちなみに筋力トレーニングによる主な効果は筋力増加や筋肥大以外にも様々なものが存在する。

・筋量、筋力の増加
・骨密度の増加
・有酸素運動能力の向上
・静的、動的バランスの改善
・関節炎の徴候と症状の改善
・歩行速度の改善
・関節可動域の増加
・全体的な身体的活動レベルの増加
・機能的自立度の改善
・身体のエネルギー消費の増加
・抑うつ症状の減少
・自己効力感の向上
・気力の改善
・食欲の増加
・睡眠の改善
・インスリン感受性の増加
・肥満改善、内臓脂肪の減少
・冠動脈疾患の症状の減少
・蛋白質代謝の改善

これらの効果を知っておくだけで、患者への筋力トレーニングの大切さの説得力は大きく増加するのではないだろうか。


高齢者に対する筋力トレーニングの処方

一般的にトレーニング強度が高いほど筋力増加・筋肥大効果が期待できるが、高齢者においては、コンプライアンス(運動実施の遵守)や傷害発生の予防、血圧上昇の予防などの点において、比較的軽い運動強度の方が有利である。

運動強度は筋力増強・筋肥大を目的とするのであれば1RMの60〜80%(8〜15RM)あるいはBorg主観的運動強度スケールで15〜17(きつい〜かなりきつい)が目安とされている。1RMの85%程度以上の高強度になると、高齢者では筋骨格系傷害や循環器系のリスクが高くなるとされている。運動強度が低くても反復回数を増やすことによって、高強度と同様の筋力増強効果が得られることも示されており、高齢者ではBorgスケールで13(ややきつい)程度の運動を選択することが勧められる。

高齢者に対する24週間の筋力トレーニングを高強度(80%、1RM、反復回数8回)と中等度の強度(50%、1RM、反復回数13回)で実施した結果、筋力増加率は中等度と高強度では差がない。



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たくみロドリゲス@理学療法士

理学療法士/日本でトップクラスの手術数を誇る人工関節センターを経て、現在整形外科クリニック勤務🏥/毎年研究報告、論文執筆実施📖研究を通して、適切なEBMを追求中✌️ Twitter➡️https://mobile.twitter.com/TakumiRodrigues
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