元世界ナンバー1テニスプレイヤー ディアナ・サフィナの苦悩

 ディアナ・サフィナが2011年にWTAマドリードオープンのユリア・ゲルゲス戦を最後にツアーを離れてから8年の歳月が経過した。サフィナは、グランドスラムタイトルこそ持っていないが、10年前は、世界屈指のトッププレイヤーの1人として活躍していた。元世界ナンバー1のマラト・サフィンの妹でもあるサフィナは、2009年4月には自身も世界ナンバー1の座に君臨し、12のWTAタイトルを獲得し、2008年の北京オリンピックではシングルスで銀メダルを獲得した。

 ほとんどの選手達は、過激なツアースケジュールから解放され、急激な生活の変化の後に新たな目標を見つけることに苦労している。兄サフィンは、独身であることや悠々自適な生活を楽しんでいるが、33歳のサフィナは、ツアーを離れたことによる刺激のない生活や、ツアー中の時のような人との関わりがなくなったことが原因で、うつ、孤独と戦っている。

「引退後の選手達にこのようなことが起こるのはよくあることだと思う。ツアーを離れると別人のような生活を送るわけだから。私が世界一の時には、みんな私と一緒にいたかったから、私の周りにみんないたわよ。今となっては、多くの人が私のことを忘れてるようだわ。次世代の選手達の育成に私も協力したいと考えていて、何度もテニス協会の会長に連絡しているんだけど、ちっとも連絡がないの。」とサフィナは言った。

 10年以上もツアーを離れていた彼女の選手仲間達がプロツアーに復帰したのを見てきた彼女だが、サフィナ自身は、コーチ業に就きたい希望はあるもののプロツアーに選手として復帰するほどの意欲はない。

「キム・クライシュテルス選手やタチアナ・ゴロビン選手のように私がツアーに復帰することは考えられないけど、コーチになることや他の選手に私の経験を伝えることをやっていきたいの。」とサフィナは言った。

 最近、サフィナは、大学の法学部を卒業したが、テニス界に関わりたいとの一心で、コーチ業を始める為に直接、選手やエージェントにアプローチをかけている。


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