TENSEI HIRAKAWA

ライ麦畑でつかまえたい

TENSEI HIRAKAWA

ライ麦畑でつかまえたい

マガジン

  • インドネシア ジャワ島を横断する旅

    あまりイメージが湧かない国、インドネシア。 ただ漠然とジャカルタを出発してジャワ島をひたすら東へ、旅人の楽園バリ島を目指す旅に出た。

  • 泰安洋行 〜ヨーロッパの旅〜

  • ラオス・タイ イサーンを歩く旅

    東南アジア最後の桃源郷、ラオス。 タイのディープな東北部、イサーン。 "何もない"と言われているこのエリアには一体なにがあるのだろう。 ラオ族が培ってきた文化や伝統、 イサーンの伝統ダンスミュージック、"モーラム"の足跡を探して。 コロナ鎖国明け、2年半ぶりの5週間の旅の雑記。

  • タイのスイスを目指す旅

    「タイにスイスがある。」 そんな言葉がなんとなく気になって目指してみることに。 マトリョーシカのような5連大仏に、 湖に蓋をするように現れる雲海。 いつものように寄り道ばっかりの、 だらっとしたタイの田舎ひとり旅。

  • ヒマラヤの麓 ネパールの旅

    世界の屋根 ヒマラヤの麓。 大昔から旅人が目指す国、ネパール。 旅人の聖地カトマンズ。楽園、ポカラ。 危険な山道バス、山の上からのパラグライディング、仏教の聖地、火葬場、生き女神クマリ。 神聖でカオスなネパールの旅。

最近の記事

泰安洋行 〜ヨーロッパの旅〜 2

アルプスの真ん中 北に来るに連れてめきめき寒くなってきた。 標高も高いのかもしれない。 もうさすがにバルコニーでだらだらできないくらいには寒い。 オーストリアのインスブルックという街にいる。 チロル地方というところ。 ぐるりをアルプス山脈に囲まれた静かな都市だ。 一粒数センチありそうな羽毛みたいな軽い雪が舞っている。 ドット柄の街みたいですごい綺麗。 オーストリアに入って、きっとこれがドイツの空気感なんだろうなあってノリに変わった。 ワインからビールになったしね。

    • 泰安洋行 〜ヨーロッパの旅〜 1

      イタリア、フィウミチーノ空港の外に出ると、 すぐそこで若い女の子たちが煙草をばんばん吸ってた。 もうすでにイタリア、好き。 ローマの朝 ローマに着いた。 ここから地道なヨーロッパ旅が始まるんだなあ。 予約した宿。 地図を頼りにたどり着いたけど、ただのアパートメント。看板も出てない。 電話をかけたらひとまず待て、とのことで 道端のカフェテリアで粗末なパンとスムースなラテ。 片耳は街の音、もう片耳はビリーホリデイ。 いつも東京でやってるようなことだけど遠い異国でやるのが最

      • 泰安洋行 〜ヨーロッパの旅〜 プロローグ

        アラブの夜明け ドバイメトロを降りると夜が明けていた。 アブダビ空港からアラブ人でギチギチのバスに乗っかってドバイにきた。 金融街かなんかなんだろうか。 若くて大きなビルが並ぶ整然とした大通り。 どこか嘘っぽい大都市。 香港かシンガポールを思わせる。 落ち着かなくて路地に入る。 煤けた色の団地群のようなものの横をしばらく歩くと、道端にチャイ屋やモスクが現れる。 ハリボテのビル街からちょっと路地に入れば、そこに"生活"があるよなあ。 道端で甘いチャイと煙草をやるこ

        • タイのスイスを目指す旅 4

          前の記事↓ 「タイのスイスを目指す旅」と言っておきながらもとっくに帰り道。 ここからはバンコクの生活になる。 結局いつも通りのやつ。 目と鼻の先、パトゥムターニーからバンコクに帰ってきた。 中華街ヤワラートの安宿はシャワートイレ共同だけど、部屋のテレビではYouTubeなんかが見れて快適。 美味しいチャイニーズフード目当てでヤワラートに来たのにこの日は月曜日。 ヤワラートのレストランは軒並み定休日。 しばらく歩き回ったけど開いてるチャイニーズレストランは全然なくて

        泰安洋行 〜ヨーロッパの旅〜 2

        マガジン

        • インドネシア ジャワ島を横断する旅
          2本
        • 泰安洋行 〜ヨーロッパの旅〜
          3本
        • ラオス・タイ イサーンを歩く旅
          9本
        • タイのスイスを目指す旅
          4本
        • ヒマラヤの麓 ネパールの旅
          2本
        • インドに呼ばれて
          7本

        記事

          タイのスイスを目指す旅 3

          前の記事↓ 旅の目的地カオコーから、バスでピッサヌロークのバスターミナルまで戻り、その足で鉄道駅へ。 ピッサヌロークに泊ってもよかったんだけど、 行きに一泊して、だいたい雰囲気がわかったので、せっかくなら知らない所へってことで、 たどり着いたのがピッサヌローク県のお隣、ピチット県だ。 ピチット市内、国鉄のピチット駅あたりの宿は中心地から離れた高級ホテル以外すべて完売。 考えた末に、駅前の安宿が取れた、タパーンヒンというもう少し先の町に降り立った。 タパーンヒンは今ま

          タイのスイスを目指す旅 3

          タイのスイスを目指す旅 2

          前の記事↓ 昨日下調べした通りに、ピッサヌロークのバスターミナルからペッチャブーン行きのバスに乗って、 カオコーの最寄り、ケームソンという町でバスを降りた。 バス停で降りたとて、そこにタクシーはおろかバイタクが居るわけでも、ローカルバスが通るわけでもない。 近くに取ったホテルまで20分くらい歩く。 周りには幹線道路とちょっとした山々以外に何があるわけでもない。 標高が上がったからか日差しは強いけど空気が乾いていてわりと涼しい。 昨日の段階で唯一空室のあった国道沿いの安

          タイのスイスを目指す旅 2

          タイのスイスを目指す旅 1

          タイのスイスと言われる場所がある。 「今度またタイに行くことにしちゃったんだけど、どこか面白いところありますか?」 顔馴染みのタイ人に聞いてみた。 「ペッチャブーン県に面白いお寺がありますよ。」 そのお寺は前になにかで見たことがあって気になっていた場所だった。 「お寺があるカオコーっていう所は涼しい高原で、タイ人の観光客に人気。とてもスワイ(綺麗)です。」 スマートフォンで写真を見せてもらうと、 それはとても綺麗な山々で、全然おれの知ってるタイっぽくない。 どっち

          タイのスイスを目指す旅 1

          ラオス・タイ イサーンを歩く旅 9

          前回の記事↑ ついにイサーンの旅を終えて、ナコーンラーチャシーマーからバンコクに帰る。 最後の大移動。 ラオス、イサーンの旅って言っておきながらも、 やっぱりバンコクから入ってバンコクに帰ってからのことも含めて書いてみようと思う。 面白かったので。 だいたいいつものバンコクは旅を終えて寄り道して、 なにもせず毎日、日本食ばっかり食べて自堕落に過ごす、 "沈没生活" だけど、 今回はバンコクでも久しぶりに "旅" というマインドで遊んだ。 旧市街の宿の最寄駅はナコーンラー

          ラオス・タイ イサーンを歩く旅 9

          ラオス・タイ イサーンを歩く旅 8

          前回の記事↑ イサーン旅のゴール  ナコーンラーチャシーマー ブリーラムから列車で2時間、 ナコーンラーチャシーマーについた。 イサーンをずっと旅してきたおれにはえらい都会だ。 タイ側から見て、イサーンの玄関口になるこの町が、ラオスから入ってバンコクに向かって南下してきたおれの旅の終点だ。 ウボンと同じく、タイ人は名前の長いこの町をコラートという略称で呼ぶ。高原という意味らしい。 お堀に囲まれた旧市街がコラートの中心エリア。 ナコーンラーチャシーマー駅の3kmくらい

          ラオス・タイ イサーンを歩く旅 8

          ラオス・タイ イサーンを歩く旅 7

          前回の記事↑ ついにイサーン旅のゴールが見えてきた。 ここからは鉄道の旅。 最終目的地、ナコーンラーチャシーマーを目指し西に向かう。 シーサケートへ タイ最東の最果てのウボンの駅は緑に囲まれた長閑な所にあった。 次の町シーサケートまでは13バーツ(50円弱)、タイの国鉄はバスやロットゥー(乗り合いバン)よりもずっと安い。 チケットを買って列車が出る時間まで、 駅前の屋台で買ったパイナップルを食べて待つ。 甘いフルーツにはチリソルトをかけて食べるのがタイのスタイル。 人

          ラオス・タイ イサーンを歩く旅 7

          ラオス・タイ イサーンを歩く旅 6

          前回の記事↑ コーンケンで束の間の休息。 ここからまた旅が始まる。 相変わらずこの先になにがあるのかわかってない。 ウォートタワーの町ローイエット コーンケンからローイエットまでは、大型バスで2時間の移動だった。 バックパックと別に、コーンケンで買ったエレクトリックピン(弦楽器)が増えたので、荷物の置き場のないロットゥー(乗り合いバン)じゃなくてちょうどよかった。 それにバスターミナルからのバイタクも、ピンも上手いこと背負ってなんとか乗れたので、一安心。 ここからの

          ラオス・タイ イサーンを歩く旅 6

          ラオス・タイ イサーンを歩く旅 5

          前回の記事↑ サコンナコーンという田舎町にいる。 特にやることもないので、宿の前の商店でコーヒーを注文し、店に置いてあった店主のおっさんのギターを弾かせてもらったりしてだらだら過ごす。 夜8時過ぎ、お腹が減ったのでレストラン探しに町に出るが昼間通りかかった店が軒並み閉め始めている。 仕方なく近くのパン屋でパンと、コンビニでビールとおつまみを買って部屋で過ごした。 田舎の夜は早い。 サコンナコーンからナコーンパノムを目指す メコン川沿いの町。ラオスとの国境の町だ。 そう

          ラオス・タイ イサーンを歩く旅 5

          ラオス・タイ イサーンを歩く旅 4

          前回の記事↑ ラオスの旅を終えて、ヴィエンチャンからタイ、ノンカーイに戻ってきた。 ここからタイの東北部イサーンの旅が始まる。 大昔、ラオスとタイのイサーンは同じ王国だった時期があって、ルーツは同じラオ族。 フランスがラオスをを植民地にした時に、ここに国境が引かれて、 最終的に、今のラオスとタイのイサーンに分けられた。 それからイサーン人たちはタイという国に同化することを強いられ、タイ語に括られる言葉を話すようになった。 イサーンにはタイとラオスが混ざり合った独自の

          ラオス・タイ イサーンを歩く旅 4

          ラオス・タイ イサーンを歩く旅 3

          前回の記事↑ 世界一なにもない首都 ヴィエンチャン ルアンパバーンからバンビエンに寄り道して、ヴィエンチャンに戻ってきた。 1泊10ドルくらいの部屋はエアコンが無くてとにかく寝苦しかった。 久しぶりの都会を味わいに、 真新しいショッピングモールに行ってみることに。 町の中心の市場、タラートサオの横に真新しいショッピングモールが並んでいた。 最先端モールはこじんまりとしたサイズ感。 路面にはおそらくラオスでここだけであろう外資のチェーン店、ロッテリアやミスタードーナツ

          ラオス・タイ イサーンを歩く旅 3

          ラオス・タイ イサーンを歩く旅 2

          前回の記事↑ ルアンパバーンを目指す ヴィエンチャン。朝10時。 お世辞にもターミナルとは言えない小さなバス停からバンに乗り込む。 乗客はおれの他に、数人の現地人。 それと中華系の60代くらいのおじさんの3人組、それに同伴のタイ人の女の子3人。 おそらくタイの飲み屋の女の子を連れてラオスまで合コン旅行にきてるんだろう。 バスは蒸し暑くぎゅうぎゅう。とても快適とはいえない。 ヴィエンチャンからルアンパバーンまでは距離にしてだいたい300km前後。 道路は舗装されていた

          ラオス・タイ イサーンを歩く旅 2

          ラオス・タイ イサーンを歩く旅 1

          コロナ禍でのはじめての旅 コロナ禍ってものが始まってから、 それまで1年に何回かあったおれのアジアの旅はぱったりとストップした。 世界中が非常事態で海外はおろか、不要不急の外出を控えないといけないなんていう状況になることがあるなんて当然思ってもみなかったことだし、 "外こもりタイプ" のおれにはかなり辛かった。 2022年7月1日。 今までタイ政府がじりじりと緩めていた入国規制が、ばしっと廃止された。 それまでに入国に必要ビザみたいなものや、入国時の隔離や検査。 おま

          ラオス・タイ イサーンを歩く旅 1