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てんたこん
2020年1月9日 21:00
ありがちな異世界転生魔王系の小話と、創作品の紹介です。名前の原案はとある方からお借りしました。さらに様々アイデアをいただいて融合しています。内容は『星』の話です。夜空の星を教えたい。魔界に来て、最初にそう思ったのはいつのことだったか。魔界の空には星がない。世界の外側にはまた別の世界がある。独自の構造をした魔界は、【陽】の刻と【陰】の刻が地球の昼夜のように入れ替わっていくだけであり、我々
2019年12月19日 21:03
久しぶりの小話更新です。ありがちな異世界転生魔王系の小話と、創作品の紹介です。つくった装身具自体はちょろっと雰囲気しか登場しません。メインは冬にやりたくなる現象の話です。風が吹いている。穏やかな風は、優しく頬を撫でて去っていく。過ぎたものは惜しまない性格だと思っていた。去ったものや場所を思い起こすことはあれど、未練がましく見惚れはしない。異世界に来た時だってそうだ。離れた元の世界にはいつ
2019年6月20日 21:23
閉ざされた教室。そこにためらいなく『風穴』を開けた青年は、振り返らずに私に言葉を投げかけた。「例え話をしよう」西日が眩しい。眩暈に倒れてしまいそうになる。それは開いた穴から差す夕の陽が眩しすぎるせいでもあったし、見慣れた教室に人が一人くらいなら通れそうな穴を開けるという————こう形容するのが正しいのかはわからないが————思い切った行動、のせいでもあった。私は舞う砂塵を制服から払いな
2019年6月13日 21:03
ありがちな異世界転生魔王系の小話と、レジンのやさいの紹介です。久しぶりの第十三章はお茶請け的な昔話です。雰囲気だけでも感じ取って頂けたら幸いです。薪が弾ける音がする。散った数多の火の花は、刹那の瞬間部屋を照らして灰の中に消える。机に向かう魔王は、静かにペンを置く。乾いたインクは何も汚すことはない。「……昔、この世界で異次元の人間との『いさかい』がありました」小さな声に魔王は耳を傾け
2019年5月30日 21:01
たくさんつくったへちまとなすのストラップ。そのひとつひとつに物語をつける新しい取り組みです。3個目は『秘密のへちま』。ちょっと回りくどい人々のお話。雰囲気だけでも感じ取っていただけたら幸いです。「どうしてもひねった表現しかできない者はいるものだ」「回りくどいのはよして素直に言った方がいい気はしますけれど」「ま、今回作ってみたのもそんな小話だよ」~『秘密』の平知誠(へちま)~勝負をし
2019年5月23日 21:01
たくさんつくったへちまとなすのストラップ。そのひとつひとつに物語をつける新しい取り組みです。2個目は『人情のへちま』。モノクロの世界に住まう女性と、来訪者の物語。雰囲気だけでも感じ取っていただけたら幸いです。「今日込めるのは、『人情』の物語。人情は人間の人間らしい感情、そして思いやりやいつくしみの心」「魔物にも人情がありますよ?」「もちろん知っているさ。普遍的な生物としての感情の物語をつく
2019年5月16日 21:01
たくさんつくったへちまとなすのストラップ。そのひとつひとつに物語をつける新しい取り組みです。魔王様の創作物なので、彼の世界には直接関係がない話かもしれません。最初は『逡巡のなす』。いつもと違った装いですが、雰囲気だけでも感じ取っていただけたら幸いです。「つくったものに、何か言葉を込めてみたいんだ」「言葉、ですか?」「少しでも、僕達の想いが此処にいない誰かに伝わるように」~『逡巡』の
2019年5月9日 22:15
ありがちな異世界転生魔王系の小話と、レジンのやさいの紹介です。第十三章は平和な話。そして続きものの後編のお話です。雰囲気だけでも感じ取って頂けたら幸いです。「はい、朝ですよー!ご飯ですよー!ゆっくり食べて、たくさん働いてくださいー!!」フライパンを打ち鳴らす音と共に起床。すごしやすい気候の朝は、ベッドとの戦いから始まる。「この踊りしたら肩がよく動くんだ!」「生きてるアンタは、動かし過
2019年5月2日 21:04
ありがちな異世界転生魔王系の小話と、レジンのやさいの紹介です。第十二章は平和な話。そして来週完結しそうな中編のお話です。雰囲気だけでも感じ取って頂けたら幸いです。 揺らめく炎がふたつの影を照らしている。そのひとつ、青年は微動だにせず。もうひとつの女性は荒い息を吐いて屈みこんだ。黒い前髪が垂れ下がり、表情は見えない。「つまり……この魔界という次元全体に数多の世界があり、その世界それぞれに
2019年4月18日 21:08
ありがちな異世界転生魔王系の小話と、レジンの野菜の紹介です。第十一章は新たな出会い、そしてまた一話完結でないお話です。雰囲気だけでも感じ取って頂けたら幸いです。春は出会いの季節だと、世の人々は言う。当たり前だ。春は人間関係に変化が起こりやすい、「終わり」と「始まり」のイベントが多いのだから。しかし、それと「真の意味で出会えるか」は別問題である。ヒトとヒトが関わり合うすがた、真の意味で出
2019年4月11日 21:00
ありがちな異世界転生魔王系の小話と、今回は歯車を使った工作の紹介です。第十章は魔王様がおやさい以外のものをつくる話です。でも、そんな時もあるよね、という話でもあります。雰囲気だけでも感じ取って頂けたら幸いです『流れ』というものがある。良い流れ、悪い流れ、それらは両方存在し人生を翻弄する。ただしい方向に向けられた努力は裏切らないとは思う。しかし悪い流れに囚われてどうにもこうにも全てが滞って
2019年4月4日 21:03
ありがちな異世界転生魔王系の小話と、レジンを使ったアクセサリーの紹介です。第九章は何かが始まりそうなリメイクの物語。最後にふわっとした告知等がありますが、雰囲気だけでも感じ取って頂けたら幸いです世界を広げたい。自分の瞳に映る世界を。そのためには、『眼』を増やすしかないのだと思う。自分のふたつの『眼』だけではない、他の人々の『眼』を取り入れてこそ見える世界は広がっていく。『眼』は様々な場所に
2019年3月28日 21:00
ありがちな異世界転生魔王系の小話と、レジンを使ったアクセサリーの紹介です。第八章は『さつまいも』と『べにいも』の物語。出張シリーズ最終回となりましたが、雰囲気だけでも感じ取って頂けたら幸いです「あ、帰るの?」真紅の鳥に頷き返しつつ、手のひらの中のものを差し出す。もの欲しげなまなざしが一瞬で輝いた。木彫りの赤い鳥の置物……だが、何の【魔技】かもわからないが、常に幻の水を嘴から吐いている。適
2019年3月21日 21:03
ありがちな異世界転生魔王系の小話と、レジンを使ったアクセサリーの紹介です。第七章は『むらさききゃべつ』の物語。次回で完結するはずの続き物の中編となりましたが、雰囲気だけでも感じ取って頂けたら幸いです。格差はなぜ存在するのか。なぜ真の平等は成立しないのか。その原因のひとつは人間の優しさの限界にあると、常々考えている。全ての人間に優しくすることはできない。どんな人種・性別・年齢の人々をも