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今更考察する「宇宙は空にある」について

はい、というわけで今回は𝔅𝔩𝔬𝔬𝔡𝔟𝔬𝔯𝔫𝔢における「宇宙は空にある」という言葉
多くの人が名台詞として挙げているが、実際には理解されていないであろうこの概念について
今更ながら丁寧に、解説していこうと思います
ぜひお付き合いくださいませ〜


1、宇宙とは何か

宇宙はまぁ、我々の一般常識に照らし合わせれば当然に「我々の頭上」に広がっています
では聖歌隊に至るまで、ビルゲンワースからの探究者たちはそんなことに気づかなかったのか?
私はそれは「違う」と思います

一つの根拠としては、まず
ビルゲンワース、医療教会以前の組織は天文台を備えており

ビルゲンワースの天文台

またその後継の医療教会も「星見時計」を持っているということです
(教会とビルゲンワースには天球儀もある)

これはすでに「頭上の星々」を認識していた証左であり、従って我々の想像する「宇宙」についてはビルゲンワースの頃にはすでに認識されていた
私は上述の根拠からそう考えています
つまり彼らの言っている「宇宙」は我々の想像する「宇宙」とはまた別の意味を持った言葉だと考えられるということ
では次に
作中の「宇宙」がどんな意味なのか見ていきましょう
まず見るのは「イズの汎聖杯」
です

イズの汎聖杯

「聖歌隊によればイズの地は宇宙に触れている」
「故に上位者達は、超越的思索を得たのだと」
この文から聖歌隊の考える「宇宙」は「触れることで超越的思索を得られる」場所、概念であるということがわかります
そして「聖歌隊」という存在は「ビルゲンワースから思索を引き継ぐ」ことをコンセプトとしており(聖歌装束)
ビルゲンワースの時代にもやはり「宇宙」の探究をしていたことは「エーブリエタースの先触れ」からもわかります
(この当時は地下遺跡にそれを求めていました)

エーブリエタースの先触れ

従ってこの「宇宙=触れることで、超越的思索を得られる場所」という理念や「宇宙に触れたい」という探究はビルゲンワースから始まった医療教会のテーマの一つであったことが分かります

故に聖歌隊はイズを求めて地下探索したり
「超次元暗黒」に接続し「遥か彼方への星界」
への交信を試みたり(彼方への呼びかけ)
していたということなんですね〜
その努力は実り、遂にはエーブリエタースに見え(イズの大聖杯)
その持ち帰りにも成功したのですが…
どうやらそれではどうにも上手くいかず
医療教会は超越的思索を得るに至れなかった
その行き詰まりの中であった気づきがおそらく
「宇宙は、空にある」だったのだと思います

2、聖歌隊とメンシスから見る、宇宙と悪夢

前述の通り、この場での「宇宙」は「触れることで超越的思索を得られるとされる場、概念」です
その上で、作中の描写から「宇宙」は本当はどこにあったというのでしょうか
調べていくとしましょう
まずは「聖歌の鐘」

聖歌の鐘

宇宙を探究していた聖歌隊は、何故か次元を超える音色の研究をしていたということはこの鐘から分かります
では次に、曲がりなりにも医療教会の会派のメンバーであるミコラーシュの叫びを

ミコラーシュ、魂の叫び

そんなメンシス学派はこんなことを考えています

メンシスの檻
(中略)この檻は意志を律し、また俗世に対する客観を得る装置であり
同時に夢の上位者と交信するための触角でもある
そして、これは実際に、彼らを望む悪夢に導いたのだ


はい、聖歌隊同様に宇宙思想を引き継いでいるメンシス学派は、この檻にあるように「悪夢」へ導かれることを望んでいることがわかります

上記のことから、私はここに「宇宙とは悪夢と呼ばれる異空間である」という説を提唱します

すなわち、宇宙(到達することで超越的思索をもたらす場所、概念)は、呼ぶ者の声に応える(月のカレル)上位者のいる領域
すなわち「悪夢」である
少なくとも、メンシス(とそれに至る付近の後期聖歌隊)はそのように考えたのだと、上記の根拠から私は考えています
宇宙とは悪夢であり故にメンシスは儀式を行いそこを目指した

それは聖歌隊から派生したと思しきメンシスの行動としても自然であり
多くの根拠に基づいた読解であると考えています

3、悪夢は「空にある」

さて、先ほどの章で述べたように
宇宙とは超越的思索を与えてくれる領域であり
異空間である「悪夢」だという可能性が高い
という前提から
ここでは「悪夢の場所」について考えることで
「空にある」という言葉の意味を考えていきましょう

まずはこちら「マダラスの笛」

狩人呼びの鐘


地下遺跡で発見された古い大きな鐘
その音は次元を跨ぎ最初の狩人はこれを特別な符牒とした
別世界の狩人たちが、しかし断絶を越えて協力するために

これらのテキストからわかることを整理しますとこのようになります
・世界同士は断絶をされている
・特別な鐘の音は次元を跨ぎ、それが断絶を超えた繋がりをもたらす
・悪夢に存在する蛇は笛の「音を聞いて」
悪夢から飛び出してくる

更に言えばマダラスの笛とマッチングには描写上の繋がりもあり

足元の波紋


足元から湧く大量の水

これらの描写から
・悪夢は音によって繋がれる別世界の一種なのではないか
・空間同士は「眠りを守る」水によって断絶されているのではないか
ということがわかってくると思います

“大量の水は眠りを守る断絶である”

長々と書きましたが、つまり何が言いたいのか
それは「悪夢とは水を通してどこでも繋がっており、音による繋がりさえ有ればどこからでも触れることは出来る」
それがつまり「空にある」ということなのではないか?ということなのですね

それに気付いた聖歌隊は「聖歌の鐘」の研究を行ったり、上位者の徴を探るなどをし

また、メンシスはもっと直接的に、上位者を呼びつけることで悪夢への到達を狙い
そのために儀式を起こした

そういう流れだったのではないかなと
私は考えています
(上位者の声の表“音”であるカレル文字やBloodEcos、即ち血の遺志が上位者や悪夢に関係してくることもよくわかると思います)

4、まとめ

長くなりましたが今回のまとめはこんな感じです
・宇宙は空にあるとは「悪夢はどこからでも繋がっている」という気づきだった

・Bloodborneの宇宙は「超越的思索を得るために触れたい場所」でそれを探しに地下や海に行った末、「悪夢」という異空間がそうだと考えた

・「空にある」とは地下でも海でもなく、どこにも繋がって”ある“という恐ろしい気づきであった

今回はこんな感じです
長くなりましたが、読んでいただきありがとうございました!
何かの参考になれば幸いです

ご意見、ご指摘、さらなる質問等ありましたらぜひ、お気軽にお声掛けください
お待ちしております〜

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https://peing.net/ja/06e9a34fdf39ea


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