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広告もブランドも疲れさせないことを目指すべき?

今日は立て続けにインスタグラムに関する投稿を見た。
「世界観やライフスタイル」の構築、統一が重要という文脈の話で、理解できる部分はすごくある。
なかなか実行するのは難しい部分もあるが、統一できるとかっちょいいだろうなあと思う。

以下の記事はもう少し踏み込んで、そうしないと「売れないよ」ということをバルミューダを例にとって、論を進めている。バルミューダのセレクトショップなんてたしかにいいですね。

ちょっと引用します。

例えば、バルミューダのケトルやトースターを思い浮かべてみてほしい。どんな人がどんな家に住み、どんな暮らしをしているかなんとなくイメージできないだろうか。
この場合バルミューダが売っているのはもはや家電ではなく、彼らの製品がある暮らしという『スタイル』だ。
もし彼らが洋服や食品といった畑違いの商品を作ったり、ホテルやコワーキングといった空間を作るとしたら、私たちはなんとなく『こういうものを作るんだろうな』と予想することができる。
おそらく彼らがやることはないだろうけど、雑誌やセレクトショップを作ればかなり売れると思う。
みんなバルミューダの製品と同じくらい、『バルミューダっぽい世界観』の中に暮らしたいと思っているからだ。
そしてモノが溢れている今、いちいち精査せずとも『ここに行けば自分の理想のスタイルを実現できる』と信頼できる場所を誰もが探している。

「いちいち精査せずとも」というのがポイントなのだろう。SNS疲れなんて現象も耳にするようになったけれど、多くの人が「精査すること」に疲れている。それを代わりにやってあげることが「ブランド」「世界観」ということなのだろう。

なのだけれど、ちょっと引っかかるのは「ブランド」「世界観」を提供する側は精査の作業が当たり前であり、もっと突っ込むと、ーー例えば経営者なんかはーーそれ自体が楽しくてやっているんだよなあということ。
翻ってわれわれがやっているような、広告・ブランディングでは世界観をつくるというよりも、もともとある世界観にことばやビジュアルを与えて「みえやすくする」ことなんだろうかとぼんやり考えている。

以下の記事によると、インスタが担っているのは「リアル」であるようだ。

こちらも引用します。

では今10代20代のInstagramユーザーは、このプラットフォームを何に使っているのか?
「(中略)Instagramは好きなモデルの私服を見られたり、すごくリアル。それ(モデルなどのアカウント)を見ることで、『このブランドの新作の鞄がかわいい』と発見できたり、レストランだって新しい情報がケータイで見られる。好きな子をフォローすると、好きな子の情報が全部入る。若い子、間違いなく10代はかわいい子や格好いい子(のアカウント)を探して、Instagramで欲しい洋服を探している」(GENKINGさん)。
               (中略)
面白いのは「検索ツール」としてのInstagramの使い方。「例えばパンケーキ屋のハッシュタグで、その店で何が食べられているのか分かる。ディズニーランドに行きたいとなったとき、混み具合も分かる」。
               (中略)
「Googleで検索すると文字が出てくるし、(検索結果は)SEO対策されている。あとはスポンサー(広告)とかが上がってきて…ネットってリアルじゃない。Instagramは検索することで言葉より画像が表示される」。

広告のすさまじい嫌われようを感じるが、それだけ無理のあるコミュニケーションが横行しているということだろう。そういえばこんな投稿もあった。

これらを言われたまま間に受けて採用広報をやったりすると、リアルから遠く離れていくのは想像に難くない。
求める人材像を聞くよりも、これだけは嫌だという人材像を聞く方が本質がみえることもあるので、不思議なものである。

何かを表現するには心理学的な要素というか、流行り言葉であればインサイトをしっかり掴む工夫が必要なのだろう。

突然だが僕はこの広瀬すず画像にどうしようもなく惹かれる。

(著作権的に問題ありそうなので、突然だが...のあとはそのうち消すかもです。)

 それはモデルが良いからだろうと言う方、まあ落ち着いて。
なぜか室内で耳当てをつけて、しかもなぜか古びた台所の前で、椅子に立てひざを突いて撮影したのだろうか?
天下の広瀬すずである。もっといくらでも撮影場所も方法もあったと思う。

だが、ここで、このシチュエーションでの撮影により、言いようのない事前事後感と違和感を醸し出すのに成功していると思う。

そして不思議とこの写真には、人を疲れさせるものがない。実際はものすごい工数の精査がありそうだが、精査した感じがしない。

リアルであり、疲れさせないというのは、これからのキーワードになるのではないか。

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