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『ことばと経営』 極私的レポート

 先日のnoteにも書いたが、「『ことばと経営』──組織や事業に必要な言葉をコピーライター、UXデザイナー、編集者とで考える」というイベントに参加した。

 詳細は以下のまとめが良さそう。

  Rockakuの森田さんのnoteを追っていたので、ひとつひとつ確認していくような感じがあった。
 一方で山本郁也さんのことはこのイベントの申し込みの時に知ったので、予備知識があまりなかったが、とても新鮮に聞けた。(質問時には森田さんだけに話しかけるようになってしまい、失礼なことをしてしまった気がします。すみません。)

 ここで白状すると、どこか言葉をあつかい、それを生業とすることに諦念というか限界のようなものを勝手に感じていた。
 言葉の力を求めている人などいないのではないか、そんな気もしていたのだ。
  言葉の力なんていうと、大それたもののようだが、ここでいうのは機能というか実際的な使い方のことである。
  

 それはすなわち

  1.状況を分解し、整理して捉え直す
  2.それらを統合する視点を提案する
  3.わかりやすいフレーズに落とし込む

ということになるだろうか。

 イベントの最初からモデレーターのモリ ジュンヤ氏は「注目され始めた領域」と仰っていた。ほんまかいな。


 我々も広告制作会社で言葉を扱うもののはしくれとして、日々、クライアントとの要望と向き合っているつもりではいたが、どうしても必要なものとしての言葉ではなくて、「そこにあると良いもの」くらいの求められ方が多いように思っていた。

 こうなってしまうと、なかなか本質的な話はできない。イベント中にも話があったが、「結局、ミッションや創業者の想い、社員の共通認識などの本質的な部分に手をつけないと書けない」という話があり、烏骨鶏くらいの角度でうなずいたのだが、「そこ」はあまり求められていないなと感じていたのだ。

 もちろん例外はあって、たまにミッションや経営陣の想いが起点となったオリエンを受けると、とても良い仕事ができるとは思っていた。
  しかし、自らミッションなどの本質的な部分に立ち返ることを提案していって、良いことあまりなかった。

 ところが登壇したお二人の話を聞いていて目から鱗というか、視座が変わった部分があった。

 これは頭を殴られたくらいのショックだった。さらに「セールスマンにならないことが大事」という発言があって、痺れた。
  衝撃的すぎて質疑の時に「セールスマンにならないっていうことと、一方で仕事をいただくということの矛盾というか背反についてはどうお考えですか」なんていう間抜けな質問をしてしまったが、この答えは自明だろう。
 
  それを求めているところや人と仕事をすれば良いということだ。

 共犯関係を作るための努力もせずに、相手がその気になってくれるのを期待していた、ダメダメな自分に気づかされた。

 また、イベントの後編で山本さんが自分の仕事のやり方について聞かれたときに「とにかく一生懸命やるだけ、一つの提案のために誇張じゃなく、100冊くらいの本を読んだりする。それしかない」と仰っていたことも強く印象に残った。

 単純に我々の強度はまだまだだ。

 これからは言葉やアイデアの力を求めている人に向けて、我々の存在をしってもらうために言葉を発しよう。そしてその強度をしっかりと確実に上げていこう。

 頭をぶん殴られつつも、とても前向きになれるイベントであった。

 最後にツイートをいくつか引用します。

これも森田さんの発言だが、山本さんも深く頷かれていた。

黒龍波ならそれは削られるはずだ笑


 



 

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