スペイン日誌7

自分のアソコの意味ではなくて「ぼくのムスコ」と使う日が、まさかやって来るとは思いもしなかった。ぼくのムスコは予定日よりも一週間遅れて産まれ、数日間入院したのち、やっといっしょに家に帰ってきた。奥さんからSNSでのこどもの写真アップは「しばらくきーんし」とされているので、近影での顔写真は載せたいにも載せられないが、言葉で説明すると、髪は黒めの茶色、目は大きめの一重で、鼻は高くて、唇はプリッとして、アゴは小さい。輪郭はぼくっぽいけど、手足がでかくて、特に脚が長い。奥さんは金髪というか、髪の色が薄く、目が青いのでそっちに似るかと思ってもいたがそうではなく、全体の印象としてはぼく(日本人)だった。さすがはぼくの遺伝子。濃いぜ。まあ、こどもの顔なんて毎日変わっていくのだから、これからどうなっていくのかはわからないが、ムスコも男なのだから、おのれの「容姿」だけではなく、おのれの「中身」で勝負して欲しい。まあ、モデルにもぜんぜん慣れるけどなっ。
産まれてまだ三日しか経っていないので、ブッダのようにスッと立ち上がり、天を指差して「天上天下唯我独尊」などということはなかったが、ムスコはすでに英語、スペイン語、カタルニア語、日本語の4カ国語を理解しはじめている。(わけはない)
お産に関しては奥さんの苦労を考えればなにもいうことができないが、病院では「パパ」とナースや助産婦に呼ばれ、いろいろなことに忙しく、ほとんど寝ていないにも関わらず、その時いた唯一言葉が通じない外国人パパとして、ぼくはぼくなりに頑張ったと思う。父親になるとは要するに「オムツを替える」ということだ。頭でとやかく考えるより、さっさとオムツを替えていくぜぃ。

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