LOCAL to WORLDFAMOUS.Vol.2

朝7時頃、いつも通り母親にたたき起こされ、朝飯を食べながら目覚ましテレビを見る。

朝飯を食べ終わり、バタバタして制服に着替え終わるといつもテレビには「今日のワンコ」が始まっていた。
BMXで駅まで行き、お決まりのルートで学校へ向かい、決まった時間に小田原へ帰ってくる。

駅から駐輪場まで歩いて数分かかる。いつも朝ギリギリだったのと面倒くさがりの僕は、BMXを駅の側のポールに立てかけて置いていた。鍵はかけていたが道具があればすぐ「パチンっ」切れるような鍵を使っていた。

実は中学2年生の正月、お年玉で新しいBMXを手に入れていた。クリーム色のGT。やっぱりヘビーだったがクランクは3ピースクランク,リアは14mmシャフトでグラインドしても曲がらない。
(以前乗っていたのは10mmシャフトでよく曲がっては直していて、限界がきたらシャフトを交換してた)
ブレーキもよく効くし気に入っていた。

そして今でも疑問だが当時崇拝してたのはLimp bizkitだったのに、何故かSuicidal Tendencieの「自殺的行為常用志願集団」のステッカーを貼っていて異色を放っていた。特にSuicidal Tendencieが好きなわけでも無かった。おそらく「ジャケ買い」したのだろう。

僕がこのBMX乗っている事はこのエリアの人達は知ってるはずだし、そもそもこんなカルトっぽいステッカー貼ってあるBMXなんて誰も盗まないと思っていたが、考えが甘かった。

地元へ戻るといつもの場所にBMXが無かった。

「あれー?今日駐輪場止めたんだっけ?」とか言いながら駐輪場と駅を何度も往復したがもちろんあるわけ無く、僕は高校1年の夏にBMXを失った。

僕のBMX人生はここで一度終止符を打つ。


移動手段がなくなってしまったので、ママチャリで移動するようになった僕は小田原球場に向かった。平日でも高校に入ってからスケートを始めた仲間が行けばいつも滑っていた。

名前は「コウノ」と「ワキ」。
隣の中学で高校も違うが、同い年だったのもありすぐに仲良くなった。

コウノはポジティブの塊みたいなやつで、なんでも「いけるっしょ」みたいな奴だ。
よく突っ込んでは派手なスラムをしていた。

ワキは比較的大人しかったが、かなり負けず嫌いなのでどんどん上達していった。
マークゴンザレスみたいなキックフリップをする奴だった。

よく3人で小田原球場以外のスポットや、当時平塚にあった「VANSパーク」にもよく行った。


小田原球場には中央に噴水があって春から夏にかけて水が出ている。よくみんな真ん中の池にデッキを落としていた。その周りを囲うように大きなステアがあるのだがまだ誰もトライしていなかった。

そしてやや肌寒くなってきた日曜日。いつも通り小田原球場に行きみんなと滑っていた。季節が変わり、中央の池の水は抜けている。

その日、家を出る前に先輩が貸してくれたZEROの「Misled Youth」を見てきた僕はやたらテンションが高く、前から飛ぼう飛ぼうと思っていたステアにトライする事にした。

何度か手前で止まりイメージを沸かせる。イメージが固まったらフルプッシュでステアに向かい、1回目でためらいなくテールを蹴る。1回目は空中で分解し失敗。2回目も失敗したが1回目よりリラックスしてテールを蹴れた。なにより着地するまでスケートボードに乗っていた。そして3回目でメイクする事ができた。

テンションはMAX。嬉しさのあまりカエルのように飛び跳ねた。


まだ飛べないだろうなと思い込んでいただけに、まさかこんなあっさりメイクできるなんて思ってもいなかった。

思っているだけじゃなく何事もやってみないとわからない。ならとりあえずやってみよう。駄目ならダメでその時考える。

そして自分の中で「とりあえずやってみる精神」が生まれた。

この「とりあえずやってみる精神」が今後大きなパワーになる。


そして2001年の冬。僕は原付の免許という当時最強の移動ツールを手に入れた。

Vol,3に続く。

#エッセイ #自伝 #スケートボード #ピストバイク #カルチャー





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Teppei NASTY Iwabuchi

FGFS(fixed gear freestyle)Pro rider.Skate boarder.1985年産まれ。人生一度きり。やりたい事をやる。Counter Attraction staff.http://counter-attraction.jp

LOCAL to WORLDFAMOUS

コメント1件

すごい読んでいて楽しいです!見ていて飽きません!自分もステアチャレンジしてみたい気持ちが少しでてきました。
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