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行動半径100m管理職という罠(JMAM:その2)

 日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)という会社の管理職基本コースを受講することとなった。
その忘備録兼、アウトプットとして、学んだことを私なりの表現で記述していく。
ちなみに、自身の見解も結構おりまぜているので、必ずしもJMAMの教科書にそった内容になっていない可能性があるのはご承知おきいただきたい。

 今回のテーマは「行動半径100m管理職という罠」だ。

<行動半径100m管理職とは?>

 行動半径100m管理職というのはJMAMの造語だが、見たままの意味で自身の椅子から100mの範囲内でほぼ全ての業務が終わってしまう管理職者を皮肉ったもの。
新しい人脈も情報も増えないから、仕事への考え方ややり方、さらには自身を変えることを意識しなくなっていく。
そうして、ほどよく居心地のよい環境を100m圏内に作りあげ、その中で仕事をしていれば全てが完結し、その繰り返しで仕事が進んでいく状態。
気がつくと、世の中の変化に疎くなり、業界の変化に気づけなくなり、会社の変化についていけなくなる。
そんな傍からみると残念としか言えないような管理業務のあり方が、行動半径100m管理職と呼ばれる方々だ。

<一般業務と管理職の溝>

 一般的に管理職になると忙しくなる。
よほど分業の体制がしっかりしていない限りは、
これまでの業務+管理業務
という形になってしまうからだ。
それにより、純粋にプラスαの業務が日常に乗っかる。
しかも管理職になる前に活躍していればしているほど、自身の首を苦しめることになるわけで。
それまでは自身の成果だけを求めて行動すれば評価を得たのに、管理職後はチームでの成果が評価基準となってしまう。
自分は頑張っているのに、チームとして必要な行動ができていないから周りからの評価は下がる。
なんで自分は努力しているのに!っと悪循環に陥いり、動くのが億劫になってどんどん行動が狭まっていく。

<管理職への理解の無さが悲劇を生む>

 行動半径100m管理職を生み出す要因は、そんな管理職=その道のプロという考え方によるものだと考える。
確かに、業務の管理を行う上で、的確な判断を下すためにその道の知識や経験は重要だ。
しかし、管理職にとってまず必要となるのは、人を管理するための考えである。
人を管理するための仕事なのだから、少し立ち止まって考えれば当然の話だろう。
しかし、管理職になってもそんな研修を受けるどころか、必要性すら感じさせる機会がない会社は珍しくない。
だったら自分で勉強しろよとも思うのだが、管理職=その道のプロという考え方が、勉強の方向を狂わせている可能性も大いにある。
そうして、苦労して悩んだものの状況は改善せず。
最終的にどうしていいかわからず、とりあえず保守的にまとまろうとする。
そんな状態を促す環境が、行動半径100m管理職をさらに増殖させているのではないだろうか。

 個人の責任で一蹴するのも悪いとは思わないが、管理職の能力は個人ではなくチームに影響する。
全体解は、やはり組織としてどうするかを真剣に考えることに尽きるのではないだろうか。

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