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なぜ管理職が要るのか(JMAM:その1)

 日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)という会社の管理職基本コースを受講することとなった。
その忘備録兼、アウトプットとして、学んだことを私なりの表現で記述していく。
ちなみに、自身の見解も結構おりまぜているので、必ずしもJMAMの教科書にそった内容になっていない可能性があるのはご承知おきいただきたい。

 今回のテーマは「そもそもなんのために管理職がいるか」だ。

そもそもなぜ組織があるのか

 管理職について語る前に、そもそも組織の存在について考えないといけない。
組織があるからこそ、管理職が必要となるからだ。
なので、組織の意義を無視して管理職の意義など探しようがない。

 といっても、難しい話ではない。
誰か(創業者)が何かをやりたいと考え、そしてそのやりたいことが1人では叶わないから人を集める。
こうしてできた集団が組織だ。
さらに、税金や信用などで有利に立ち回るために国に申請することで、会社が生まれる。

 その創業者のやりたいことが、社会に何かを生み出すことなのか、ひたすらお金を稼ぐためのものなのかはそれぞれだ。
しかし、複数人で行う必要がある理念・目的だから、組織を作る。
それだけのことである。

人数が増えると現れる「組織の生活習慣病症候群」

 1人ではできないことをするために組織をつくった。
そして、できることが増えれば夢も膨らむ。
夢が膨らめば、さらに人数が必要というわけで、
5人、10人、30人、50人・・・と増えていく。
すると、単純に戦力が人数分倍化するわけではないことが分かってくる。
なぜならば、「組織の生活習慣病症候群」とよばれる諸症状が現れてくるからだ。

 組織を構成するメンバー1人1人を身体の細胞に見立てると、創業者の目的であったり叶えたい夢は、それらの細胞の養分になるといえる。
その養分を社員に配ることで、全体が一つの身体として機能するようになるのだが、起点はあくまで創業者で、養分を持っているのも生産するのも創業者だ。
しかし、創業者1人で配ることのできる量には限界がある。
メンバーが100人にもなってくると、直接創業者と会えない人がでてくるのは当然だろう。
1時間に毎10人と面会する時間をとったとしても、就業時間内に全員と話はできない。
そうして養分の得られないメンバーはどうなるのかというと、消える(退職)、若しくは理念や目的と全く関係のないことをするようになる。
このように会社の所々で機能不全を生み出すようになるのが「組織の生活習慣病症候群」だ。

 ある一定数を超えて人が増えると、創業者をハブとして全てのメンバーと直接繋がる方式では、この諸症状を食い止めることはできない。
戦略の転換を迫られることになるわけだ。

組織の病状を緩和するために生まれたのが「管理職」

 これ以上、創立者から理念や目的という養分を届けることはできない。
しかし、まだ人数がいなければ、そもそもいきたい場所まで、叶えたい夢まで到達することができない。
ではどうするか。
そうだ、養分を届ける人を増やしたら良い。
そうすれば、100人だろうと1000人だろうと、しっかりと養分が行き渡り、一つの身体として乱れることなく目的地へ向かえるではないか。

 そんなわけで、理念や目的を伝える中継地点として、そして増幅器として期待され、「管理職」という役割が生まれることになる。
つまりそれは、創業者の分身といっても言い過ぎではない。
大なり小なり組織ごとの事情の違いはあるとしても、おおよそそういった流れで管理職は誕生しているはずなのだ。

次第に病状は管理職に伸びてくる

 こうして、人数を増やせる新たな機能を作ったとしても、安心はできない。
組織全体の人数が増えると、創業者の分身となる管理職者の数が増え、今度は創業者の養分がそもそも管理職にすら届かない可能性がでてくる。
組織が大きくなる限り、避けようのない未来だ。

 ましてや現実はさらに複雑で、自分で望んで作ったのに、創業者自身が管理職の起源を忘れ、自身の分身を信じることができないという事態に陥ることもある。
組織の理念や目的を無視し、派閥闘争などのおおよそ理念や目的など関係のないところで、率いるメンバーも巻き込んだ活動を行う管理職がでてくることもある。
そうなってくると、組織としてはもはや悪影響を生み出すガンだ。
管理職がガン化すると、周囲も巻き込まれ、多大な影響を生んでしまうので、より注意が必要だ。

 迫りくる病魔をなるべく切り離し、健全な運営をしていくためには、少なくとも創業者と管理職がそれぞれの起源を忘れないということが最低条件となる。
それができないなら、管理職など置かない方がまだマシだ。
残念ながら組織の年齢が上がっていき、代謝を重ねるごとに、組織の生活習慣病症候群に抗えなくなっている例が増えているのが現状なのではないだろうか。

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