スティディア

Googleから新しいゲーム機が出るが、流行るのは難しいだろうと感じる理由

 Googleが新たなゲーム機を発表したとのことで、先月ぐらいから話題になっている。

「既存のゲームを駆逐する存在となるのでは」
「任天堂やソニー終わったな」
みたいな声も聞こえるが、結論からいうとこのゲーム機(Stadia:スタディア)が他のゲーム機に強い影響を与えることはないと考える。

 その理由としてあげたいのは2つ。
・利用する層が分かりづらい
・Googleのカルチャーがエンタメに向いてない


 1つ目に関して、現在発表されているStadiaの情報を踏まえると、利用者側にある程度ITリテラシーが必要だと考えられる。
コントローラーとChromeキャストとのペアリング。
wi-fi速度の管理等。
ある程度ITを使う者としては一つも難しい話ではないが、そもそもスマホでしかゲームをしないようなライトな層が、これらの機材の設定を喜んでやるようには思えない。
ということは、ある程度ガチ勢を見込むことになる。
しかし、技術的な詳しいことはここでは書かないが、このゲーム機はコンマ秒を争うようなゲームには、その仕組みから向いていない。
よって、プロと名のつくようなガチのゲーマーも扱いづらい。
というわけで、新しいガジェット好きな方がネタで買って、そのまま忘れられていく可能性が高いのではないだろうか。

 とはいえ、あのGoogleさんが出すんだから、巨額のお金を使ってなんとかしてくるんじゃないかという人もいるだろう。
しかし、Googleはエンタメ分野が弱いという実績をもっている。
YoutubeやポケモンGO(実はGoogleの子会社*1 が作ってる)があるじゃないかという人もいるかもしれないが、YoutubeはそもそもGoogleの子会社になる前からある程度流行っていたし、ポケモンGOはやはりポケモン(任天堂)というキャラクターの力だ。
実のところ、Goolgeが満を持して発表したエンタメ系のサービスは、私が知る限り成功した試しがない。
 これは私見だが、Googleは世界を如何にスマートにしていくのかという部分において、他の追随を許さない技術と人材を揃えている。
しかし、エンタメは論理的な思考の先にあるものではなく、全く違うベクトル(方向性)の上にあるもの。
だから、Googleの持つ力がうまく発揮できず、鳴かず飛ばずなサービスを量産する形になるのではないだろうか。

【*1:コメントでご指摘を頂きましたが子会社という誤った情報を書いておりました。ポケモンGOを出したNiantic社はGoogleの社内スタートアップということで、現在は独立した会社となっています。(2019/6/15加筆)】

 というわけで、このStadiaがゲーム業界を大きく塗り替えるようなインパクトを持つことはなく。
むしろライバルの危機感をあおって、進化のスピードを加速させるという、当て馬的な存在にしかならない気がしている。
 一方で、利用されている技術はすさまじく。
じわじわとiPhoneのシェアを奪っていったように、あの手この手を使って、気が付けば「みんなStadia使ってね?」って時代が来る可能性も否定できない。
その辺を思考するのは面白いが、少なくとも3年は新たな漬け物石のポジションとして、文字通り不動の存在となることだろう。

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