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第14回(経営戦略編):イノベーションはいつも辺境からやってくる。企業が「創造的破壊」を起こすための必要条件とは?
今回は、いま企業の経営戦略にとって最大の関心事ともいえる「イノベーション」について触れたいと思います。 多くの企業でいま問われているのは、組織の変化とイノベーションである。これは誰も異論がないところでしょう。環境変化のスピードが速く、変化に対応できない者は淘汰されます。いま企業は何をすべきなのか。その解を探る手がかりが今回のイノベーション理論です。 イノベーションと聞くと、「イノベーションの父」と言われるシュンペーター教授の「創造的破壊」や、その影響を受けたクリステンセン
有料200第13回(経営戦略編):最新のマーケティング手法は、すべて「自発性の経済」と「組織・個人間の善意」に基づいている。ワークマンが公式アンバサダーにお金を払わない本当の理由とは?(後半)
●人はなぜ自ら進んで「ボランティア」という行為を行うのか 前回の「ボランタリー経済」の解説を踏まえ、同じ自発性という含意をもつ「ボランティア」の話から始めます。 今から30年前の1992年に、岩波新書から「ボランティア もうひとつの情報社会」という本が出版されました。著者は一橋大学教授(当時)の金子郁容さん。金子さんは米国スタンフォード大学などで数学とコンピュータの研究をした後、日本で「ネットワーク組織論」(今井賢一氏との共著)を出版するなど、情報・意思決定・ネットワーク
有料200第12回(経営戦略編):最新のマーケティング手法は、すべて「自発性の経済」(ボランタリー経済)と「組織・個人間の善意」(ソーシャルキャピタル理論)に基づいている。
●バタフライエフェクトが引き起こしたベルリンの壁崩壊 最近テレビで面白く見ている番組に、NHKの「映像の世紀 バタフライエフェクト」があります。蝶の羽ばたきのような一人のささやかな営みが、いかに連鎖し、世界を動かしていったのか? そのダイナミックな歴史を、世界各国から収集した貴重なアーカイブス映像をもとにストーリー構成した番組です。 どの回もとても面白かったのですが、僕が特に印象に残ったのは「ベルリンの壁崩壊 宰相メルケルの誕生」でした。 1974年にニナ・ハーゲンとい
有料200第11回(経営戦略編):ロジカルシンキングは「問いの立て方」が勝負! チャットGPTで実験してみる。(後半)
前回は「意思決定」について、代表的な理論の概要を解説しました。経営戦略を策定するためには、先人達の知見である「フレームワーク」を使えるようになること。そして意思決定の際には、限定合理性や期待効用理論、プロスペクト理論でいう「意思決定バイアス」に注意する必要があること、などを説明してきました。 意思決定バイアスを回避する方策としては、対話の重視、参加者のコミットメント強化、心理学を応用した偏見の排除など、たくさんの研究がなされています。それらは別の機会にゆずるとして、今回は意
有料200第10回(経営戦略編):戦略を遂行する「意思決定」の重要性。銀行と商社の意思決定システムはなぜ異なるのか?(前半)
正しい意思決定をしたい。せめて誤った意思決定だけは避けたい。仕事をする人は皆そう考えています。そのために、先人達の経営戦略論やフレームワーク(詳細は第8回)も使いながら、日々の意思決定を行っています。 では、意思決定を間違えないためにはどうしたらよいのか。それに答えるのが今回の趣旨です。 前半(今回)で過去の代表的な意思決定理論を解説し、後半(次回)では論理的思考方法の代表格「ロジカルシンキング」における「直感」の重要性について触れたいと思います。 ●メガバンクと総合商
有料200