ソクラテス代表 寺澤浩一

ソクラテス代表。学生時代よりコピーライターとして活動。1980年、ユーピーユー入社。営…

ソクラテス代表 寺澤浩一

ソクラテス代表。学生時代よりコピーライターとして活動。1980年、ユーピーユー入社。営業、編集、経理財務などを経験。 1998年、ソクラテスを設立。中小企業診断士として経営全般のコンサルティング、及びコンテンツ制作を行っています。

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  • 5分で読める、経営戦略・会計・マーケティングの「ツボ」会計編

    若いビジネスパーソンやスタートアップ経営者の皆さんに、仕事や会社経営で失敗しない「ツボ」を体系的にお伝えします。今回は「会計編」です。移動時間にサクッと読めて、何某かの気付きがあり、仕事や企業経営に向かっていく後押しになれば、と願っています。

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はじめに:若いビジネスパーソンやスタートアップ経営者に伝えたいことがあります。

●この連載を読んでいただきたい方とは? ●この連載を読むことで、得られるものとは? ●約束を果たせなかったMさんへ、そして20代の頃の自分自身へ 大昔、僕が学生時代に新宿の飲み屋でアルバイトをしていた時、常連客の一人に某出版社のMさんという編集者がいました。 林真理子さんのデビュー作「ルンルンを買っておうちに帰ろう」を世に送り出すなど、多くのヒット書籍を手掛けた天才編集者でした。 Mさんは毎週その酒場に登場し、カウンターを挟んで、僕に酒の飲み方から原稿の書き方、女の

    • 松本市長選に立候補した菱山晋一君のこと。

      今年3月に行われる長野県の松本市長選に、高校・大学時代を一緒に過ごした親友、菱山晋一君が立候補を表明した。 https://hishiyama.net 信濃毎日新聞がスクープ記事として、彼の立候補予定を報じたのが昨年の10月11日。その前日の夜、菱山君からメールが届いた。翌日の新聞に記事が出るが、立候補する方向で動いているという内容だった。それを見て、へぇ、勇気あるなぁと非常に驚くとともに、瞬時に思い出したことがある。高校時代に菱山君がやった”放送室ジャック”のことだ。

      • 「クレヨンしんちゃん」の野原家が、車でショッピングモールに来る理由。

        先週、仕事で「ららぽーと富士見」へ出かけた。そこに出店する某アパレルブランドの取材だった。池袋から東武東上線の「鶴瀬」まで約40分。駅前からバスに乗り、10分で到着する。バスは5分おきに出ているのでとても便利だ。 行く場所が初めての時は、1時間くらい早く着くようにしている。遅刻を避けることもあるが、何よりその街やビルの空気感を掴んでおくためだ。ブラブラ歩きながら、これから会う人はこういう所で仕事しているのかという実感があると、話もうまく進むような気がする。銀座にあった伝説の

        • 「Googleレコーダー」の文字起こし機能は画期的。だけど人との対話がうむ不思議な瞬間は、AIにはつくれない。

          ●驚きの文字起こし革命!Googleレコーダーで新時代到来 これを書くと、何を今さら?と笑われるかも知れないが、最近Googleレコーダーの文字起こしに感動してしまった。 僕は昔から、インタビューをして原稿を書く仕事もたくさんやってきた。書くことは好きなので、さほど苦にはならない。でも録音を聞いて文字起こしする作業は嫌いだった。自分で原稿にする時は、使えそうなところを手書きメモにすればいいので、まだ楽だ。でも誰かから頼まれた時は、話し言葉に忠実に文字起こししなければなら

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        • 5分で読める、経営戦略・会計・マーケティングの「ツボ」会計編
          10本
          ¥880

        記事

          藤井聡太竜王に、色川武大(阿佐田哲也)さんの言葉を届けたい。

          将棋の渡辺名人に藤井竜王(六冠)が挑戦する名人戦が続いている。第四局まで終わり、藤井竜王の三勝一敗で、史上最年少名人へ王手をかけた。第五局は、5月31日〜6月1日に行われる。 YouTubeの解説動画やネットニュースを見ていると、将棋の内容はやはり藤井竜王が圧倒している。勝負に勝ち、読み筋を披露しあう感想戦でも明らかに読み勝ちしている。これは渡辺名人も辛いだろう。第一局で負けた後、Twitterに一言「えぐいよなあ」とつぶやいていた。 第三局は渡辺名人が勝ったが、最後の勝

          藤井聡太竜王に、色川武大(阿佐田哲也)さんの言葉を届けたい。

          やり場のない焦燥感を癒してくれた「ラーメン二郎」の思い出。

          この店名を聞くたびにいつも思っていたことなのだが、三田の個店で営業していた頃の「ラーメン二郎」と今のそれとは、別物のような気がする。これって僕だけの感覚だろうか。 以前、新宿あたりでラーメン二郎に入ったことがある。山盛りの野菜とギトギトスープの、まさに今のラーメン二郎だった。とても食べ切れなくて、というより、思っていたラーメンとは違いすぎて、かなり残してしまった。 僕が大学生の頃のラーメン二郎は、田町駅から仲通りを通り抜けて、大通りを渡った大学キャンパスの敷地の角にあった

          やり場のない焦燥感を癒してくれた「ラーメン二郎」の思い出。

          17年前に語られていた楽天の成長プランと競争戦略。三木谷会長インタビュー。(その2)

          いろいろと話題になっている楽天の三木谷さん。大昔に書いた記事(1998年3月頃)ですが、応援の意味で以下に再録します。 楽天・三木谷会長のインタビュー記事、その1に続いて2回目をご紹介します。 2回目のインタビューは、1回目から7ヵ月後の1998年3月に行われました。その間、「楽天市場」の出店者数は急速に増えていきました。当時は「インターネットで買い物するわけがないよ」という否定的な見解を語る人も多かったのですが、その間隙をついて事業を順調に伸ばしていったのです。 しか

          17年前に語られていた楽天の成長プランと競争戦略。三木谷会長インタビュー。(その2)

          第14回(経営戦略編):イノベーションはいつも辺境からやってくる。企業が「創造的破壊」を起こすための必要条件とは?

          今回は、いま企業の経営戦略にとって最大の関心事ともいえる「イノベーション」について触れたいと思います。 多くの企業でいま問われているのは、組織の変化とイノベーションである。これは誰も異論がないところでしょう。環境変化のスピードが速く、変化に対応できない者は淘汰されます。いま企業は何をすべきなのか。その解を探る手がかりが今回のイノベーション理論です。 イノベーションと聞くと、「イノベーションの父」と言われるシュンペーター教授の「創造的破壊」や、その影響を受けたクリステンセン

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          第14回(経営戦略編):イノベーションはいつも辺境からやっ…

          初めて大企業のエレベーターに乗った新入社員のこと。

          年度末の午前中、久しぶりに日本橋に来た。 日本橋交差点と呉服橋交差点をつなぐ八重洲通りは、僕にとってとても懐かしい場所だ。今から30年前、この場所に頻繁に通っていたからだ。 呉服橋交差点に大和証券の本社があり、交差点の対角線の反対側には住友海上火災の東京本社があった。今は高層ビルに建て替わっているが、当時は両社とも10数階建のビルだったと思う。昭和が終わる頃である。 その頃、僕は勤めていた採用PR会社で営業マンをしていた。大和証券と住友海上の2社が僕にとってのビッグクラ

          初めて大企業のエレベーターに乗った新入社員のこと。

          第13回(経営戦略編):最新のマーケティング手法は、すべて「自発性の経済」と「組織・個人間の善意」に基づいている。ワークマンが公式アンバサダーにお金を払わない本当の理由とは?(後半)

          ●人はなぜ自ら進んで「ボランティア」という行為を行うのか 前回の「ボランタリー経済」の解説を踏まえ、同じ自発性という含意をもつ「ボランティア」の話から始めます。 今から30年前の1992年に、岩波新書から「ボランティア もうひとつの情報社会」という本が出版されました。著者は一橋大学教授(当時)の金子郁容さん。金子さんは米国スタンフォード大学などで数学とコンピュータの研究をした後、日本で「ネットワーク組織論」(今井賢一氏との共著)を出版するなど、情報・意思決定・ネットワーク

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          第13回(経営戦略編):最新のマーケティング手法は、すべ…

          第12回(経営戦略編):最新のマーケティング手法は、すべて「自発性の経済」(ボランタリー経済)と「組織・個人間の善意」(ソーシャルキャピタル理論)に基づいている。

          ●バタフライエフェクトが引き起こしたベルリンの壁崩壊 最近テレビで面白く見ている番組に、NHKの「映像の世紀 バタフライエフェクト」があります。蝶の羽ばたきのような一人のささやかな営みが、いかに連鎖し、世界を動かしていったのか? そのダイナミックな歴史を、世界各国から収集した貴重なアーカイブス映像をもとにストーリー構成した番組です。 どの回もとても面白かったのですが、僕が特に印象に残ったのは「ベルリンの壁崩壊 宰相メルケルの誕生」でした。 1974年にニナ・ハーゲンとい

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          第12回(経営戦略編):最新のマーケティング手法は、すべ…

          第11回(経営戦略編):ロジカルシンキングは「問いの立て方」が勝負! チャットGPTで実験してみる。(後半)

          前回は「意思決定」について、代表的な理論の概要を解説しました。経営戦略を策定するためには、先人達の知見である「フレームワーク」を使えるようになること。そして意思決定の際には、限定合理性や期待効用理論、プロスペクト理論でいう「意思決定バイアス」に注意する必要があること、などを説明してきました。 意思決定バイアスを回避する方策としては、対話の重視、参加者のコミットメント強化、心理学を応用した偏見の排除など、たくさんの研究がなされています。それらは別の機会にゆずるとして、今回は意

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          第11回(経営戦略編):ロジカルシンキングは「問いの立て…

          第10回(経営戦略編):戦略を遂行する「意思決定」の重要性。銀行と商社の意思決定システムはなぜ異なるのか?(前半)

          正しい意思決定をしたい。せめて誤った意思決定だけは避けたい。仕事をする人は皆そう考えています。そのために、先人達の経営戦略論やフレームワーク(詳細は第8回)も使いながら、日々の意思決定を行っています。 では、意思決定を間違えないためにはどうしたらよいのか。それに答えるのが今回の趣旨です。 前半(今回)で過去の代表的な意思決定理論を解説し、後半(次回)では論理的思考方法の代表格「ロジカルシンキング」における「直感」の重要性について触れたいと思います。 ●メガバンクと総合商

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          第10回(経営戦略編):戦略を遂行する「意思決定」の重要…

          第9回(経営戦略編):大谷翔平選手の成功を、経営戦略論の視点から読み解いてみる。

          前回の経営戦略概論は、少し理屈っぽい話が続きました。今回はちょっと息を抜いて、気軽に読める記事をお届けします。米国メジャーリーグ(MLB)で大活躍している大谷翔平選手の話です。(全文無料でお読みいただけます) その前に、「戦略」という言葉をもう少し深掘りしておきましょう。前回も書きましたが、「フレームワーク=戦略」ではないことや、「戦術」との違いなどを明確にしておきたいからです。 ●クラウゼビッツが説いた「戦略」と「戦術」の違いとは? 戦略論を初めて提唱したのは、「戦争

          第9回(経営戦略編):大谷翔平選手の成功を、経営戦略論の視点から読み解いてみる。

          第8回:「経営戦略」のツボを理解し、「フレームワーク」を使えるようになろう!

          前回の第7回まで、会計の「幹」の部分をお話しました。今後追加で枝葉のトピックは取り上げていきますが、会計にはいったん区切りをつけ、次は「経営戦略」にいきたいと思います。 経営戦略というと、テーマが大きくてかなり漠然としています。論客もたくさんいて、全部をカバーすることはとてもできません。 またこの連載の趣旨は「失敗しないコツ」であって、「成功の秘訣」ではありません。成功する経営戦略は、それぞれ会社の現場から産み落とされるものであり、僕がお伝えできるのはせいぜい「失敗を回避

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          「過激派」といわれた新左翼系セクトの友人が、突然アパートに泊まりにきた夜。

          昼間の熱気がそのまま居座ったような、蒸し暑いある夏の日の深夜。 突然、アパートの通路に面した明り取りの窓が開く音が聞こえた。 「……えっ、誰?」 眠い目をこじ開けると、暗闇のなかに、通路の暗い蛍光灯に逆光で映し出された男の影が見えた。背丈よりも高いところにある窓によじ登り、男はすでに部屋の中に入ろうとしている。 「誰!」 もう一度、今度は少し大きな声で聞いた。 「Mだよ。悪いが今晩泊めてもらえないか……」 Mは僕と同じ大学の、3歳ほど年上の先輩だった。新左翼系セ

          「過激派」といわれた新左翼系セクトの友人が、突然アパートに泊まりにきた夜。