どこまで説明するか

かが屋、キングオブコントお疲れさまでした。
普通はよっぽど仲良くないとこういう記事は書かないと思うんですけど僕はイタいので書きます。

最初、声が小さすぎる仲間として共にユースを過ごしていたかが屋が決勝の舞台に立っている、という時点で良すぎたので確実に贔屓目はありますが、本当に素晴らしかったです。
声が小さすぎてライブのウケも全然だったかが屋を見逃さずに拾ったマセキのマネージャーと、裏で悪口を言っていた木田の明暗がクッキリと別れた瞬間でした。

さて、お笑い界隈で話題になっているかが屋のカレンダー問題です。
これが話題になったせいで今後「かが屋のカレンダーを発売します」となった際に、かが屋の写真が載ったカレンダーなのか、9月21日しかない日めくりカレンダーが発売されるのか解釈が分かれてしまうことになります。

カレンダーがキングオブコント当日の日付だったのも良かったです。
僕の単独のフライヤーを加賀が埼玉にある僕の働いてる塾までわざわざ来て撮ってくれたんですけど、

画像1

撮ってる途中で「ちょっとすいません」ってホワイドボードの方に走っていって、左上にあるタイマーの数字が00だったのを単独ライブの時間の90分に合わせるみたいな、そういうやつですあいつは。


カレンダーばかりが言われてますが、あのコントはとにかく具体的な言葉以外で読み取らせる場面が多いネタだったと思います。

お笑いにおいて、どこまで説明するかというのはとても難しい問題だと思います。
大喜利でもそうなんですけど、説明しなくて伝わるなら余計な文言は極力減らしたいんですよね。
理由は、「ギリギリ伝わる」ということの面白さがあるからです。

うまく伝えられるかわからないんですけど具体例挙げます。

ちょっと前にネットで「頭の悪い人」の画像が流行った時期がありました。
発端はこの画像です。

基本

基本2

頭のいい人と悪い人では物の見方が違う、という真面目な画像です。

その後に、それを改変した画像が出回りました。

理想


これめちゃくちゃ笑ったんですけどそこまでバズった感じでもなかったと思います。4コマ漫画の2コマ目でオチがきてるみたいでおもしろい。

そしてその後にこれらを整理した画像が出ました。

現実

僕は正直こっちのやつを見て「うーん前のほうが唐突で面白いのにな」と思いましたが、大バズりしたのは後者でした。

2枚目の画像は1枚目の存在を知ってることを前提にしていて、3枚目は元ネタ知らなくても笑えるんですよね。
「ターゲット搾って不親切でも面白い」を取るか「面白さを落としてでも全員に伝わる」ようにするか。
僕らは「なるべく多くの人に伝わる不親切のギリギリのライン」を攻めたいんです。理由はそのほうがおもしろいからです。大喜利の回答でも「うな重」と「元太」だけで伝わってほしいんです。「コナンの~」とか説明したくないんです。
決して「伝わる人にだけ伝わればいい。ついてこれないやつは置いていく」とか思ってるわけではないんです。あくまで僕が思ってるだけなのがかが屋がどう思ってるかは知りません。

発信する側としてはトライ&エラーを繰り返して線引きを見極めるしかないのですが、見る側として出来ることは何かと言いますとツッコミができる視点を持つことだと思います。この場合のツッコミというのは矛盾点を指摘するというものではなく、ボケの意図を汲み取り正しく訂正する力です。
「時系列がねじれている文章」は国語のベタ問題です。つまり引っかかる人が多い、読みづらい文章という事です。
読みづらいのになんでそんなことするのかというと、そのほうが面白いと筆者が思ったわけです。じゃあその面白さを理解できた方が絶対に人生は豊かだと思うんです。
ネットでバズるものはわかりやすーく説明され、段差がなだらかにされたものが多く、そういうものに慣れた結果僕らが思う面白いものが減っていくのは困る。
そんな意味でも、かが屋のカレンダーが少しでも話題になったのは意味があるんじゃないかなと思いました。

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