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水彩の月

秦基博、「水彩の月」が素晴らしい。

「今、ここ」に立ち現れている事ではなく、まだ言葉にもなっていない、これから現実世界に出現する「かもしれない」思い。

人は言葉を尽くすが、常に言い足りないか、言い過ぎる。ただ、秦はその過不足の中にこそ「かすかな明かり」があると歌う。

人は常にそのかすかな明かりを追い求め、その一生を終えるのかもしれない。

そのひたむきさは、まだ来ぬ人たちへの信認により成り立つと、僕は考える。

そう、僕たちは「言葉」を引き継ぐことが最重要課題だと思っているが、実はその人が「言い足りていないこと」にこそ耳を傾けるべきなんだ。

もちろん、言い足りていないことを知るためには、「言葉」についても理解は必要なんだけど、「言い足りていないこと」に到達するには、本当にひたむきにならなければならない。

こんな素晴らしいメッセージとまっすぐな歌声は、きっと世界に届くし、現実を明るくする力を持っていると思う。

秦基博の今後にも期待が高まる、そんな一曲でした。


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