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アート独り言。(死生観と彫刻)

ギャラリーの記録映像を数日かけて撮影し、納品が終わりようやく一安心。

納品に伺うと、作家さんの個展の搬出作業が行われていた。
書道用の墨と紙を使った作品が多く書道家の方だと思っていた。展示中はどうしても伺えなかったと話すと、いまから搬出予定の大型の作品をわざわざみせてくださった。

私は幼少期に書道を習い、一旦辞めて大人になって再開。あと少しで師範のところで断念してしまった。

その事を話すと

自分は幼稚園の時に数ヶ月習ったぐらいですかね。

完全なる思い込みだった。

無数に書かれた「生きる」という文字。
一見力強く見えるけど、悲しい生きるや苦しい生きるも感じる。

「生きる」ことに随分こだわった感じが伝わりますけど・・必死に苦しみ、もがきながら生きた時期に書いたのですか?と尋ねると、

そういうことなんでしょうね。

と返された。お仕事で生きるに関わる・・?

そのあとはいろんな「生」という書き方の途中と筆の彫刻を出してくれた。
これこれ!この「筆感」、筆で文字を書いて止めた瞬間が見事に表現されていた。
私はこの瞬間が最も癒されると話したら優しく微笑んでくれた。

素敵な出会いをありがとう。

別れ際のことばが素敵すぎた。

彼の名は「中島法晃」さん。

僧侶と作家を両立。岐阜の大学で美術を教えてもいる。椎名林檎のアルバムジャケットを手掛けたり、独特なパフォーマンスで全国を飛び回る。

昨日まで元気だった人でも突然逢えなくなる。
独特の「死生観」は僧侶ならではのものだった。

http://nakashimahoukou.com

※top画像は元号が変わった時に書いたもの。

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