見出し画像

生き物の誇り

昨年の4月30日に亡くなったうちのハム。

実は私は彼が目を落とす瞬間を
見られませんでした。

前日に下顎呼吸になり意識を失って、
時間の問題だと思っていました。

亡くなる少し前に
身をよじらせるようなしぐさが見られ、
その後呼吸がゆっくりになりました。

ああ、もうすぐだと思ったものの、
まだ大丈夫かと思い、
一瞬だけケージの前から離れたすきに
彼は逝ってしまいました。

彼が目を落とす瞬間に
立ち会えなかったことを、
私は悔いていました。

あの瞬間席を立たなければ
立ち会えていたのに。

そう思い続けていました。

しかし、SNSを見ると、
かわいがっていたペットが
寝ている間や
ちょっと席を外している間に
亡くなった
という話が良く出てきます。

そういえば、
猫は亡くなるときは
姿を隠すという話もあります。

年がばれますが、
元関脇で
タレントとしても活躍した蔵間さんは
長年慢性白血病を患っていましたが、
見舞いに来ていた奥様を帰した後、
目を落としたとも聞いています。

そんな話を思い出して、
先日ふと、うちのハムは
私が席を外した時を見計らって
目を落としたのかもしれないなと
思いました。
(もしかすると席を立つように
仕向けたのかも。)

死ぬところを見せないという
生き物の誇りが
あったのかもしれません。

おっとりしていて
病院の診察や検査も
嫌がらないほどだった
うちのハム。

しかし、生き物としての誇りは
ちゃんと自分の中に
携えていたのでしょう。

そう思うと、
ますますうちのハムが
恋しくなるのでありました。

どんな生き物にも意志があり
誇りがあるのだと思います。

そういうものを大切にできる
人間でありたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?