ギューニャン 第九話「ギューニャン食い道楽」

   ギューニャン
                           作 三日月 てりり
          第九話「ギューニャン食い道楽」  2018/03/12,2019/02/13,14,15 03:54

 ギューニャンのお腹は空きました。
「食べにゃきゃにゃらにゃー」
 そう、食べなければ、生物は生命を維持出来ないのです。理不尽な話です。
「トンビが食べたい、でも鳥は飛ぶから取るのがめんどくさいにゃ」
 ギューニャンは地面を這いずるものどもを取って食らうことにしました。ギューニャンは辺りを見回します。地を這うものは友達ばかりです。
「気づいてしまったにゃ!!!!!! 豚や馬を取って食うと友達がいなくなってしまうんにゃ!!!! 牛や猫を食べると共食いにゃーーー!!!!」
  ギューニャンは今までの食生活に想いを馳せました。
「気づいてにゃかった、気づいてにゃかった」
 食べてしまったあれやこれ、ギューニャンの心は寒くなって、涙がこぼれ落ちました。
「ギューニャンもうにゃに(何)も食べられにゃい」
 断食生活の始まりです。
「ギューニャンが何かを食べると、食べられたものは死んでしまうにゃ。死なさないためには食べないことしかないにゃ」
 そうしてギューニャンは、お腹を空かしながら生きました。
 みかねた山羊が言いました。
「植物を食べればいいじゃない」
「植物だって生きてるにゃ」
 みかねた兎がいいました。
「僕を食べて、ギューニャン」
「嫌にゃ」
「でもギューニャン、みんな困ってるんだよ」
「にゃにを?」
「食べないとギューニャン牛乳が出てこないでしょ、それが飲めなくて飢えてる動物たちがいっぱいいるんだよ、ギューニャンが牛乳を売らなきゃ罪もない動物達が飢えて死んでしまうんだ」
「にゃんとーーーーーーーーー」
 ギューニャンは衝撃をうけました。
「じゃあ、牛乳のためにギューニャンは何かを食べにゃくちゃ、でも何を?」
ギューニャンは考えました。でも、いくら考えても完璧な答えは出ません。そこで仕方なく、こう考えました。
「ギューニャンは、命を奪いたくにゃいから、にゃにも食べたくにゃい。でも食べなくちゃならないから、仕方なく、優先度の低い命から食べるにゃ」
 優先度の低い命。それはどういう命でしょうか。
「ギューニャンが大好きな犬のおまわりさんと、こないだギューニャンを騙した偽のおまわりさんなら、大好きなおまわりさんのほうが、命の優先度が上にゃ。いなくなったら泣いちゃうにゃん。一方、偽のおまわりさんは、もしいなくなっても寂しくないし、命を落としても気の毒なだけで済むんにゃ」
 友達の、犬っころのコロンタは言いました。
「でもあんなの美味しくなさそうだよ」
「それが価値の低い命にゃから仕方にゃいにゃ」
「価値の低い命かぁ」
「価値の低い命を食べるにゃ」
 ギューニャンは死んでも悲しくない、嫌いな者たちを食べはじめました。しかし駄目です、ギューニャン吐き出しました。
「うう、食べりゃりぇにゃいことはにゃいけど、嫌いな命は食べても嬉しくにゃい、うう、どうしたらいいんにゃ」
「ギューニャン、諦めて僕を食べて」兎はまた言いました。「僕は美味しいよ」
「でもでもだって、友達にゃ」
「大丈夫、僕は死んでも、他にもいっぱい友達はいる、そして生物はどんどん増えるんだよ、だから僕がいなくなっても、新しい友だちは増える、新しい食べ物も増える」
「そんにゃ」
「大丈夫、僕を信じて」
「わかったにゃ、、」
 ギューニャンは兎を食べました。するとみるみるギューニャン牛乳が生成されて、みんなに供給され、飢饉は解消されました。
「わああん、兎くんありがとう、君のことは忘れないにゃん、、でもなるべく友達は食べたくにゃいにゃ、、」
 ギューニャンは泣きました。
 それから。
 ギューニャンは食べてもいい命を食べることにしました。世のため人のために、食べられてくれる様々な存在。様々な動物、様々な植物、海の生き物、山の生き物。かに、マグロ、うに、いくら、ステーキ、カレー、ギューニャン食い道楽です。動物より植物のほうが食べても悲しみは少ないけれど、それでも命だし、それにそれだけでは命が維持できなくて、どうしようもなく動物を食べなくちゃならない時もある。
「どうしようもないことにゃんにゃ」
 ギューニャンはそう思うことによって、生きていられるようになりました。
「みんにゃありがとう。みんにゃのおかげで、ギューニャンも、みんにゃも、生きていりゃりぇりゅよ」
 こうしてギューニャンは、美味しく命を頂くのでした。
「ギューニャン牛乳、一杯200円! みんにゃの命に感謝して、今日からホットミルク天国の開催にゃ!」
「おいしいよギューニャン」
「あたたかいよギューニャン」
「ありがとうギューニャン」
 こうして、みんなの魂は、ホットミルク天国に昇ったのでした。

第九話「ギューニャン食い道楽」 おしまい!

次回予告、「第十話 さよならギューニャン」乞うご期待!

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

1

てりりくん

週刊「ギューニャン」

このマガジンをフォローすると、ギューニャンが更新されたらお知らせされるんだ。 「ギューニャン」毎週月曜日 夜23時配信予定の連載小説ギューニャンだよ! 牛乳飲んでギューニャンにゃ!
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。