監査であまり英語を使っていない人も、英語でメールを書く機会はあるのではないでしょうか。そんな面倒なタスクも、AIの力を借りて瞬殺しましょう。
監査法人で30年強、うち17年をパートナーとして勤めた「てりたま」です。
このnoteを開いていただき、ありがとうございます。
今回は、こんな状況を考えてみます。
あなたは親会社監査人
子会社の監査が期日通り終わらず、親会社からクレームあり
しかも期日当日になって「終われない」と言ってきたらしい
親会社から、状況を確認し、監査を早期終了させるよう強い申し入れを受けた
子会社監査チームに、メールで問い合わせる
とにかく聞いてみる
まず、あまり凝らないプロンプト(命令文)で、サクッとChatGPTに聞いてみます。
さて、こんな簡単な指示で、どこまでやってくれるでしょうか?
すごくないですか? って、ほとんどの人は英文を読んでいないと思いますので、さわりだけ説明します。
メール本文の構成はこんな感じです。
秀逸なのは、この部分。(上記5.)
子会社監査チームを持ち上げた上で、そっちで何とかしろと言い放つのではなく、一緒にがんばろうと言っています。
単に状況を説明して「メール書いて」と言っただけで、ここまで配慮して書いてくれるのはとても助かります。
必要に応じてアレンジ
初回で期待以上の出来でしたが、必要であればここから微調整していきます。
例えば、「こんな内容も含めて」といったプロンプトを追いかけて入力すれば応じてくれます。
今回は、子会社監査チームの状況によって、表現を変えてみましょう。
それぞれについてChatGPTの回答全文を掲載すると長すぎますので、遅延理由を聞く段落だけを抜き出して比較します。
上の初回回答の中では、この部分です。
今後のことを話題にするにはちょっと早いのですが、とりあえず気にせず進めましょう。
❶ カジュアルに
まず、子会社監査チームと会ったことがあり、もう少しカジュアルにしてもよいケースです。
和訳での表現が難しいですが、"fill me in"(教えて)、"super"(とっても)、"hiccups"(不都合。直訳すると、しゃっくり)など全体的に口語的な表現が使われています。
❷ 丁重に
逆に、相手がすごく偉い人で、かなり下手に出ないとうまくいかないケースをやってみましょう。
直接的な表現を避けるため文章が長くなっています。長くて難しい単語が多用されているのも特徴です。
❸ もっとガツンと
最後に、よほど強く言わないと分からない連中に送る場合です。
ここには出てきませんが、「プロフェッショナリズムが欠けている」「タイムマネジメントもコミュニケーションも全然ダメ」といった厳しい言葉が並びます。
ただし、厳しい口調のメールを送ったらたちまち問題解決、とならないのが難しいところ。相手も人間だけに、押したり引いたりしながら誘導することになりそうです。
おわりに
AIなどのツールを監査で使うときに気をつけないといけないのは、単に"audit"と書くと内部監査と取り違えることがあることです。微調整した回答では、そのように読める表現もありました。
また、ChatGPTの初回回答(メール文案)には実は1か所誤りがあり、上記では修正しています。
抜き出して引用もした段落に"…we would appreciate it if you could…"とありますが、この"it"が抜けていました。
私も含めて日本人によくある間違いです。ひょっとすると、プロンプトが日本語なので「日本人英語」にしてくれたのかも……
実際に使うときには、Grammarlyなどでチェックする方がよさそうですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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これからもおつきあいのほど、よろしくお願いいたします。
てりたま