英文メールで、ちょっと頼みにくいことをお願いする
人にものを頼むときに、メールだと文面に気を遣います。それが英語だとなおさら。相手の気分を害さないか、心配になりますね。
今回は、そんな英語でのお願いメールの書き方です。
てりたまです。
監査法人で30年強、うち17年をパートナーとして勤めました。
海外経験通算5年、そのほか海外と頻繁にやり取りしてきました。
以前、督促メールの書き方、という記事を出しました。
すでに同意していることについて、「早くやってよ」と督促する方法です。
今回は、お願いベースでやってもらうときの書き方です。
お願いメールの例
まずは文例から。
あなた:Taro
相手先:Mary
これを解体して見ていきましょう。
なお、呼びかけや結語は前回をご参照ください。
件名
ここでは、お願いの対象となるものを端的に件名にしています。
"slide deck"はもともと「スライドの束」くらいの意味で、プレゼンやパワポのファイルなどを指しています。"Presentation"やパワポなら"PowerPoint file"でも通じます。
導入
最初は相手への感謝から入るのが定石です。
ここでちょっと気持ちよくなってもらえると、お願いしやすくなります。
この例文では、前日にリモートミーティングがあった前提で、「昨日はお時間をいただき、ありがとうございます」という入りになっています。
"the call"は、もともと電話で話すことですが、電話会議も指すようになり、今ではzoomなどのリモートミーティングに使っています。
どうしても感謝することがなければ、前回のこれでいきましょう。
本文―相手への心遣い
「繁忙期にこのようなお願いをするのは心苦しいのですが…」というところ。
特に繁忙期ということでなければ、次のような言い方ができます。
もし忙しくないことが分かっていたら、嫌味にならないようにこの部分は省略してください。
本文―お願いする①
「その会議で見せていただいたプレゼンをいただけないかと思いまして…」
見せてもらったプレゼンのファイルをもらうだけであれば、こんなに丁重にしなくてもいいかもしれません。例を簡単にするためですので、ご容赦を。
ここでは、"I was wondering if…"がポイント。
単刀直入に”Please share with us…"でも通じますが、それだと「共有してください。」という響きになります。"please"がついていても、かなりずうずうしく聞こえます。
疑問形にしたり、"I was wondering"のようにひとりごと風にする方がやわらかくなります。
ほかに、いろいろな言い方ができます。疑問形だと…
英語で「たぶん」をあらわす言葉はたくさんありますが、"possible"は相当確度の低い部類です。
平たく言うと、「ひょっとして、○○してもらえちゃったりしませんか?」というところ。
疑問形でないパターンもあります。
「○○していただけると、たいへんありがたいのですが」
ちなみに、"appreciate"のあとの"it"はよく忘れるので気をつけましょう。
本文―お願いする②
さっそく「たいへんありがたい」を使っています。
ここでのポイントは、気を遣いながらも、お願いしたい行動を具体的に書いておくこと。
これがないと、「そうだね、次に会うときに持っていくよ」などと、はぐらかされてしまうかもしれません。そうなってから「海外のお前と、いったいいつになったら会えるんじゃ…」と怒りに震える手でもう一度メールを打つのは非効率ですので、先手を打っておきましょう。
エンディング
最後に再び感謝。
「検討していただけたら幸いです」というところです。
逆に断るときはどうする?(おまけ)
逆の立場で、折り入って何かを頼まれて、断るときはどう書けばよいでしょうか?
日本語で「たいへん残念ですが」というのと同じで、"I am afraid"で始めることで、相手には断っていることが伝わります。
OKかどうか分からない文章で気を持たせた挙句に断るより、最初に「たいへん残念ですが」と断る姿勢を見せることで相手が受ける衝撃をやわらげることができます。
あとは、"Unfortunately"に続けて無理な理由に触れるとていねいです。
ただし、「その日は都合が悪いから」と具体的に書くと、「じゃあ、その前後の日は?」と返ってくる可能性があるので、絶対いやだったら「最近忙しくて」などとあいまいにしておくのが無難です。(これは日本語でも同じですね)
"I would love to help you with this, but I am afraid…"と、冒頭に「本当はぜひ協力したいんだけど…」という入れることもあります。ただ、「そうなの! それじゃあ、ほかにこれはできる?」と別の依頼に発展するかもしれません。
終わりに
日本語で敬語ができないと、大人としての知識が足りないと評価されます。
英語にも敬語的な表現はあり、これをうまく使えないと「気遣いのできないやつ」として見られます。
この記事が、皆さまが英語で何かを頼むときのヒントになれば幸いです。無事に快諾を勝ち取られることをお祈りしています。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
この投稿へのご意見を、下のコメント欄かTwitter(@teritamadozo)でいただけると幸いです。
これからもおつきあいのほど、よろしくお願いいたします。
てりたま
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