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#13 音が取れない時は〇〇で歌ってみよう!

「音痴だと言われた事がある」という方、大抵は音痴ではありません。今までお会いした生徒さんの中で完全な音痴の方はたったお一人でした。思い込んでいる方がほとんどです。

約20年以上現役クラブ歌手をしております平山テリです。

小学生時代の音楽の先生に「君は音痴だなあ」と言われて、ずっとそうだと思っていたという話をよく聞きます。その曲の音が取れなかっただけなんですけどね。
ではどうしたら音を取れるようになるでしょうか?

まずは、「耳を鍛える事」これにつきます。
合っているのか外れているのかを聞き分けられるようになるには、少し聞く練習が必要です。今まで音楽をたしなんでこなかった方は尚更です。
今までは、「なんとなく聞いていた」から、「よーく聞くようにする」、これだけでかなり聞こえてきます。繰り返しが肝心です。
それでも聞こえにくい場合は、聴力の検査もしてください。
最近のイヤホン、ヘッドホンなどを使って、爆音で聞いている方の中には、かなりの確率で難聴になっている方がおられます。話す声が大きい人は要注意です。
前に教えていた20代の女性もそうでした。昔覚えた曲は、きちんと音が取れるのに、最近覚えた曲を歌うと、音が取れていない場所がかなりありました。聞くと、帰り道の電車の中ではいつも爆音で音楽を聴きながら眠ってしまうそうです。ストレス解消になって気持ちはいいのですが、耳には最悪です。眠る時はせめて音楽を小さくするか、切るかするようにおすすめします。できれば、しばらく家でのみ聞くようにすることをお勧めします。

さて、音を取るには、階名で歌う事が有効です。
階名とは、ドレミファソラシドの事で、キーを上げたらドの位置があがるというようにドの位置が変わるのが階名です。
これに比べて音名は、実際の音の名前なので、キーを変えると呼び名も変わります。この、階名と音名があるという事を少し頭の中に入れておいてください。

階名で歌うと、例えば童謡チューリップなら、「ドレミ、ドレミ、ソミレドレミレ‥」となります。これを1音上げても、キーは変わりますが階名で歌う場合は、「ドレミ、ドレミ、ソミレドレミレ‥」と変わりません。
しかし、音名で歌う場合は「レミファ♯、レミファ♯、ラファ♯ミレミファ♯ミ‥」となるわけです。音名の話はこれくらいにしておきます。

さて、階名で歌えるようにする事がいかに大事かを実感した生徒さんがおられました。
60代後半の音痴を治したいという男性です。この方は、童謡の「富士山」を階名でしっかり歌えて、しかも、音もきちんと取れていることを発見!ビックリしました。
伺うと、小学生の時の音楽の先生が厳しくて、この歌だけは階名で歌えるようになるまでは帰宅させない、という勢いだったようです。(今そんな指導は絶対してはいけませんが。)
子供時代の覚えやすい脳には、メロディの音と階名がすんなり記憶されたということでしょう。その経験があったおかげで、階名で音がすぐ取れるようになっています。

階名を体に入れる為には、練習曲を階名で歌っていくのが早道です。
よく使う曲はコンコーネの1番。声楽や合唱経験者は必ず歌った事があるはずです。
ハ長調ですし、短いですが、音が取りにくいフレーズを網羅していて、これだけをしっかりやればかなり力がつくと思います。(長調の場合)

音を取るのが大変な曲がある場合は、譜面を手に入れて頂き、それに階名を書いて歌えるようにしてください。
キーがハ長調でしたら、そのまま読んで大丈夫ですが、キーがそれ以外ですと、階名をつけるのが大変かもしれません。ボイトレの先生にお尋ねください。間違って覚えると大変です。いつまでたっても音が取れないことになりかねません。
階名で歌えるようにする事が、音取りの1番の近道なのです。