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#1670 合格ラインの上げ下げ

「子どもに任せる授業」「自由進度学習」「個別学習」を進めていると、子どもによって学習速度が異なるので、必ず「早く終わらせる子」が出てくる。

これは自然なことである。

ここで教師が「どう動くか」が重要となる。

「早く終わらせる子」というのは、頭の回転が速い分、深く思考していない場合が多い。

なのでアウトプットした成果が、「浅い」可能性があるのだ。

それを放任し、OKにしてはいけない。

そうすると、「早く仕上げればよい」「早く終わらせても先生はOKを出す」ということを誤学習させてしまうことになる。

これを防ぎ、深い思考を促すには、きっぱりと「不合格」を出す必要があるのだ。

つまり、「早く終わらせる子」に対しては、合格ラインを上げるのである。

ここで機能させるのが「フィードバック」だ。

「どうすれば合格できるのか」「目標までどのくらいか」を伝えてあげるのである。

そうすることで、「早く終わらせる子」も、さらなる高みを目指して学習を深めることができるようになる。

一方、教室には「活動が遅い子」がいる。

このような子どもは学力が高くなく、頭の回転スピードが遅いという特徴がある。

この「活動が遅い子」に合格ラインを高く設定してしまうと、いつまでも学習が終わらないという状況に陥る。

ますます、学習することが嫌いになるだろう。

そこで「活動が遅い子」に対しては、合格ラインを下げるのである。

最低限のライン(学習指導要領の範囲)は設定し、そこから上げなければよい。

これは「学習の個性化」の考え方でもある。

そうすることで、「活動が遅い子」の成果も認めてあげることができ、学力も保証することができるのだ。

以上のように、「早い子」には合格ラインを上げ、「遅い子」には合格ラインを下げるようにする。

このような「上げ下げ」が重要となる。

これをしないと、「放任」「やらせて終わり」「指導して評価なし」となってしまう。

そして、子どもたちにも「合格ラインの上げ下げ」をする意図・目的を伝えることも必要だ。

子どもたちにその意味を納得してもらい、上記のことを実践していくようにしたい。

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