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#1660 消極的生徒指導ではなく、積極的生徒指導を

学校現場には、たいてい「生徒指導協議会」なるものがある。

一ヶ月単位で開催され、各学年、各学級から「生徒指導事案」や「問題行動を起こす子どもの名前」が公表される。

これはまさに「消極的生徒指導」の流れである。

子どもの問題行動に目を向け、それを職員で共有し、「みんなで目を光らせましょう」と言っているようなものである。

ネガティブでマイナスな雰囲気しか漂わない会である。

こんな会議を続けていて、本当に子どもたちを伸び伸びと成長させていくことなどできるのだろうか?

必要なのは「積極的生徒指導」である。

問題行動を未然に防ぐ「課題予防的生徒指導」や、全ての子どもたちの成長を促す「発達支持的生徒指導」である。

生徒指導とは、「児童生徒が社会の中で自分らしく生きることができる存在へと自発的・主体的に成長や発達する過程を支える教育活動」のことである。

そして、生徒指導の目的は、「児童生徒一人一人の個性の発見とよさや可能性の伸長と社会的資質・ 能力の発達を支えると同時に、自己の幸福追求と社会に受け入れられる自己実現を支えること」である。

さらに、子どもの「自己指導能力」の獲得を目指すものである。

そのための実践上の視点が、
(1)自己存在感の感受
(2)共感的な人間関係の育成
(3)自己決定の場の提供
(4)安全・安心な風土の醸成
となる。

以上のような「生徒指導の定義」「生徒指導の目的」「生徒指導実践上の視点」をもち合わせていれば、これまでのような「消極的生徒指導」だけの会議にはならないはずである。

子どもたちの「問題行動」や「事案」ばかりに目を向けるような、ネガティブでマイナスな会議にはならないはずである。

そうではなく、「積極的生徒指導」に関する話題を中心にすればよいのである。

「積極的生徒指導」は、つまるところ「学級経営の充実」を意味する。

「自己存在感の感受」
「共感的な人間関係の育成」
「自己決定の場の提供」
「安全・安心な風土の醸成」
という視点は、どの教師ももっているはずである。

これらを、学級経営でどのように実践しているかを共有すればよいのである。

そうすれば、子どもの「あら探し」をするような消極的生徒指導でうずまく会議を改善することができるだろう。

消極的生徒指導は「対症療法」である。

一方の積極的生徒指導は「根治療法」である。

どちらを重視するればいいかは一目瞭然だろう。

「生徒指導協議会」なるものを改革していけるようにしたい。

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