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#1682 OPPAで授業をつくる

今回は『OPPAでつくる授業 小学校編』からの学びを整理していく。

・OPPシートの問いの構成
➀学習前の本質的な問い
②学習履歴における問い
③学習後の本質的な問い
④学習全体を振り返る自己評価の問い
⑤単元タイトルをつける問い ※なくてもいい
⑥授業タイトルをつける問い ※なくてもいい

・それぞれの問いと教育の「目的」「目標」「方法」「評価」の関係
➀教育の目的:各要素の問い
②教育の目標:本質的な問い
③教育の方法:学習履歴の問い
④教育の評価:自己評価の問い

・それぞれの問いとメタ認知的活動の関係
➀プランニング:本質的な問い、学習履歴の問い、自己評価の問い
②モニタリング(コントロール):学習履歴の問いに対する教師のコメント
③価値付け:自己評価の問い

・学習者と教師による情報の共有と活用
➀学習履歴という同じ情報をもとに往還する
②学習履歴を介在にして両者が内化・内省・外化を行う
③学習と指導と評価の一体化が意識できる
④認知の内化・内省・外化がスパイラルに深まる

・OPPAで授業をつくる際のポイント
➀問いへの回答の主体が学習者となる
②コメントがフィードバックとなる
③疑問を記入することで学習目標が形成される
④学びの現在地を教師と学習者が自覚する
⑤「間違いは宝」と繰り返し伝える

・OPPAで育成可能な非認知能力
➀好奇心
②批判的思考
③共感性(協調性)
④自尊感情
⑤やり抜く力(グリット)
⑥誠実性
⑦時間的展望
⑧メタ認知能力

【実践編】

・1年 生活
本質的な問い:「野菜のひみつを伝えるカルタをつくるには、どうしたらいいかな?」
➀文章をその日の学習の様子と照らし合わせて読む
②短い言葉で共感的なコメントをする
③子どもの学びの言葉を次時に生かす
④単元タイトルで、学習全体を価値付けさせる

・5年 理科
本質的な問い:「命はなぜ大切なのか?」
➀調べたいことを短冊に書かせる
→「指導目標」を「学習目標」へ変換
②自分で調べていくことで、「命の対象」が広がる

・1年 国語
本質的な問い:「なぜ『 』を勉強するのかな?」
➀登場人物の心情を捉える
②心情を踏まえた音読の工夫
③学習履歴を見ると、自己評価が書ける

・5年 書写
本質的な問い:「整った文字って何だろう?」
➀「めあて」と「練習方法」を選択できるようにする
②OPPシートに作品を貼る
③自己評価項目
「学習を通して、何がどのように変わった?」
「変わったとすれば、そのことについてどう思う?」
「なぜ変わったと思う?」

・6年 体育
本質的な問い:「~の技をスムーズに行うために大切なことは何か?」
➀子ども一人一人により、スタート視点や登るコース、速さが違う
②個々の「学びのストーリー」を大切にする

・1年 算数
本質的な問い:「『長さ』って何?」
➀実際に実物を使うパフォーマンス課題
②イラストや図でまとめさせてもよい

・3年 理科
本質的な問い:「『磁石』とは何か?」
➀「わからない」などの本音を大切にさせる
②コメントを返し、交換日記のようにする

・4年 算数
本質的な問い:「『倍』って何だろう?」
➀素朴概念を表出させる
②予想外の考え方に出会うと、それを学習履歴に残すようになる
③扱う問題の「文脈の一貫性」に配慮する

・1年 体育
本質的な問い:「足でできるだけ速くボールを運ぶために大切なことは?」
➀学習履歴もとに、ウェビングマップを使い、「気づきの質」を広げていく
②難しかったことも書かせることで、全体で取り上げるべき課題に気づける

・6年 理科
本質的な問い:「『生きる』とは何ですか?」
➀3つの単元で同じ「本質的な問い」を使う
②「生きる」ことについて、多面的に考えることができる

・2年 学級経営
本質的な問い:「『~学級目標』にするにはどうしたらいい?」
➀学習履歴:「今週の生活で、一番大切だと思ったことは?」
②学級全体への語りが、学習履歴の記述に反映される
③心の変容を見取ることができる


以上が、書籍からの学びである。

私は今年度、年間を通して、OPPシート(デジタル版)を授業に取り入れてきた。

デジタルのOPPシートは配付・回収がなく、管理がしやすい。

しかし、教師からのコメントを返さなかったり、成績付けに利用したり、大幅に改変したりしてしまった。

これは「OPPA論」の主旨とは異なる。

次年度は、紙のOPPシートを使い、もっと丁寧な実践をしていきたい。

子どもの記述を深く読み取り、コメントを返していくようにしたい。

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