ガチ恋おじさんの黄昏

 皆さんは「ガチ恋」ということばをご存知だろうか。

 「真面目な恋愛」という意味では決してない。「アイドルに対して真剣な恋愛感情を抱き、それをモチベーションにしてアイドルのイベントに参加する行為、またはその人」のことを指すスラングだ。アイドルに対して恋心を抱いたところで、それが成就するはずがないことは、他人にいわれずとも「ガチ恋」をする本人が誰よりも知っている。それでも彼らはガチ恋をやめないのだ。いったいなにが、彼らを叶わぬ恋に駆りたてるのだろうか。

この続きをみるには

この続き:4,220文字

ガチ恋おじさんの黄昏

白饅頭

300円

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

令和元年 白饅頭 マガジン
109

白饅頭

白饅頭note(本編)

白饅頭が書いた、そこそこ長めエッセイが公開日の古い順にまとまっています。 ツイランドや他社さんではあまり扱わないような話もここでなら自由に書けるので、結構はりきって書いています。おおむね2週間に1回のペースで新作を書いています。 各回300円均一です。よろしくお願いいたし...
2つのマガジンに含まれています

コメント34件

Twitterで記事タイトルを拝見したときから気になっていて、この度購入し、拝見させていただいてその価値がある内容だと思いました。 私はこのインタビューを受けている「ガチ恋おじさん」と同じように、女性に縁のない人生を送ってきた人間です。しかし彼のようなアイドルや声優に「ガチ恋」をしている人たちが、その対象の恋愛・結婚で嘆き悲しんでいるとき、きっと「本当に好きなら祝福すべき」という、彼らを深く傷つける言葉を言っていたのだろうと思います。恋愛体験に恵まれた人だけではなく、私のように「恵まれなかった側」の人間でもそう思うのですから、彼らの孤独感や喪失感は察して余りあるものなのだろうと思いました。
アポイさん
ご購読ありがとうございました。ご満足いただけたようで光栄です。
ガチ恋おじさんに突きつけられているのは、一種の「正常性バイアス」といえますね。「まともな人なら恋愛経験がある」というバイアスが翻って「恋愛経験がない人間は、きっとどこかおかしいに違いない」という文脈から、「批判」や「矯正」の対象になるといったものです。「まとも」な人々が規定する世界のなかで、そのベネフィットを得られなかった人たちが、なぜその世界のただしさにのっとらなければならないのでしょうか。僕はいまでも疑問に思うことがあります。
以前、ある人から「良いアイドルファンはアイドルをヒーローとしてみているが、ダメなアイドルファンはアイドルを女の子として見ている」という話を聞いたことがあります。この価値観からすると、彼はダメな方のファンに分類されてしまうのでしょう。ですが、アイドル以外に心の拠り所のない人に対してそれはあまりに想像力の欠けた物言いなのでは、とも思います。普通に優しさを受け取れる側の人間として生きてこれれば、そんな想像力は持つ必要などないのかもしれませんが。
一般社会がポリコレ化されたので? こうやってアイドルファンのコミュニティ内でこういうヒエラルキーがイキイキするとは…そしてすべての趣味がそうだとは思わない。アイドル文化類の人治ぽさだと思う。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。