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Ⅰ-#7 シートの活用方法(1)

シートの活用方法(1)分析

もちろんこのシートはつくって終わりではありません。様々なカタチで分析・改善に役立てることができます。まず今回は文化石の仕方について解説します。前回の記入例を参照しながら見てください。

一枚のシートから

まず自分(集団でつかう場合はそれぞれ)の創ったシートを見て見ましょう。まずは全体の記載バランスを見てみましょう。

記載内容が上に偏り、下の部分にはあまり記入すべきことが思いつかなかったとします。これは文字化された目標や数値化された結果以上のことを皆が考えないようになっていることを意味します。つまりそうしたカリキュラムは、形骸化が進行していると解釈することができるのです。

一方で下の方に記載する内容はたくさんあっても、上の部分にはあまり記入されなかったとするとこれもあまり望ましいことではありません。これは、皆がいろいろと考えていることや感じていることがあっても、それをカタチや数値にしてみる努力がなさていないことを意味します。するとカリキュラムは組織的な改善が難しい状態、つまりなし崩し化が進行していると解釈することができるのです。

望ましいのはカタチはつくられているけれども、さらにより多くの可能性を求めて探索が続けられている状態、つまり上の部分にも、また下の部分にも記述がされている状態です。

分析結果を持ち寄ってみると・・・

さらに分析結果を持ち寄って記載事項を比べてみると、さらに一歩踏み込んだ分析をすることが出来ます。

筆者の経験によれば、シートの記載内容は人により相当異なっていることが多いと思います。学校現場では共通理解が強調されることが多いと思いますが、シートの内容が同じになっているということは望ましいばかりではありません。#3で解説したとおり皆が同じことを考えているということは、集団として切磋琢磨が働かない状態になっているということでもあります。

だから、まずそれぞれの感覚の違いが改善の手がかりになると考えてみるのが、シート活用のポイントです。シートの下側の部分はもちろん、上に欠かれた事柄でも、実は人により異なった考え方をしている場合が多く、それが教員間で協働をしていくための話題にもなります。

どうしてそれぞれの実践者がそのような見方をしているのか、比べてみると話も広がり面白いのではないでしょうか?きっと参加者には様々な発見があるはずです。

次回はこれらをより具体的に学校改善に活かす方法について説明します。