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奇跡のむらの物語

『奇跡のむらの物語(1000人の子どもが限界集落を救う!)』辻英之 編著(農文協)

泰阜村にあるNPO法人グリーンウッド自然体験教育センターの成り立ちが書かれている本です。読み終わっての感想は、泰阜村に住んでいるのに「だいだらぼっち」について知らない事ばかりだった、です。

令和3年3月、NPO法人グリーンウッドを訪ねてお話をさせていただいた事がありました。1975年生まれで泰阜育ちの私は「だいだらぼっち」として認識しています。30年くらい前からいらっしゃるのに、グリーンウッドにちゃんと行ったことがなかったのです。その時に建物も一通り見させていただきました。けっこう突撃でしたのに、ありがたかったです。

その後、たまたま村役場でこの本が売られていて購入しました。

本の中では、地元との関係性の悩み、経営の悩みなどを年代をおって描かれています。
地元との関係には本物の「覚悟」が必要。地域の活動を最優先している。
経営は「身の丈」にあったものをする。自分たちの軸を持っていて、その上で何ができるか?という感じでしょうか。例としては被災した子ども達のための山賊キャンプなど。

長年の活動で「だいだらぼっち」に関係した人達が、泰阜村を「第2のふるさと」と思ってくれていたり、保護者のなかにはファンもいたり。現在でいう関係人口はすでに居る。また色んな賞も受けています。2020年10月には、第15回マニフェスト大賞「優秀賞」に選ばれました。素晴らしい。
先日ある山村留学の保護者と話をしていた時「グリーンウッドって結構凄いんですよ」とおっしゃていました。この本を読んで、その価値を少しはわかった気がしました。

泰阜村には学校美術館があります。「貧すれど貪せず」という言葉があります。この思いがなんとなく村民みんなの心にはある。なので、教育に対しては、というか子どもに対しては、村民全員が協力的だと私は思ってます。

コロナ禍の今は「貧すれど貪せず」の状況なのかもしれません。「どんなに物がなく生活が苦しくても、心だけは清らかで温かく、豊かでありたい」と願った吉川校長って凄いです。

今でも、色んな子どもの協力者がいる泰阜村は素晴らしい。

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