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船乗りが船に持っていく荷物の中身。その1

皆さん、こんにちは。
現在重度の「サザエさん症候群」を発症中の、外航船員てるです。

さて、乗船日がいよいよ数日後に迫ってきました。
この上なく楽しかった3か月ちょっとの陸上休暇も、残りわずか。

平日や休日関係なく、毎日のように外出し、おいしいものを食べまくり、買いたいものを買いまくり、旅行にも行きまくり…

そんな夢のような陸上生活が一変、360度どこを見ても海しか見えない船上生活へ。 
サザエさん症候群を避けれる余地なんて、もうどこにもなしです。

今回の休暇では、小笠原諸島に行ってきました!


【てるの豆知識➁】
外航船員は、約半年間の乗船勤務を終えると、下船翌日から休暇として約3か月間丸々お休み!
その分、休暇が終わる頃には、言わずと知れたとんでもない絶望感が。

なんとか現実逃避に走ろうと、休暇中の思い出を写真で振り返る傍ら、今日になってやっと乗船用の荷造りが終わりました!

半年間も海に出る外航船員って、一体どんな荷物を持っていくんだろう?

そう思ってくれた優しいあなたのために、今回の記事では、私が実際に船に持っていく荷物(スーツケース)の中身を紹介してみたいと思います!

スーツケースがパンパンに。

|船に持っていくもの ~生活用品編~


まずは生活用品から。

船に半年間乗ると言っても、トイレやシャワー、洗濯機、乾燥機、空調をはじめ、船にも生活に困らない程度の設備はそろっています。

シチュエーション的には、長期の海外出張と一緒と考えてもらって大丈夫です。 

なので、衣類系だったり、ボディケア用品、コンタクト、お薬など、基本的な生活用品を持っていけば事足ります。

➀ 普段着

船内では、業務時間を除き、基本的にポロシャツとチノパンのクールビズスタイルで過ごします。
靴に関しても、やはり革靴である必要はなく、ほとんどの乗組員が動きやすい運動靴を履いています。

ちなみに、写真の中にマスクが映っていますが、船内ではマスクをする必要はありません
船内は、陸上とは完全に隔離された環境なので、コロナを気にする必要なしです!

➁ ボディケア用品

シャンプーやリンス、ボディーソープは空ボトルとともに、詰め替え用を持っていきます。

洗剤に関しては、一応船内に共用のものが置いてあるのですが、私は個人で購入した洗剤を持っていくようにしています。

なぜなら、船内の粉洗剤は理由は分かりませんが、とにかく水に溶けないんですよね。
一度試しに使ってみたときには、脱水後の服に粉の塊がびっしり引っ付いていました。
おそらく、世界のどこかの港で購入した安価な代物だからでしょう。

③アネロン

少々高価だか、その分効果は絶大。

「アネロン」って何?って思われた方も多いと思いますが、アネロンとは、船乗り界隈で有名な酔い止め薬。
即効性に優れており、船が揺れ始めてから服用しても効果を発揮します。今度船に乗る機会があれば、ぜひ買って試してみてくださいね。

あれ、というか、船乗りって船酔いするの...!?

そう感じたあなた。痛いとこ突いてきますね〜。

そうなんです。
実はわたし、自他ともに認める船酔い最弱王。船がちょっとでも揺れると顔が白ばんできて、情けなくぐったりしてしまいます...
観光地によくある遊覧船ですら、まさかの酔いの対象。

そんな私にとって、アネロンは船上での戦友的存在です。

④お菓子

大好きなカントリーマームとキットカット

お菓子も必需品ですね。

菓子好きな人は、荷物用とは別のスーツケースをわざわざ持参し、そこにお菓子をパンパンに詰め込んで乗船します。

ちなみに、船でもお菓子や飲み物を手に入れれる方法があるので、以下に紹介します!

【その1】  船内にあるボンドストアで購入

ボンドストアとは、船内にある小さなコンビニみたいなものです。もちろん24時間営業ではなく、週に一回ほど決まった時間に開きます。

ボンドストアには、お菓子をはじめ、アルコール類やスナック、さらには歯磨き粉のような生活用品も売っています。

ボンドストアで購入した激甘チョコレート


その2】  港のプライベートオーダーで注文

プライベートオーダーとは、船版Amazonみたいなシステムです。
専用の代理店に注文すると、船が入港した際に、なんと直接船まで持ってきてくれます!

これは日本の港に限らず、アメリカやヨーロッパ、シンガポール、さらには中東のサウジアラビアなど、世界中どこの港でも利用可能です。

乗組員の中には、お菓子だけでなく、衣類、書物類、筋トレ道具、たまにパソコンを購入する人もいます。欲しいものなら、本当に何でも買えるので便利ですね!

ちなみに、お菓子を注文する際、メーカーなどの指定をせず、例えば"Chocolate"とだけ書いて注文してみると、その地の超ローカルなチョコレートが届きます。

あえて細かく指定せずに、代理店チョイスで注文してみるのは楽しいですね。

"Singapore souvenir"と注文してみたら...


その3】  船内のお菓子を独り占め...

船内の共用スペースには、乗組員用にクッキーなどの茶菓子ボックスが置いてあります。
会社支給のものなので、もちろん自由に食べて大丈夫です!

ただ、この茶菓子ボックス、海外製の大容量タイプにも関わらず、気付いたら新品が2日経たずに空っぽになってるんですよね。
おそらく乗組員の誰かが、人目を盗んで食べまくってるんでしょう。



「船乗りが船に持っていく荷物の中身。その2」に続く…

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