視覚障害当事者は、濱田祐太郎さんのR-1グランプリ優勝をどう見たか

全盲の人がR-1グランプリを優勝したことを、Yahooニュースを見て知りました。R-1グランプリをオンタイムではチェックしていませんでした。

僕は自分の音声配信やユニバーサルマナー検定の講師で話すとき、「見えないことを利用して笑いを取りたい」と思っています。なので、濱田さんのR-1グランプリ優勝のニュースを見て、心がざわつきました。恥ずかしながら、それは嫉妬心でした。

翌日になってから、YouTubeでR-1グランプリでのネタを見ました。「視覚障害者あるある」が笑いになっていました。僕が体験したことのあるエピソードもあったし、そうでない話もありました。

濱田さんは生まれつきの症状とのことで、僕とはその点が異なります。僕の場合は白杖を使い始めたのは24歳でした。それまではぼちぼち見えていたので、盲学校には通いませんでした。濱田さんは盲学校でのエピソードを笑いにしていて、僕にはない経験でそれが面白かったです。

濱田さんが見えないことをネタにして笑いを取り、日本で一番になった姿を見て、「僕もこんな風に輝きたい」と思いました。そして、「どうして今の僕はこんなに中途半端なんだ」とも思いました。

でも、だからこそ、僕にも何かきっとできるはず。話す技術をもっと高めて、聞く人を引きつける話術を身に着けたい。僕の夢はオールナイトニッポンで話すことです。

視覚障害者がもっと身近になっていく

今回の濱田さんの優勝を受けて、濱田さんに視覚障害があることに焦点があたりがちなのは仕方のないことです。そもそも見えないことをネタにしているのですから。大抵の人にとって視覚障害者は珍しい存在です。友だちに視覚障害者が居ますという人はめったにいません。

世の中では、視覚障害=暗い、怖いといったイメージがありがちです。濱田さんがそのイメージを崩していくきっかけになったのは間違いありません。視覚障害者への風通しが良くなっていくと思います。

将来、見えることと見えないことの軋轢(あつれき)がどんどん減っていくはずです。太っていることと痩せていること、背が高いことと低いことみたいに、特別に焦点が当たることもないようなことになっていくと思います。それが、風通しが良くなるということです。世の中にとってタブーでなくなるということです。

僕も、少しでもその一助を担っていけたらと思います。



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