死別後、何年にするのか その2

「親の死と子どものウェルビーイング」Parental loss and children's well-being(Gimenes et al., 2013)

今日も1本論文を読み込みました。台湾の研究で昨日の研究よりもさらに、大規模なデータを元に量的調査をおこなって、教育面の影響と、加えて10代のうちに、結婚したり、社会に出たり、軍隊に入る選択に対する影響も調べたものです。

そもそも驚くのは、ちゃんと台湾のマクロデータから子どもが20歳までに親を亡くしている率が示されている点です。日本はこうした基礎データがなかなかわからず、博士の研究で試算したいと思っているのですが。

20歳までに父親をなくす子は、全体の4.9%、母親をなくす子は1.6%にあたります。

この研究は、1981年から1985年までに産まれた子たちで、父親を亡くした68,363名、母親を亡くした22,918名を対象としています。

この研究で明らかにされているのは、女子が両親のいずれかを亡くしたとき、とりわけ、低所得世帯であった場合は、著しく大学進学に影響を及ぼすということと、10代のうちの結婚や社会に出る率を高めるということでした。男子も軍隊に入る率が、死別を経験していない子達よりもずっと高いというデータが出ています。

さて、わたしが今、調べなければいけない死別後からの期間のポイントについて…この調査は丁寧に、短期、中期、長期の影響を調べています。

死別から大学入学試験を受ける年齢(18歳がほとんど)までか、進学をしない場合は、死別から20歳までの間の期間を

長期・・・9年以上、中期・・・3〜9年、短期・・・〜3年

と分けて、データを分析しています。

大学進学について

9年以内に父親を亡くした女の子はとりわけ、影響が出ていることがわかりました。長期的影響は、比べてみると少なく。また、男女区別なく、過去3年以内に母親をなくした場合が一番影響が出ていることがわかりました。

結婚に関して

女子は、いつ亡くしたとしても、両親のいずれかをなくすと、死別を経験していない子達に比べて、結婚が早まることが示されています。

社会にでることについて

いつ亡くしたとしても、男子は、父親を亡くした場合、社会に早くでていることがわかりました。女子の場合は、父親を亡くして3年以内であると、社会にでることが早まる率が高いことがわかりました。母親との死別の場合、長期的な影響よりも、過去9年以内に亡くしている場合のほうが影響が大きいとのことです。

最後に、軍隊に入ることについて

やはり死別を経験していない男子よりも、死別を経験している男子は、早期の入隊をしている率が高いことがわかりました。(本来19歳で全員義務)。とりわけ、いずれの親をなくしていても、過去3年以内、または9年以上経過している場合は、より入隊率が高くなっていることがわかりました。

と、つらつら、ここまで書いてみましたが、むずかしい…。3とか9っていう数字がどこから来たのかは書かれていないし、恣意的になるものか。

筆者が強調しているのは、家父長的な傾向が台湾はあるため、男子が稼ぎてだったお父さんをなくすと、教育を受けるよりも、働き手になることは証明されているということでした。これは日英の比較の視点でも大事にしたいポイントです。

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Terumin

リヴオンという死別を支えるグリーフサポート団体の代表をしています。Founder and CEO of Live on, a charity in Japan supporting the bereaved. Ph.D researcher at Uni of Bath、
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