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駄菓子屋…ずっといっしょだよ【ドキュメント72時間】

NHKドキュメント72時間を観て感じたこと、調べた事を書くシリーズ。今回は2020年5月15日に再放送された(最初の放送は、2015年)「子どもたちの小さな宇宙」

今回の舞台は、神戸市和田岬。海に面した工場の街。笠松商店街の外れにある駄菓子屋。ねーちゃんと呼ばれる50代の愛想のいいおばちゃんとその親とさらにその上のばぁちゃんの女3代切り盛りしている。

軒先と引き戸を開けた店内前面に小さなお菓子がところ狭しと並んでいる。奥は10人程度が座れるテーブル席がある。名物は外に開かれた小窓から注文できるミニクレープ100円。店内でねーちゃんが焼いている。味 もチョコにイチゴジャム、バナナなどけっこうバラエティー豊富だ。

駄菓子屋と言えば、子どもたちのたまり場だ。子どもたちが放課後ぞくぞくと小銭を持って集まってくる。「なんでここに来るの?」という質問に「ねえちゃんが話しやすいから」と答える中学生の女の子。子どもたちとねえちゃんの関係がすごく印象的だ。ねえちゃんに悩みを打ち明ける女の子、ねえちゃんに怒られてる男の子、学校であったことをみんなねえちゃんに報告してる。実の母親だと話せないことも、ねえちゃんになら話せるんだろう。

子どもたちが集まれば始まるのがそうケンカだ。テーブルスペースで遊びに誘わなかったとかそんなことで男の子同士がケンカしている。ねーちゃんはそこに介入はしない。「もうちょっとしたらケンカ終るから」といつものことのようにほっておいている。そのうち子どもたち同士で解決して、また遊び方はじめる。大人が変に介入しない子どもたちの自治の世界。公共施設、行政サービスとしての場だと生まれにくいのではないだろうか。

18時を過ぎると大人たちも集まってくる。やんちゃだった中高生時代もここに通い、就職してからもここに集まってくるくる。ねえちゃんにちゃんと最近どうしてるのか、仕事は結婚はと報告しにくる。

これから夜のお店に出勤するシングルマザー。中3の時、15歳で子どもを生んで今20歳。「専業主婦になってみたいなのイメージしてたけど。こんなんなっちゃった」と笑う。なんだか疲れた表情をしている、というかそんなインタビューに答えているうちにちょっとうつむきがちに。そんな女性をねえちゃんは励ます。基本ポジティブな言葉しか吐かない。

子どものときこういうところに溜まるのは自分でも近くにあったらそうなるだろうなって思う。でも大人になってもまだここに通うかとなるとたぶん行かないんだろうなと思う。

ここに集まるのは…

地元で学校出でて、地元で就職する。子ども時代に楽しい思い出もって、その時の仲間も多く自分と同じようにずっと地元。だから今も昔からの仲間と一緒。

こんな感じなんだろうと思う。

だから何でも話すし、ずっと関係を続ける。すごく幸せな生き方のひとつだと思う。自分はほぼその真逆をやってきたので…うらやましくもあるけど…できはしないだろうな。

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