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テメーとタイマン

昨日の試合で3-0の状況から、PKで追加点を決めた。

なんてことないゴールに見えると思う。

でも自分の歴史からしたら、

黄金卿の如く価値のあるゴールだった。

なぜか


遡ること1週間、チームは3−0で勝利したが、出番がなかった

さらにその前の試合で、投入後、

逆転されたからというのもあると思う

でも試合に出れないのは自分の中では許容範囲を大幅に超える

地獄に突き落とされた気分だった。


37歳になってもこれだけ悔しいってことはまだエネルギーが残ってることなのか

でも正直この自己中心的な性格にほとほと愛想が尽きる


頭ではわかってる。

流れがあって、役割があって、順番がある、

「しょうがない」とすぐに受け入れられたらどれだけ楽だろうか

社会性の高い周りのみんなにはそれができるんだろう。


でも社会不適合者で、自己中心的、心がそれを許さない。

エゴという悪魔が、心で囁くのではなく、喚き散らしてる。

理性を掻き乱してくる

「ふざけるな!!」

って


不出場の試合後の二連休、家族と一緒にいたけど、全く心に平穏は訪れなかった。

若い時よりこういう落ちる時がもっと苦しい。

引退という逃げ道があるから、もうやりたくないって極論に心がたどり着いてしまうから。


この夏のオフに名古屋に帰って尊敬してる経営者の先輩に

「サッカー楽しいか?」って聞かれた時

はっきりと答えられなかった。


報酬をもらうようになって、無我夢中で球を追いかけてたあの頃から

いつしかサッカーが作業になってしまってる感がある

最近はその作業から得る喜びという報酬はどんどん減ってきてる。

だから色々考える。

特に終わり方を強く意識してる。


正直、最近はサッカーが楽しいと思うことがめっきり少なくなってきてる。

我慢して、耐える時間の方が圧倒的に多い。

出て当たり前の時代から、出ないことが当たり前の時代。

もう何年目だろうか


オフ最終日に重い心を持ち上げて

低酸素トレーニングの「DOPE」に向かう車内で、

シャッフルでAK-69の「上ヲ向イテ」がふと流れてきて、

どん底の気分の中、嗚咽を漏らしながら年甲斐もなく泣いた。

何回この曲聴いて泣いたかな

そんぐらい今回も沈んでた

いままでだったら、週明けの練習でも憂鬱で、

練習中もイライラして、雰囲気悪くして、周りに気を使わすのが定番だった。

週末までひきずって、怒りに身を任して、少しのミスで叫んで、自分からドツボにハマっていき、負のスパイラルに陥っていく

被害妄想が膨らみ、全てが敵に見えて、自らコンディションを落とし、

底無し沼に落ちてく。

その段階で踏みとどまれないのが自分の弱点。

そうやって、ドイツで立ち直れず、韓国へ都落ちして、

復活した清水エスパルスでも、

監督がヤンヨンソンに変わった時、自信を叩き折られて、ミスが怖くなり、本来の自分を取り戻せず今に至る。


ただ今回は、何度も同じ経験をしながらわかったことがある。

どんな嫌な経験も3日経てば落ち着く

それと、自分が悩んで苦しむほど、その悔しさで体が動く爆発力を持ってるということ。

追い込まれたら力を発揮するタイプ。

それが長所


すこし分析できるようになった

夏休みの宿題も最終日に信じられない集中力で全部やるタイプでした。


だからオフ明けから、負の感情を引きずるのではなく、背水の陣で練習に取り組んだ。

イライラして雰囲気壊すのではなく、

ひたすら殺気立ってボールを追いかけ、動き回ってボールを受けて、ゴールもいっぱい決めた。

多分ここ何年かでベストパフォーマンスだった

1週間それをやり切った。

めちゃくちゃ充実した1週間だった


改めて、

「誰もが皆理由を外に探して、他人に認めてもらいたがる

でも大事なのは自分が自分を認めること。」

というAKの歌詞が心に沁みる。



昨日の試合ではもちろんスタメンじゃなかったけど、

途中からでたら、完璧な準備ができたから自信を持って入れると思った


過去の経験から、監督にむかついてたり、何かのせいにしたり、矢印が外に向いてる時は、

まーチャンスも来ないし、シュートの時も冷静な判断能力が欠如する


でもポジティブで潔い心持ちの時は、自然と体も動くし、ゴール前でも落ち着けて

頭もシャープでゴールの確率も高い。

それをわかってるから、そういうメンタリティーを1週間準備した


そんな中でのゴールは、はたからみたら、3−0から4−0の薄いゴールだったかもしれないけど

自分にとっては、過去の弱さを乗り越えた結果だと思ってる

ブンデスリーガで決めた大きな影響力のあるゴールじゃないけど、

同等の価値のあるゴール

だからこうやって文字に残したい


この先もまた何度もこの嫌な気分に突き落とされることがあると思うけど、

昨日の成功体験が自分の行動をまた変えてくれる

まだ成長できる

頑張ろう

もっとサッカーで選手で

「悲劇に感謝、俺のアートには必要なものだから」 AK-69






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