写真紹介 Vol.36 「Hi-FiとLo-Fiの間」
昨今、カメラの技術の進歩から高忠実な写真を撮ることが可能になった。
Hi-Fi(High-Fidlity)といわれるものである。
こういった写真は、広告写真や旅行パンフレットの風景写真に多い気がする。
あらゆる最新技術を駆使して撮影する。
それに飽きたというか、過去に回帰したくなったというか、対抗するような存在としてLo-Fi写真が登場する。
どこかノスタルジックでピントが合いすぎないような写真。
写ルンですで撮ったような写真のことだ。
このムーブメント自体は80年代にすでに起こっていたらしい。
現在、フィルムカメラが流行るのは、
スマホカメラの進歩によって高解像度の写真が手軽に撮れ、アプリでキレイな編集も簡単にでき、SNSへの投稿も簡易になったことに起因するのかもしれない。
人は時にめんどくさい方に趣を見出し、過去を懐かしむ習性があるのだろう。
俺はCanonのEos-8000Dというカメラを使っている。ランクで言うと中位の代物だ。
センサーのサイズがフルサイズと言われるカメラより小さいから、Hi-Fi的な写真にしては物足りない。でも立派なデジタルカメラだからLo-Fi写真ほど味のあるものじゃない。
この写真もシャープでキレイな写真に仕立て上げたかったが、よく見ると、どこか背伸びしている感じがする。
俺は理想が高いから、技術も素質もないのにいつも背伸びしているような人だ。
だから案外、Hi-FiにもLo-Fiにも合わない、どっちつかずな今のカメラが似合ってるのかもしれない。
2021/9/22
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