妻が乳がんと宣告された夜のこと

検査結果を聞きに行く日。
私は仕事でした。
妻が一人で病院へ行くことになります。
「来れる?」というようなことは言われましたが、
ここ最近仕事が立て込んでおり、平日は休めませんでした。

検査結果は事前にメールで知らせたほうが良いかと聞かれ、
そのほうが助かると答えました。
心構えができるから良いかと思ったからです。

でもまぁ大丈夫だろうと思いながら仕事をしていました。
が、届いたメールは違いました。

「残念な結果だったので、夜に話すね。」

ほんとに?

がん?

マジか……。

そんなはずはないと思っていました。
でも現実は違ったようです。

本当にがんだったら何をすればよいか、どうしたらよいか。
気持ちの対策もしていませんでした。
まさかね。

とりあえず「わかった、なるべく早く帰るね。」
とだけ返信しました。

それから”家族 がん 対応”とか”がん 声かけ”とか
色んなワードでググって自分の気持ちを落ち着かせました。
なんせ今まで体験したことのない状況。
困りました。

「大丈夫!なんとかなるよ!」
「気にすることないよ!」
そんなレベルじゃないよなあ。
風邪薬を飲んでお終いって訳にはいかないから、
がんと付き合っていかなきゃならない。
向きあう。
付き合う。
共に生きる。
そんな方向性かなと何となく自分を納得させました。

帰宅後、検査結果を詳しく聞きましたが、
ステージ1~2とのこと。
転移の可能性もゼロではない。
部分切除?全摘出?
色んなワードが出てきました。
とてもじゃないけど、
今全てを理解して対応するのは自分には無理でした。

でもきっと妻も同じなんだと思います。
ショックです。
それは変わりません。

「がんを抱えて生きていくしかないねー。」
そんな言葉をかけた気がします。
思い返してみても、頭が整理しきれていなかったなと思います。

これからがんと共に生きる人生のスタートです。

次は転移してしているかをMRI検査したときのことを書きます。