元日本赤軍メンバー、安倍元首相の銃撃事件を映画化:それもまた「表現の自由」
いつものように「ゆっくりしていってね!」から書き始めよう――と思ったが、今回扱う話題は安倍元首相の銃撃事件に関連するものだ。さすがにゆっくり文体は相応しくないだろう。(私は普段、ゲーム実況動画などで皆さんにお馴染みの「ゆっくり」を模した文体を使っている)
まずは、凶弾に倒れた安倍元首相のご冥福をお祈り申し上げる。彼の遺族、支持者の心痛は察するにあまりあり、同情を禁じ得ない。
私が安倍元首相に対して抱く個人的な評価はさておき、彼は民主主義のプロセスによって選出された代表者であり、「殺害する」という方法によってその言論が封じられて良いはずがない。
この銃撃事件は、奈良県で起きた。容疑者は山上徹也氏である。もちろん、あくまでも「容疑」であるため、まだ彼だと決まった訳ではない。
しかしながら、銃撃事件の際には複数の私服警察官も配置されており、演説中とあって目撃者も多数いる中での現行犯逮捕だった。背景事情に何があったにせよ、彼が実行犯であることはおそらく変わらないだろう。
銃撃事件の「映画化」
この銃撃事件を、元日本赤軍メンバーの足立正生氏が監督となって映画化するという報道があった。
Twitterでも述べたが、こうした映画を制作・上映することは完全に「表現の自由」に含まれる。
ネット上では制作の中止を求める声や、「これは表現の自由に含まれない」とする意見もあるが、私がそれらに賛同することはないし、明確に反対する。
また、映画制作への妨害、上映中止にも断固として反対する。それは不当な言論弾圧である。
ツイート一つしただけでは、「一応、建前でそう言っただけ」と後々難癖もつけらそうなので、noteにストックして立場を明確にしておく。
「表現の自由」に含まれないとする論への反論
1.2万フォロワーを抱える漫画家・さちりみほ氏は、本件について以下の意見を表明した。
「国家への叛逆は表現の自由では無い」「タイを見習って上映禁止すべき」とは、これこそずいぶん"過激な"意見である。
なお、「タイを見習って……」というのは、タイには王室に対する不敬罪が定められており、王室関連の映画はしばしば上映禁止命令を受けるからだ。
しかし、氏の意見は間違っている。なぜか?
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