見出し画像

ブチギレ代行者たち:VTuber配信の三店方式?

ゆっくりしていってね!

私はしばしばVtuber界隈を観測しているのだけども、先々月くらいに「Vtuberがスパチャ(YouTube配信にある投げ銭機能のこと)の三店方式で炎上!」という見出しをネットで見かけたのだわ。

「スパチャで三店方式ィ? 3つの店舗はどこよ?」と思いつつ内容を読んでみたら、だいたいの経緯はこんな感じみたい。

  1. フロムソフトウェアというゲーム会社は、自社が著作権を有するゲームの動画配信を原則許可しているが、スーパーチャット等の「視聴者から直接金銭の授受を行う機能を利用した収益化」はOFFにするよう利用規約を設けていた。(参照:動画・画像の配信に関するガイドライン, フロムソフトウェア

  2. あるVtuberは、当該規約を遵守し、スーパーチャット機能をOFFにしたうえでフロムソフトウェアのゲームの実況配信を行なった。

  3. その配信のあと、フロムソフトウェアの著作物を用いない「雑談配信」を行ない、そこではスーパーチャット機能をONにしていた。

  4. この行為が、「利用規約違反逃れの脱法行為、三店方式だ!」と非難を浴びて炎上した。

  5. Vtuberは事後にフロムソフトウェアに確認し、「弊社が設けた規約への違反行為にはあたらない」との旨の回答を受けたと説明したが、念のため一部視聴者に不快な思いをさせた点を謝罪した。


……なんかもう色々と、炎上させてる側の理屈が破綻しまくってるわね? ツッコミどころ満載というか。

三店方式とは何か? 陰謀論にご注意

まず、世間一般でいう「三店方式」から一応説明させて頂きましょう。

三店方式ってのは、ぱちんこ屋等で獲得した玉を景品と交換して、その景品をぱちんこ屋さんとは全く異なる事業者(古物商)に売ることで、結果的にあたかも「ぱちんこでお金でゲットした」と思いこむ人が現れる仕組みのことよ。

でも、そもそも三店方式って言葉が俗語っちゅうか、世間のみなさんが想像で勝手に言ってるだけで、警察庁の見解でも政府答弁でも「三店方式など日本に存在しない」旨の回答をされちゃってるのよね。

つまり、まるでぱちんこ屋さんと古物商が裏で結託し、賭博罪の適用を回避しているかのような物言いをすると、エックスなら"公的資料"の出典付きでコミュニティノートが書かれ、「三店方式のような『陰謀論』に流されないよう注意する必要があります。」と指摘されちゃうわ。

ちゃんとした公式資料が大事! それがコミュニティノートの趣旨だものね!

余談だけど、ロシアの反政府活動家のナワリヌイさんが獄中で亡くなったわね。これもロシア刑務所当局の公式発表では「突然の体調不良で意識を失い、蘇生措置を講じたもののそのまま亡くなった」とのことで、これも陰謀論に流されないように注意する必要があるわ。

ーーというのは、半分冗談で半分本当の話なのだけども、この三店方式とVtuberさんの今回の行為は、別に似てもいないわね。脱法的でもないし。

権利関係の不理解

フロムソフトウェアさんが著作権を有する表現物を用いず、またいわゆる「別枠」として明確な区切りを設けている以上、その配信についてフロムソフトウェアさんから何か制限をつける正当な事由も無いでしょう。

ここから先は

2,277字 / 2画像

¥ 300

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?