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秋田でワーケーションしてもらうなら

今秋田でトレンドにのるなら!そう、ワーケーションがあついです。というわけで、この大事なチャンスをおかしけな雲行きにさせたくなくて、素人の私があれやこれやと伝えたいことをまとめてみました。


◉NHK NEWS WEB(2020/11/10掲載)ワーケーションで秋田に人を

◉日本経済新聞(2020/11/6掲載)秋田にワーケーション推進協会


秋田ワーケーション推進協会が設立

現在報道されている情報によると、秋田ケーブルテレビさんが会長となって推進協会が設立されたそうです。記事を書いている現在11/14時点では協会自体のホームページなどを見つけることはできませんでしたが、PDFを拾うことができました。(秋田市商工会議所10/28お知らせより)

本協会は、会員が連携して大都市から秋田へのエリアシフトを促進し、秋田県の経済振興に寄与することを目的とする任意団体です。
観光、文化、自然、産業など「秋田ならではの良さ」を生かして、楽しく働き、生きるためのエリア(ロケーション、ファシリティ)とソフト(ホスピタリティ)を提供し、県外から人・仕事・企業を誘引する活動を行います。(記事内より)


先日もっと詳しく記載されたリリースをどこかで見かけたのですが行方不明…どこで見たのか…

リンク先のPDFに記載があるように秋田のワーケーションでは「楽しく働き、生きる」ことが理念になるようです。そしてそのためにエリア、ソフトの面から開発を行い盛り上げていくとのことでした。


Work+Vacation=WORKATION

まずはワーケーションの構造を整理します。仕事と休暇をいっぺんにやっちゃうという、アフターコロナ時代の新しい働き方/休み方のようですが、実際は2010年頃からある造語のようです。

場所を選ばずに働くことのできる人が、あえて休暇を過ごしたい環境を選んで働きつつ余暇を過ごすというこの構造において、いかに魅力を感じてもらいその場所として選んでもらうかをデザインするかが戦略として重要そうです。

楽天トラベルさんのページを見てみると、素敵な宿がたくさん載っています。このページに載っているそれぞれの滞在先情報を見ていると、いろいろなシチュエーションを楽しむ妄想がとてもはかどります、楽しいです。


有名どころの既存のリゾート地、温泉地の民間事業者は早くも事業のねらいを定め、運営ノウハウを蓄積し始め、恐らく体系化された社員教育システムにより何歩も先をいっていることでしょう。そんな現状の中で、ワーケーション先を探す人々に秋田を選んでもらって「楽しく働き、生きる」を満喫してもらうにはどんなことが必要なのでしょうか。考えてみましょう。


心配事は…「理念、伝わる?」

まず「楽しく働き、生きる」といっても、正直楽しいと感じることなんて人それぞれだし、とてもあいまいで全然イメージがつきません。どんな人にオススメしたいかという対象層の想定などは始まったばかりの今、まだ見えてこない段階なのだと思います。行政や公共性の高い機関の総力をあげて取り組むのはいいのですが、実際に実施する事業所それぞれが自社の強みをしっかりデザインすることができるのかがとても重要であり、心配です。
一体何がそんなに心配かって?これはサービス業、あるいはその他のBtoC形態では珍しくないと思うのですが提供したものを提供元の意図通りに受け取ってもらえるかどうかは不確実だということです。
秋田ワーケーションでは、文化・芸術、観光、食、宿泊、農業体験などの事業推進をねらいとしています。これらは体験する消費者によって如何様にも価値づけをされるものです。必ずしも狙い通りには体験してもらえないことをしっかり念頭においたデザインが必要だと思います。


そして、だからこそどんな理念をもって事業を行うかが重要で、これは特に強く伝えようとしなければ伝わらず、リピートしてもらうこと、さらに関係人口増加も理念とその伝え方次第だと考えます。



エリアとソフトの開発をつなぐ理念

次に実際の開発についてを想定してみます。まずエリアの開発ですが、ロケーションやファシリティ面になります。ロケーションはどこにつくるか、ファシリティはどんな場をつくるかと言い換えられますね。そのためにはまず、開発対象となる既存の拠点の価値をどのように”再認識”するかが重要になります。エリア開発はつまり、伝えたい理念をどのように具現化したものなのかということに直結します。やはり理念ありきなのです。ワーケーションという言葉において、バケーションとして選ばれるロケーションはどんなものかを深く深くとらえることが必要となりそうです。
そしてホスピタリティですが、どんな心構えをもってお客様を迎え入れるかということになります。ここで考えたいのは、そもそも地元で日常を過ごす人たちはどんな風にバケーションを過ごしているのかをよく研究する必要があるということです。これをしっかり把握しないと地元民はワーケーション民に理解を示す気も起きないのではないでしょうか。


ワーケーション民という層

というのも、ワーケーションを楽しむ層はどんな人たちかということに由来する懸念があるからです。ワーケーション民はつまり、多くの自由を手にしている層に見えてしまうのではないかと思います。言い換えると、ワーケーションを選択できる裁量権をもった働き方をしている層ということになります。実業家、経営者、執筆業など地元ではあまり関わることが少なそうな稼業の人が素敵な体験をして優雅にすごし、「いやあ家族サービスができました」とか「なかなか仕事をほうっておけなくて」などと宣われた日にはいささかの苛立ちを感じてしまう人も正直いるのではないでしょうか。
秋田は都市部と比べて賃金水準も低く、場に拘束される業態の人が数多くいます。裁量権の少ない働き方をしている人がほとんどの秋田において、優雅にノートパソコンを開きながら寝ころぶ富裕層を目にした地元の人々に、果たしてどのようなホスピタリティを求められるのでしょうか。クワにアームカバーのばあちゃんと、都会から来た小奇麗なワーケーション民の交わる場所とは一体どんな場なのでしょうか。


せば、何とする?…ご提案

ここまでを読んでいただき、今後ワーケーション促進に事業として取り組む皆様には少し嫌なことを言ってしまったかもしれません。ですが、地元民の感情抜きにワーケーションの成功はありえないと思うのです。秋田で過ごすのは最高だ!と誰もが思える環境作りをぜひしていきませんか?

そのためにもぜひ丁寧な事業デザインをお願いします。というわけでご提案なのですが、ぜひデザインのための発想の出所を自社内・地元内にとどめずに、これまであまり自社、地元になじみのなかった層にも働きかけをおこなって話をきいてみてもらいたいのです。そのためには、わざわざ県外から名のある人を招待したりせずとも、いいアイデアがありますよ~。
常々思うのですが、県北と県南には物理的な距離以上の心の距離感があるように思いませんか??広い秋田県なのでしかたないこととは思いますが、この広さゆえの心の距離に目をつけてもらう作戦をご提案したく思います。というのも、県内で対角線にいるような距離感の県民と手を組み、「おらほの魅力見つけてみませんか?」と地元に招いて味わい尽くしてもらうことで、自分たちでは気づかなかった当たり前にある良さを教えてもらえると思うのです。他エリアの方々からの意見は、外と中のつなぎ効果が大きいのではないかと思いますよ~!

また、在京経験のある県民や他県から移住してくれた方、結婚を機に秋田に住むようになった方、他県出身の学生など、どんどん外を知っている目を持つ方の意見をきいてほしいなと思います。

それに加えて、ぜひ地元のこれを知ってほしい、体験してもらいたいと思える地元からの”推し”も価値づけも地域で深めていってもらいたいと思います。できれば、地元にいる人も一緒に楽しめるような事業が盛り込まれているといいですよね。お祭りや行事もそうですが、農業体験や季節ならではの過ごし方は地域にすんだいる人も一緒に楽しめて、日常が楽しくなると思います。



今回のワーケーションは閉鎖的と言われる秋田を変えていく機会であるように思いますが、リスクもたくさん潜んでいると思います。下手すると若者がますます都会志向になってしまう可能性だってあると思うのです。観光名所や名湯はたくさんありますが、連泊してもらう形態でのおもてなし水準を高めるにはこれまで目を向けてこなかった着眼点が必ず必要です。日常にある最高のロケーション探しを加速させて、素敵ワーケーション県にしていきましょう!


少しでも参考にしていただければ嬉しいです。





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