何事もノーペイン・ノーゲイン!
今回は「何事もノーペイン・ノーゲイン」という話。
ラクなほうに流れかけている自分自身に言い聞かせるつもりで書く。
▼ラクをしたら夢はかなわない
わたしは2019年末まで出版社につとめて編集者をしていた。
当時はプロの小説家だけでなく、小説家のタマゴの方々ともやり取りがあった。
「1日1時間、毎日執筆時間を確保して書いてください」
このように多くのタマゴたちに伝えていた。
平日日中は仕事をしている社会人ならなおのこと、毎日小説を書く習慣をしっかりつくらなければ、
「今日は忙しいから、明日やればいいや」
を繰り返してすぐに書かなくなってしまうし、そんな日がちょっと続くだけで書く力も下がってしまうからだ。
「1日1時間を」と伝えると、最初のうちはほとんどの人が続けられる。
だけれど、数日~2週間くらいたつと、
「1日30分でいいですか?」
「2日に1回にしたいのですが……」
などと申し出てくる人がいた。
しかも決して少なくない人数。
キツイ書き方になってしまうけれど、はっきり言って、ただただ苦しいからラクをしようとしているのだ。
正直なところ、このように言ってきた人で自分の作品を出版するという夢をかなえられた人はいない。もしかしたらその後、出版できた人もいるかもしれないけど。
もちろん、忙しい毎日の中で1日1時間も時間を捻出するなんてキツイし大変なのは分かる。
けれど、すでに活躍しているプロの小説家がもっと書いているのに、そこを目指す人が書く時間を減らしてしまったら、ますます差がつかないだろうか。
▼No Pain No Gain
筋トレ用語に「No Pain No Gain(ノーペイン・ノーゲイン」というのがある。
直訳すると、「痛みがなければ何も得られない」となる。
たとえば腕の筋肉をつけたいなら、腕立て伏せをしないとならない。
しかも、筋肉痛になるくらいの数をこなさなければ、筋肉はつかない。
早く、大きな筋肉をつけたいなら、その分たくさんの腕立てをする必要がある。
当然その分、筋肉痛もひどくなる。
ようするに、キツければキツいほど、効果があるのだ。
「週に1回だけ」みたいにラクすぎて筋肉痛にならないような回数では、意味がない。
わざわざ苦しいことをやりたくなんてないし、ラクなほうがいいのは百も承知だけれど、それでは望むような結果はついてこないということ。
▼でも続かないと意味がない
筋トレと同じで、小説もやっぱり本当は毎日たくさん書いたほうがうまくなるのだ。
とくに最初のうちは、執筆時間が苦痛だからといって1日の時間を短くするのではなく、むしろ増やして、早くその時期を終わらせるのが正解なのではないだろうか。
もちろん、最初からハードルを高くして続かなくなってしまっては元も子もない。
それもまったく無意味だ。
だから、いきなりハードルを高くする必要はない。上げるにしても、徐々にハードルを上げたほうがいい。
でも、本気の本気で何かを目指しているなら、ラクをしようとしている限り、なかなか思うような結果にはたどり着けない。
と、どうやったらラクに効率よくできるかを考え始めている自分に言い聞かせる意味でこんな記事を書いた。
何事もノーペイン、ノーゲインなのだ。
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