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『サッカーおくのほそ道』のオンライン読書会やります!〜#ハフコミ 隔週報 vol.04

 先月8日にオンラインで行った、ハフコミによる『股旅フットボール』読書会。

 思いのほか、多くの方にご参加いただき好評だったので、その第2弾を来週月曜の夜に開催することになった。本題に入る前に、あらためて「ハフコミとは何か?」について、おさらいしておこう。

・ハフコミとは「ハーフウェイオンラインコミュニティ」の略称である。
・ハーフウェイとは、日本サッカーのピラミッドの「中腹」を意味し、ここではJFL、地域リーグ、都府県リーグ及び北海道ブロックリーグのカテゴリーを指す。
・ハフコミは地域やカテゴリーの垣根を超えて、オンラインで人をつなげながらハーフウェイカテゴリーを盛り上げることを目指す。
・ハフコミはハーフウェイクラブの当事者(フロント、パートナー、選手、ボランティア、サポーター)の幅広い参加を求める。

 Jリーグに所属していない、全国の第1種のクラブについて「アンダーカテゴリー」ではなく「ハーフウェイカテゴリー」と定義したところから、このコミュニティはスタートしている(要するに「下」ではない、ということだ)。

 とはいえ、定着するにはまだまだ時間がかかるだろう。そこで、こうした読書会のようなイベントを、地道に継続していくことにしたい。今回ピックアップするのは、2016年のサッカー本大賞を受賞した『サッカーおくのほそ道 Jリーグを目指すクラブ 目指さないクラブ』(カンゼン)である。

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【目次】
第1章 Jリーグを目指さなかった理由
Honda FC―2008年・春
第2章 幻の「石川FC構想」
ツエーゲン金沢&フェルヴォローザ石川・白山FC―2008年・春
第3章 SAGAWAに「野心」はあるのか?
SAGAWA SHIGA FC―2008年・春
第4章 いつか「普通のクラブ」になるまで
福島ユナイテッドFC―2011年・春/12年・冬
第5章 「半袖隊長」の矜持
AC長野パルセイロ―2011年・秋
第6章 なぜ今「J3」なのか?
公益社団法人 日本プロサッカーリーグ―2013年・春
第7章 「今そこにあるサッカーを愛せ! 」
ホンダロックSC―2013年・春
第8章 奈良劇場総支配人、大いに語る
奈良クラブ―2013年・夏
第9章 アマチュアにとっての「約束の地」
三菱重工長崎―2014年・秋
第10章 ゴン中山「現役復帰」の舞台裏
アスルクラロ沼津―2015年・秋
第11章 「ミスターレノファ」と呼ばれた男
レノファ山口FC―2015年・秋
第12章 街クラブが「世界を目指す」理由
ブリオベッカ浦安―2016年・春
第13章 誰が「坂本龍馬」だったのか?
高知ユナイテッドSC―2016年・春
第14章 激突! 南部対津軽
ヴァンラーレ八戸&ラインメール青森―2016年・夏
第15章 近所にフットボールクラブがある幸せ
東京23FC&東京武蔵野シティFC―2016年・秋


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 本書が生まれた背景について、簡単に振り返ってみたい。「Jリーグを目指すクラブ 目指さないクラブ」というサブタイトルが示すとおり、その後Jリーグに到達したクラブだけではなく、あえてJを目指さない道を選択した企業クラブも積極的に取り上げている。第1章を飾るのは、Honda FC。このクラブが、鹿島アントラーズの強さの礎となったストーリーは、意外と知られていない。

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 そのHonda FCと並んでJFLの「門番」として君臨してきた、SAGAWA SHIGA FC。東京と大阪、ふたつの佐川急便のサッカー部はなぜ合併し、滋賀を本拠としたのか。その後の廃部に至るまでの経緯も含めて、日本サッカー界の知られざる断面についても、今回の読書会では考察したい。

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 本書に登場するのは、アマチュアの強豪クラブばかりではない。一度は九州リーグに降格し、JFLに復帰後も下位でくすぶり続けていたホンダロックSC。その名物サポーターであり、「今そこにあるサッカーを愛せ!」のスローガンで知られる、ロック総統を初めて大々的にフィーチャーのも本書である。

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 2014年の全社で4位となり、地域決勝の出場まであと一歩届かなかった、三菱重工サッカー部。連続5試合という過酷な大会で、すべて先発出場していた40代のふたりのフットボーラーにフォーカスを当てている。V・ファーレン長崎との知られざる逸話にも、ご注目いただきたい。

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 本書の最後は「東京からJリーグを目指す」2つのクラブ、東京23FCと東京武蔵野フットボールクラブにフォーカスしている。近年、関東リーグから東京都リーグに至るまで、23区内からJを目指すクラブの存在が話題になっている。そのムーブメントを、いち早く取り上げているのも本書だ。

 これほどマニアックな書籍が成立したのは、掲載の場を与えていただいた『フットボール批評』に負うところが大きかった。そして当時の編集長、森哲也さんが本書の編集を担当したのも、非常に心強かった。その森さんには、今回の読書会にゲストとしてご参加いただくことが決定。ご興味のある方は、下記の要項をご覧の上、ぜひとも参加表明していただきたい。

#ハフコミ オンライン公開セミナー『サッカーおくのほそ道』から考える「Jを目指さないという道」

出演:
宇都宮徹壱(写真家・ノンフィクションライター。ハフコミオーナー)
盛哲也(株式会社エクスナレッジ。『サッカーおくのほそ道』編集者)
日時:
2021年4月5日(月)20:00〜21:00(二次会あり)
会費:無料
※参加ご希望の方は4月5日(月)12:00までに、下記アドレスに「おくのほそ道読書会」との標記でメールをお送りください。当日の正午までにZoomのURLをお送りします。
halfwayoc@gmail.com

 最後に、この機会に本書を入手したい方は、こちらのオンラインショップがお勧め。著者の直筆サイン入りで、お手元にお届けする。

※現在取材中につき、発送は週明けとなります。

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