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ひよっこ漫画描きが1本漫画作るまでの話 その5

おひさしぶりのひよっこ漫画描きシリーズです。

お待たせしました #待ってない


その1は話を作るための「プロット」そしてそれを漫画に変換する「ネーム」づくりまで。

その2はネームの内容を練り直し、よりよい話になるようにしていくところまで。

その3はネームにペンでキャラクターや描き文字、フキダシの「ペン入れ」をしていくところまで。

その4は背景をパースとか使って描いていくところまで。

今回がその5です。

制作はもう終了しましたので、今回は最終仕上げ工程に触れて次回、完成原稿UPしようと思います。

グリッド

これは「グリッド」というものを使って文字の高さを何となくそろえる作業です。まぁここまでしないで目分量でやることが多いのですが、最終コマみたいに文字と文字の間隔が広めなときはグリッドに合わせて文字を配置しています。
高さが揃ってるかどうかって結構印象変わるんですよね。
あえてずらすハイセンスなやり方もあるけれど、逆効果も起こりうるので注意。


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単なるペン入れの段階での4コマ目。
在庫棚を書いているのですが、なんか色々酷いです(笑)

そんなわけで

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斜めからのアングルに変更。

コッチの方が「箱が積まれてる」感じがする気がします。しますよね?
でも微妙にずれた箱を書く手間、予想以上に半端なかったです~~~

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ペン入れの段階で最終コマは「ネットで拾った絵を移した靴の絵」をなんとなく配置していたわけですが…
靴コーナーってこういうふうに1足だけぽつんと、しかもこんな妙な角度付けて棚に置いたりしないよね…と、違和感。

そんなわけでまたパース定規に挑戦しました。
棚をざっくり描いて、靴の形はパースではさすがに描けないので一度ただの箱を描いてみる。

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下書きの線を隠して、表示を背景と色だけに変更。
靴の形を書き込むために靴を箱で表現したレイヤーを薄くします。

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箱の角度や向きに合わせて、靴の形をざっくりととっていきます。

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他の線を表示して絵に被ってるところを確認しながら靴にペン入れ。

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キャラやセリフに被ってる線を消し、キャラの輪郭も際立たせます。

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そして最終的に背景にもトーンとか貼って完成ですが、最終的に完成したものは次回まとめてUPします☆

(急に☆を使ってみる)

さてさて、作業時間の累計です。これが最終ですね。

累計作業時間
プロット~ネーム 3時間
ネーム練り直し 45分
キャラ等ペン入れ7ページ 2時間15分
キャラ等ペン入れ1ページ 30分
背景・仕上げ 2.5ページ 3時間45分

(NEW)背景・仕上げ 5.5ページ 9時間30分

累計 19時間45分

作業そのものには、これだけ時間かかりました。

北海道の最低賃金は861円

…安いよね北海道…その分家賃とかも安いらしいけど、これからの季節燃料代とかかなり馬鹿にならないんですよおおう。

で、19時間45分ですけど、まぁ15分はおまけして20時間働いたことにしましょうか。

861*20=17220 今回の原稿料を、私が最低賃金で働くアルバイト君だったとしたら大体1万7千円。

8P漫画なので8で割ると 17220/8=2152.5

1P当たりの原稿料は2100円。


でっ、これは本当に純粋な作業時間からの計算です。
あくまでもPCに向かい、クリスタをちくちくいじっていた時間。

でも今回この漫画を描きましょうとなったとき、今回であれば、実際に買った靴でよりよく見える画像や、背景の参考画像をネット上から探したり、パース定規使ったことなかったのでそれの為に色々調べて試して勉強する時間というのがあるんですよね。

実はそういう時間っていうのが、見えないところで結構あって。

あれですよ。
主婦で言う「見えない家事」みたいなもんですよ。

掃除・洗濯・炊事みたいなわかりやすい家事だけ並べると
「それぐらいなら大して主婦業大変じゃないでしょ」って言われたりしがちだけど「献立を立てる」「材料を買い出しに行く」「家計を管理する」みたい作業がその裏側にある。
で、料理するのに30分しかかかってなかったとしても裏側では倍以上の時間や労力がかかっていたりするんですよね。

これはどんな生産の現場でもきっとそうで、飲食だったら材料費+手間+人件費だけではなくて、仕入れにかかる手間やこだわり、食器を洗って綺麗にしておくことなんかも含まれての商品価格。

建築現場だったら人件費+時間+材料費だけじゃなくて、運搬だったり設計だったり建築物を作るための足場づくりなど…。

まさに建築の足場と同じで、完成に至るまでに必要なんだけど出来上がってしまった製品・作品からは見えないものっていっぱいあるんですよね。

なので、最低賃金がこれでこのぐらい時間かかってるなら、漫画家さんの原稿料は大体1枚2000円程度でいいよね?って話ではなくて。その作業をするための足場の存在も考えてあると素敵だなと思ったりしました。

私の今回の制作に必要な足場で一番大変だったのは「パース定規を使った背景描き」だったわけですが、youtubeとか色々見ましたし、何回やっても上手くいかなくてムキーってなりながら試行錯誤してようやくたどり着いた今回の背景です。それでもまだまだへっぽこですが。

で、パース定規使いこなせる人ならその分早いんだからいいじゃんってなるかと思いきや、そこは経験や技能という基礎や土台があってこそなんですよね。それも、あって当然のものではないんです。熟練した職人さんに仕事を頼むほうが新人さんに頼むより高くなるのと同じですよね。

だからいくらぐらいが相場ですッ!っていう事を私自身が上乗せして勝手にここに書くのも何なのでこちらの記事を貼っておきます。

結構雑誌によって金額違うんだナァ。週刊連載の月収凄い。。。

でも一週間で19Pなんて描けない、ワシ。。。


あとね、散々書いたけど「読まれない漫画」を描いてもいくら時間かかってても無価値なわけで。妊娠体験記漫画も先日ノリでアップしてみたけど、アメブロでは全然反応なかったのにTwitterではそれなりに反応あったりね。

描くだけではなく価値の出し方も考える、そこら辺との兼ね合いもとっても難しいと思いますです(´;ω;`)

…そんなわけでへっぽこエッセイ8P漫画、完成しました!
二日後あたりにでも完成版アップします!

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