電験一種一次試験(全体、理論)二種との違いと傾向について

0.試験全体の概要

★問題の構成
 二種 A問題×4問 各20点  B問題×3問 各10点  計90点
 一種 A問題×4問 各10点       B問題×2問 各20点  計80点

 上記の通り、大問数が一問減ります。
 また、二種の時とA問題とB問題の配点が逆になっています。

 B問題の小問数は5問〜10問と様々ですが、5問で出題の場合は小問1問4点となるため、かなり得点に影響が出ます。
 特に理論のB問題は、ほぼ必ず小問5問なので、注意が必要です。
 なお、A問題は基本は全科目小問5問各2点です。
 また、二種と同様、理論と機械のB問題は選択問題があります。

それでは、各科目を見ていきましょう。

1.一次理論

⓪全体概要

 大問数が6問に減ったのに伴い、二種の時から電気計測単独の問題がなくなりました。ただし、交流回路の分野で計測した電力量の数値を計算することはあります。なお、平成21年より前では、電気計測単独の問題も出ておりますので、模試用として過去問を取っておく場合は、ご注意ください。
出題項目を整理すると以下となります。
 ①静電気学
 ②電磁気学
 ③直流回路
 ④交流回路
 ⑤過渡現象
 ⑥電子理論or半導体
 ⑦電子回路

電子回路は選択問題でしか出題されませんので、私は捨てていました。
以下、〇は必答B問題、●は選択B問題です。

以下、①~⑥について個別の項目について書いていきます。

①静電気学②電磁気学

ベクトル解析が導入されます。ただ、公式覚えておけば、意味は分からなくても解けることもあるので、あまり深入りしなくても良い印象です。

静電気学に関しては、影像法の出題頻度が上がります(二種でもH26年に出題されてましたね)

残りの問題は、二種の知識で多分解けると思います。

★参照過去問
①静電気学
 ・ベクトル解析:H23、H25、H27
 ・影 像 法 :H21、H24、R4
②電磁気学
 ・ベクトル解析:H22、H26、H28、R2、R4、R5

③直流回路

行列が導入されます。H29年の問題は難しいですが、その他の行列の問題はやり方を知っていれば直ぐに解けるようになると思います。
あと、一年だけですが、補償定理という定理も出てきました。

★参照過去問
・行  列:H26 、H29 、H30
・補償定理:H23

④交流回路

 二種の時は単相回路がメインでしたが、一種は三相不平衡の問題ばかり出題されます。
 主には負荷が不平衡な場合ですが、電源が不平衡で対称座標法を用いる問題も出ていました(H30)
 パターンは限られてますが、計算が煩雑なことが多いです。ただし令和2年以降、数値計算が少なくなって簡単になってる気がしてます。
 必答のB問題で出ることが多く、B問題で出たら時間を掛けてもしっかり得点したいと思ってました。

★参照過去問
 全て三相不平衡の問題

⑤過渡現象

 ラプラス変換と進行波が導入されます。
ラプラス変換は、二種二次の自動制御で出てきますので、あまり苦戦はしないと思います。
 進行波もあまり覚えることはないので、慣れれば解けるようにまります。ただ、進行波は二次電力管理でも出題されていましたが、一次理論でも二次電力管理でも最近は出題されなくなったので、傾向が変わっているかもしれません。(もちろんやった方が良いです)

★参照過去問
 ラプラス変換:H21、H23、H29、R5
 進 行 波 :H22、H24、H27、H28

⑥電子理論or半導体

(電子理論は電界下で電子がどのように動くのかとかの問題、半導体はPN結合とかの問題を指しているつもりです。)
 どちらかが出ます。
 この項目に限ったことではないかもしれませんが、文章をよく読んで、誘導に沿えば点は取れるはず。
 令和2年度以降、選択B問題で連続されて出ていますので、⑦電子回路を選択しない人は、特に力を入れた方が良いかと思います。
 なお、直近14年では、電子理論が6問、半導体が8問出ています。

⑦電子回路は捨てたので省略



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