電験一種一次試験(電力・機械・法規)二種との違いと傾向について

2.一次電力

⓪概要

知識問題は二種よりマニアックな問題が多い印象です。過去問とほぼ同じ問題が出ることが結構あります。

二種同様計算問題はほぼ出てませんが、2023年度は水力発電の比速度と電線のたるみの問題で、2問計算を伴う問題が出題されたので、今後傾向が変わっていくかもしれません。

①発電分野

基本は水力発電と火力発電が1題ずつ出ます。
近年は水力と火力が1問ずつ出ていましたが、
昨年度は火力に代わり、東日本大震災以来初めて原子力発電が単独で出題されました。
個人的には、一種一次の知識問題の中で、一番過去問と類題が出る可能性が高い分野だと思っております。
例えば、下記の写真が1枚目が令和2年度、2枚目が平成14年度の問題ですが、穴埋めの箇所はほとんど同じです。

R2年度
H14年度

また、火力発電については、世界的な環境意識の向上のため、火力は最近は純粋な石炭の汽力発電ではなく、環境面を意識した出題になっていると思われます。
 2023年度に原子力が単独で出題されたのも、その流れの一つだと思います。
 以下、例として令和元年度以降の火力発電の内容

②変電、送配電

送配電、変電分野の傾向や2種との明確な違いは分かりませんでしたので割愛

3.一次機械

⓪概要

二種と比べて計算問題がやや多くなった印象です。直流機、自動制御は二種以上に出ません。また、情報・メカトロニクスの分野は選択B問題での出題がほとんどですが、令和元年のみの必答B問題で出ています。
同期機、照明、パワエレが毎年出ているので、しっかり勉強する必要があるかと思います。

以下、直近15年の出題表

〇がA問題●が必答B問題▲が選択B問題

機械出題︎

①変圧器

 違いは良くわかりませんでした。

②誘導機

 二種の時は二重かご型誘導機や深溝形誘導機が頻出してましたが、それらの出題頻度はぐっと下がります。
 その分幅広く出題されている気がします。ただ何が頻出になったかと言われたら、分かりません……

③同期機

 二種まではほとんど円筒形の問題でしたが、突極機の問題が頻出となります。なお、二種ではリアクタンス絡みの問題が一度だけ(H22)出題されています。下記になりますが、二種の時は捨てていた人も多いのではないかと思います。

この類題が、一種ではしばしば出ております。また、リアクタンスの取り扱いだけでなく、時定数の問題も出ています。
出てくる文字式が多いですが、知識勝負なので覚えれば得点源です。(2023年度も出題されましたので、2024年は出題されないかもしれませんが)

折角なので私がまとめてたノートを添付します。

④パワエレ

二種の時は単相回路がほとんどでしたが、一種はほぼ三相回路で出ます。(三相インバータ等)。

難しい単元で、捨てる人も多いみたいですが、毎年間違いなく出題されますし、過去問と同じような問題も出たりするので、勉強すればそれなりに点は取れるようになるはずです。

H18年より前は単相も結構出てたので、あまりやる必要がないかもしれないです。私は機械の中でパワエレだけは29年分解かずに直近15年だけ解きました。また、同様の理由で二種の復習もしませんでした。


⑤照明

二種より計算問題の割合が増える印象です。難易度自体は、二種と大きくは変わらない気がしてます(15年以上前の難しい計算問題もあるりました)

毎年出るので要勉強。


⑥⑦電気化学、電熱

知識問題が多く、二種の時より幅広い知識が求められてると思います。知識は無限に付けれないので、対策方法が一番分からなかった単元でした。


その他

自動制御は近年出ていません。

情報は捨てたのでノーコメント。


4.一次法規

特高絡みの問題や、電力会社視点での多くなります。

例えば、施設管理は年間の発電量とか広範囲の連携とか電力会社に関わることが多いです。
とはいえ、あまり二種との違いも感じませんでした。



主に一種一次試験について、二種との比較をメインに記事にしましたが、電力と法規はあまり違いを感じませんでした。逆に言うと、二種の一次試験をしっかり勉強した人なら、少し勉強すれば合格できると思います。
私は二種の時しっかり勉強してなかったので、それなりに時間がかかりましたが……

折角なので、二次試験についても同じような記事を書くと思います。
また、二次は私が勉強していて詰まった箇所についても、プラスで書いていこうと思います。

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