見出し画像

せんていトランスができるまで(あとがき)

フリコンの結果も出たのでこれについて書きます。

これが出来上がった経緯について。

大体の経緯はこちら。

なお、せんていトランスの根幹のネタバレが普通にある記事なのでそこだけ注意です。

対戦よろしくお願いします(闇鍋を投げつける)

これができてからたるんでるな~と思ってたら、ちょうどフリコン締め切りまで1ヶ月くらいだったのでやりました。

15作品だそうが実績が一つもないなら新人。いいね?

ティラノゲームフェスもそうですが、参加作品は1つでも多いほうがいいだろうし、なにより大好きなフリーゲームというジャンルでコンテスト開いてくれてるのが嬉しかったので……参加しました。

あと性癖の露出をどんどんしていきたかったので、殴り込みの気持ちでいったのもあります。対戦よろしくお願いします!!!の気持ち。実はフリコンはR18ゲームでも参加できる懐がふか~いコンテストなので、こういうゲームが投げ込まれてもいい!

最初は1日でさくっと作ってとっとと出すかとも考えたんですが、ネタが思いついちゃったのでなんか大変なことになりましたね。

せんていトランスの骨組み

せんていはみあずまと違って今までのセオリー通り、というよりやりたいようには作ってないので、そこらへんを説明しましょうか。

まず、このゲームのテーマは「キャラクター消費をカジュアルにやろう!」というものです。

消費というとなんだか愛がないように聞こえますが、私は自分の作ったものが全部大好きなので、せんていトランスのキャラクターは皆大好きだし、このゲームが大好きなのでご安心ください。

ただ、今回は骨組みがかなり客観的というか、限界チャレンジみたいなことになってるので、いつもと違うんですよ。これはもう私にしかわからん感覚的なものかもしれませんが…………。

大枠と後日談であることについて

せんていトランスは『「14men」という架空の乙女ゲームに「女体化MOD」および「男体化MOD」を使い、ゲームを攻略したあとのエピローグだけを収録したもの』という変な設定です。(この時点で「?」となっている未プレイの方はヘッダーにいる人に会ってね!)

なんでこんな変なゲームになったかというと、
①たくさんヒロインを出して良さげな部分だけ啜るゲームがいい
②ヒロインをたくさん考える際に、TSFというヘキを盛り込みたくなった
③TSFゲームは主人公がTSっ娘で攻略対象は女の子もいるイメージ(偏見)
④でも自分は攻略対象が全員男でTSFするのがヘキなんだよ!!
⑤そもそもこれは乙女ゲームということにすればいいのでは……?
という複雑な流れがあります。

正直「女体化MOD使った乙女ゲーム」というパズルが完成したときはあまりにも素晴らしくて感動しました(自画自賛)。

ゲームを攻略したあとのエピローグだけを収録したもの、というのはシンプルに「まともに作ってたらダレるし間に合わない」からですね。すべてが終わったあとしか描写しないことで、起承転結のうち起承転をすっとばせるという荒業。
これは個人制作だからできる暴力で、「本編をぶっこ抜いて後日談だけで殴る」というのは普通よくないと思います。
でも、私の制作スタイルって基本的に「大きな流れのぶっこ抜き」ではあるので、これでいいのかもしれない。
このあたりについて言い訳をすると、「細かな人物像はプロフィールを提示して、本編ではテンポよく処理していく」というのは「十二大戦」という大好きな小説をリスペクトしたものになります。

MBTIについて

説明したくなかったけど、流石に避けて通れないので触れておきましょう。

16人を選ぶ際の選択肢で察せる方もいらっしゃると思いますが、あれはMBTI(Myers-Briggs Type Indicator)という性格検査の判定を元ネタとしたものです。
(ちなみにせんていトランスの最初の版では作者のミスでこの判定が普通に出るようになっていましたが、今は出ません)
四つの二分法をそのまま選択肢にし、16つの性格類型をもとにキャラクターを作ったわけですね。

ここで言っておかなくてはならないこととして、この作品はフィクションであり(当然!)、実際のMBTI性格診断による偏見や区分などについては全く関係がないものです。「せんていトランス」について、あのタイプだからああなんだ!という解釈はしてもいいし、それで楽しむのは構いませんが、他の作品や現実の人間に、この性格類型を無理矢理押し付けるのはよくないからやめましょうね!個人や身内でなかよく楽しみましょう。星座占いや血液型と一緒!!

MBTIについてはここのサイトとか本を読んでみるといいと思います。

「せんていトランス」で使った二分法は一番ざっくりとした分け方で、ウィキペディアにのってます。

っていうかMBTI云々より16キャラクター作ったことを褒めてほしいので、存分に褒めてください。

TSFと架空作品の二次創作について

私はソシャゲの男が女体化するやつをpixivでよく見てるんですけど…………

最悪自己紹介ではなく。
ソーシャルゲームなどの男性キャラが女体化したデザインを描く作家さんて結構いらっしゃるんですよ。ありがたいことですね。
この性癖を手軽にゲームへ出力できるんじゃない?というのが「せんていトランス」の核の部分になります。

ただ、これをそのまま出力しようとすると、ソーシャルゲームなら大体男女どっちもキャラクターがいるので、男ばっかり出てるとうん……?となってしまう。

かといって、初手からBLゲーム前提だと話が全く違ってきてえ…………。

となると、もういっそのこと主人公も女で百合か?と思ったんですが、最初に考えたのがバレヌルートで、これは「主人公が男じゃないと出せない旨味があるな」となり…………。

う~~~~~~~ん…………。
MODという設定を加えればいいのでは!?
となったわけです。

乙女ゲームなら男のときの姿が容姿端麗ばっかりでも(ターゲット層が女性向けだから)説明がつきますし、ファンによるMODということなら、わざわざ全員を若い女の子ばかりにするというのも(そいつの性癖だから)説明がつきます。

架空作品の二次創作というこの構造自体も「派生作品」とか「MODを適用したゲーム」とかの文化が好きな自分としては気に入っています。

入れ子構造になっているゲーム、というジャンルも大好き!

キャラクターの消費について

「せんていトランス」は後日談と各キャラクターのプロフィールで構成されており、本当に最低限のもので成り立ってます。

逆に、最低限だけど「そのキャラの話があると嬉しい!」「設定があると嬉しい!」「関係性があると嬉しい!」「対比があると嬉しい!」「変化前の姿があると嬉しい!」「属性や能力があると嬉しい!」が込められています。

この嬉しい!っていうのは、総じてキャラクターの消費の味だと思うんですね。

攻略本が好き。ゲーム内の図鑑を見るのが好き。公式サイトのキャラクターページが好き。インターネットの大百科にある記事が好き。フォロワーのふせったーにある各キャラへの一言が好き。

それを見るだけで自分の中だけにある、自分がプレイしたゲームを思い出せることが嬉しい。

消費の味は嬉しい味。

「せんていトランス」はその味だけを抽出した調味料みたいなゲームです。
良くいえば濃縮された味があり、悪くいえば味しかないので、振りかけられている食材そのものがない。

変なゲームです。
でも、私の誇れるゲームです。

客観的属性配置

というわけで、調味料みたいなゲームなので、今回は流れをつくるというより、あるべきものを置いていくみたいな作り方をしていました。

16人のキャラクターについて、それぞれ後日談があるのはもちろん、重ならないように(重なってもいいけどズレるように)属性を配置していきます。

例えば色。みあずまで随分苦労しましたが、「せんていトランス」は初めからキャラクターに色を振り分けていたのであまり苦労しませんでした。

一番苦労したのは職業、というより立ち位置だったんですが、これは関係性から逆算してなんとか配置できました。まず陣営をざっくり決めて区分することで「この陣営にはこの役割の人がいるな……」とできるので。

「せんていトランス」には大きく分けて5つの陣営があります。
①勇者パーティ
②途中から勇者パーティに加わる元勇者パーティ+王子
③魔王軍
④一般人
⑤メタキャラ

これを決めておいたことで、「この陣営にはこれをやってもらう」という振り分けができたので良かったです。
普段こんなパズルみたいにゲーム制作してないので新鮮でした。

骨組みじゃないところについて

だいたい配置ゲーみたいな制作の仕方だったんですが、そうでもない部分もあるので、ちょっと言及しましょう。

偶像破壊

まずあったのが勇者と魔王の話なので、絶対について回るテーマだなと思いながら各ルートを書いてました。

実はお兄ちゃんのルートについて、最初はイチャラブエンドだったんですが、己の偶像崇拝ジャンル人格が「こんなものは真実ではない」といい出したので、結果的にああなったというのがあります。

勇者であることをやめたい主人公、というのが共通の概念として成り立ったので、兄や王子のルートがあんな感じなんですね。

魔王軍の各ルートが全体的に「世界はメチャメチャだろうけど本人たちはハッピーっぽくない?」になっているのもこのせいですね。

勇者として役目を終えた人物に待っているものについて、ネガティブな解釈が根底にあるというか……。

これが『「14men」という架空の乙女ゲームに「女体化MOD」および「男体化MOD」を使い、ゲームを攻略したあとのエピローグだけを収録したもの』でよかったねえという気持ちです。

某帝国が出る系列の正史に組み込まれてる作品だったら、間違いなく王子エンドこそが正史のTRUEエンドだったことでしょう。

女になっても俺にデレないおもしれ~TS娘たち

これと同じタイプの「TSした友人が最初は男友達みたいだったのに妙に距離がおかしくなり……?一線超えたらデレデレに!」みたいなのも好きなんですが、それは巷にもうありまくるせんていトランスでそれをやるのは真実じゃないので、しませんでした。

そもそも乙女ゲームの男たちというのが前提にあるので、TSジャンルとしてはややズレた攻略対象かなとも思います。
まあ、じっさまとかおじさんあたりは口当たりがトゲトゲしてないと思うけど……。妖精とか幼馴染とかも柔らかい口当たりですよね。作者が適当に言ってるだけなのでこれは無視してください。

敗北性癖エンドを筆頭に、魔王軍のメンツはTSしても本質が変わらなそうなやつばっかりなので、「他ルートのシチュエーションもそうだけど……こういうのもっと増えてくれよなあ!」と思った記憶があります。

「俺をボコボコにした男がTSしたと思ったら、今度は女として俺をボコボコにして、俺の人としての尊厳を破壊し人生を終わらせてくれるらしい(逆転なし女性上位)」みたいなシチュエーションはもっと増えた方がいい。っていうかあるなら情報ください。

まとめ

間に合ったんだからよかったんじゃないでしょうか……
これさいきんみたことあるまとめだぞ

あと、BGMを16名に合わせて16サイト(作者様)から借りられてよかったなになりました。最高なのでreadmeを読んで聞きに行ってくれよな。

制作中は完全に修羅場人間になっており、ディスコードで人に泣きつき、体調と情緒が終わりになり、労働中は無になっており、1ヶ月の記憶があんまりありません。
こんなゲーム制作をしてたら死んじゃうよ。
1ヶ月でこんなのが作れるんだ~の参考に絶対しないでください。

もう4700字超えてるのでこのくらいにしておきましょう。
16人(+1人)についてはまた後日。

というわけで!
ブラウザでも遊べる!ので引き続きよろしくお願いします。

なんとお手軽同人誌も2つある!のでそちらもよろしくお願いします。